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AIで進化する生産計画!最適化手法と成功事例 vol.01

現在、効率的な生産計画は製造業のみならず、化学、半導体、重工業、製薬業界など、さまざまな業界において重要性を増しています。多品種化や需要変動が激しい市場環境の中で、限られたリソースを最適に配分しながら業務を進めることは、どの企業にとっても大きな課題です。特に、サプライチェーンの複雑化や労働力不足が続く中、生産計画の精度が企業の競争力を左右する…と言っても過言ではない場面が増えてきました。

しかし、生産計画は多くの制約条件や変動要素が絡み合い、ベテラン担当者に依存しがちで属人化する等のリスクを抱えています。どのように課題を解決し、企業全体、ひいてはサプライチェーン全体のパフォーマンスを向上させるか、今回は、「生産計画」に焦点を当て、その最適化手法とAIソリューションの役割について紹介します。


1.生産計画の概要と重要性

生産計画は、製品の生産量や時期、原材料の調達、最適な人員の配置、設備の稼働などを考慮し、効率的に製造プロセスを進めるための計画業務です。計画がしっかりしていれば、生産現場のムリやムダを抑え、コスト削減や納期の遵守が可能になります。

一方で、杜撰な生産計画は、余剰人員の発生や人手不足、品質低下といった問題を引き起こし、企業の利益にも悪影響を与えかねません。例えば人が余れば人的コストは膨らみ、人員不足の場合は現場が疲弊する上、製品チェックが甘くなるなど、結果的に質の低下に繋がります。
生産計画は、事業計画や人事計画など、ヒト・モノ・カネに直結する、企業経営の根幹に関わる重要な業務なのです

2.生産計画における課題

重要な生産計画業務ですが、多くの課題が存在します。

01:多品種/制約条件への対応

製品の種類が多い場合、それに応じた多様な生産ラインが必要となります。また、品種が多いと切り替え回数も増え、計画が複雑化し、生産ロスが発生しやすくなります。さらに、時期や気象によって原材料の調達が難しくなるなど、制約条件も多岐にわたります。制約条件が複雑な中での計画立案は、非常に難易度が高く、経験値が豊富なベテランに業務が集中する傾向にあります。

02:頻繁な計画見直しへの迅速な対応

市場の変動や製造現場の事情により、計画を何度も見直す必要がありますが、その都度、関係者との調整が必要です。修正箇所が多い、関係ステーホルダーが多いという場合は、その調整作業だけで多くの時間を要します。作業が遅れると、再スタートが遅れ、さらなるコストやリスクが発生します。見直し作業は精度だけではなく、スピード感も求められます。

03.計画の良し悪しが判断できない

様々な制約条件に対応し、限られた時間の中で立てられる生産計画ですが、市場の変動や製造現場の事情により、計画の見直しは頻繁に発生します。見直した結果、果たしてこれが現状におけるベストなものなのか…その判断はベテランでも難しく、多くの企業が検証できずに機会損失が発生しています。

生産計画には課題が多い

3.最適化AI(ヒューリスティックアルゴリズム)による課題解決

こうした生産計画の課題に対して、AIは大きな役割を果たします。特に、ヒューリスティックアルゴリズムを活用した最適化は、複雑な制約条件を反映しながら効率的に生産計画を立案・見直すことが可能です。

複雑な制約条件も反映可能

ALGO ARTISの最適化AIを用いたソリューション Optium(オプティウム)は、設定した初期条件に基づき、最適な生産計画を迅速に提案します。複雑な制約を加味した計画の生成が可能で、多様なシナリオに対応する柔軟性があります。適正在庫や原材料費などマスタへの項目を追加可能にするなど、ニーズに応じてオーダーメイドで設計することで、必要なデータをインプットし最適化ボタンを押せば、無数に存在する組み合わせの中から、最適化AIが最適な生産計画を提案します。ビューの切り替えも簡単で、さまざまな視点から複雑な制約条件の反映が簡単にできるUIとなっています。

例:生産計画ビュー
ラインごとの生産計画を可視化。最適化結果の確認や計画の修正などの作業を直感的に行えます。

実用的な計算時間(数分〜30分)

いくら優れたAIソリューションでも結果が出るまでに数時間もかかっては、導入が難しいですよね。ALGO ARTISのソリューションは、複雑な生産計画でも数分から30分程度で結果を出すことを目標としています。これにより即座に意思決定が行えます。

結果を早く出すためには、2点を抑えることが重要です。業務の流れを正しく理解しシミュレーションすること、そして高性能なアルゴリズムです。ALGO ARTISでは設計段階から丁寧なヒアリングで必要十分なシミュレーションを構築し、世界トップレベルのエンジニアがフルスクラッチでお客様の業務に合わせた最適なアルゴリズムを開発しています。

運用環境の変化に強いアルゴリズム

ALGO ARTISが採用するAIは最適化AIとも呼ばれるヒューリスティックアルゴリズムです。ヒューリスティック最適化とは、複雑な問題を効率的に解決するために使われる手法で、厳密な最適解を求めるのではなく、現実的で実行可能な良い解を迅速に見つけることを目的としており、人間が考えるプロセスにとても似ています。

ヒューリスティックアルゴリズムは柔軟性に優れており、生産環境のような動的で不確実性の高い状況に迅速に対応し、良好な結果を得ることができます。設定した条件に基づき、必要に応じて複数の計画を提案することが可能で、生産計画担当者はその中から判断して計画を選択するため、納得性も高まります。人はアルゴリズムと共に最適な計画を判断することができるのです。

複数シナリオでのシミュレーションと定量評価
複数のシナリオでの最適化と各KPIを定量的に比較評価することにより、より客観的な意思決定ができます。

ヒューリスティック最適化を活用した生産計画は、これまで困難だった課題に対して有効な解決策を提供しています。実際に、ある企業では生産計画の見直し作業が90%削減され、コスト削減と生産効率の向上に大きく寄与しました。

ALGO ARTISがどのようなアプローチで生産計画のAIソリューションを設計し、企業に導入されているのか。次回は独自のアプローチに焦点を当てた記事をお届けします。

お知らせ:
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