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製造業の生産計画:AIと人の力を融合し次世代の最適化へ

最適化 AI により社会基盤を⽀えるあらゆる産業の⾼度な計画最適化を目指す私たち ALGO ARTIS(アルゴ・アーティス)は、この9〜10月の間に新たな分野へのソリューション提供を開始しました。

今回、一般家庭用厨房機器および半導体製品の生産計画へのソリューション提供は、弊社にとって初の試みです。皆さんご存知のとおり、どちらも私たちの生活に欠かせない製品であり、ALGO ARTIS はこれまでも多様な産業での計画最適化を推進してきました。

今回は、特に組み立て系製造業における生産計画の課題と、AIを活用してそれを解決する方法について、より深く掘り下げていきたいと思います。


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1.組み立て系製造業:生産計画の課題

現代の製造業では、製品が多品種化し、生産ラインに求められる柔軟性が一層高まっています。特に、設備投資のタイミングや急激な需要変動、材料調達の難しさ、サプライチェーンの管理の複雑さなどが柔軟性を要求する大きな要因となっています。

今回の導入を例にすると

  • FUJIOH

    • 一般家庭用レンジフードで国内シェアNo.1を誇るFUJIOH様は、安定した供給を維持するために、各生産ラインの複雑な条件、前後工程の負荷、及び需要変動を考慮した生産計画の策定が求められています。しかし、この計画策定プロセスにおいて、工数の増大プロセスのブラックボックス化(不透明化)が課題となっていました。

  • TOPPAN

    • 半導体関連のキーデバイス供給と新規事業創出を通じて事業価値の最大化を重要な施策と捉えているTOPPAN様は、半導体製造に必要な部材の製造工程での生産能力強化が大きな課題とされています。

両社に共通する課題としては、生産計画における工数負荷の低減、ブラックボックス化や属人化の解消、さらなる生産効率の向上が挙げられます。こうした課題に応えることで、事業を支える生産基盤の安定化と強化が実現できるでしょう。

課題をまとめると・・・
1.工数負荷の低減
2.属人化の解消
3.さらなる生産効率の向上

2.ALGO ARTIS の最適化AIソリューション

ALGO ARTIS の最適化AIソリューション「Optium(オプティウム)」は、製造業が抱える生産計画の課題を、どのように解決していくのでしょうか。
そのコンセプトや特徴を通じて、AIによる解決の可能性をご紹介します。

2-1.オーダーメイドで実現するAll-In-Oneアプローチ

複雑な制約条件にも対応するヒューリスティック最適化
ALGO ARTISは独自のヒューリスティック最適化技術を⽤いて、

  • 生産計画における職人技である経験やノウハウ

  • 実務上の運用ルールや制約

を細かく反映した、各企業様毎の最適化AI(アルゴリズム)をオーダーメイドで開発しています。AIの中でも特に柔軟性に優れたヒューリスティック最適化を採用することで、複雑で多様な制約条件に対しても高い適応力を発揮します。
このアプローチにより、業務間やシステム間の断絶を防ぎ、現場にとって現実的かつシームレスな生産計画を自動で作成します。

実用的な計算時間と現場に即した計画提案
自動で生産計画を生成するだけでなく、Optiumは"現場で使える”時間での出力にもこだわりを持っています。厳密解ではなく、短時間で近似解を提供することで、数分〜30分というスピードで現場に即した計画案を提案します。これにより、日々の業務においても効率的な活用が可能です。

現場担当者が直感的に操作できるUI
OptiumのUIは、各社の担当者と密なコミュニケーションを重ね、現場での使いやすさを最優先に設計しています。必要な機能を厳選し、時には機能を削減することで、誰でも迷わず使いこなせるインターフェースを提供しています。使いやすさと効率を両立させ、現場の生産性を最大化します。

プレスリリースより

2-2.複数シナリオのシミュレーション機能による意思決定⽀援

オーダーメイドアプローチによって、工数負荷の削減や属人化の解消が可能になり、最適化AIが生産計画に貢献できることをイメージいただけたかと思います。しかし、さらなる生産効率を追求するには、人とAIのシームレスなインタラクションが重要になります。

Optiumは、各計画のKPIを定量化し、シミュレーション機能を用いて複数の計画案を比較を可能にします。生産量の最大化、生産コストの最小化、バランス重視など、ユーザーが選択する目標に応じた優先モードを選択することで、ユーザーに最適な計画を自動生成し、迅速かつ的確な意思決定を支援します。

生成された計画案は、人の判断によって確認・調整され、重要視する要素に基づいて微調整することで、さらに高い効率の生産計画が実現されます。AIと人のインタラクションを活かすことで、柔軟かつさらに効果的な生産計画が可能になり、持続的な業務改善へとつなげます。

プレスリリースより

3.お客様の声:ソリューション導入による変革

ここで、2社それぞれのご担当者様から、Optium導入に関するコメントをいただきましたので、ご紹介いたします。

富士工業株式会社(FUJIOH)
生産管理部長 大久保 健 氏からのコメント


これまではスクラッチで開発した生産計画立案システムで策定していましたが、近年、生産性向上や品質向上のための制約条件や要望が増え、一方のプロセス要件を満たすと他のプロセスにハレーションが起きる等、複雑性が高まってきていました。当初は一般的な生産スケジューラでの解決を検討しましたが、リードタイムの短さや基幹システムの使い方、管理品番の量の多さ等、様々な面で解決すべき課題が多すぎたため困難であると判断し、スクラッチでの検討に切り替え、ヒアリングを重ねてきました。

導入検討においては、複数社のソリューション比較を行いましたが、ヒアリング時の業務理解力、傾聴力、そして提案内容の面から、「ALGO ARTIS と一緒に仕事がしたい」とメンバー全員の意見が一致しました。もっとも決め手になったのは、エンジニアの方が実現性に自信を持っていた点かもしれません。今回 ALGO ARTIS の最適化ソリューションにて、工数削減、属人化、生産プロセスの生産性向上を図り、需要予測やサプライチェーン全体の最適化にも範囲を広げて取り組んでいきたいと考えています。

プレスリリースより

TOPPAN株式会社
エレクトロニクス事業本部 製造統括本部 課長 田仲 理 氏からのコメント

ALGO ARTIS は最適解を得やすいアルゴリズムを保有しており、エンジニアの理解力も高いため、プロジェクトの早期達成が可能であると判断しました。

効率のよい生産計画ツールとしての活用はもちろん、生産計画を軸とした計画業務フロー全体のさらなる改善を目指しており、生産性の向上や省人化の加速を期待しています。
今回開発したアルゴリズムを、エレクトロニクス事業本部の他工場へ展開するだけでなく、生産計画以外の業務にも活用が可能か検討していきます。

プレスリリースより

製造業の未来に向けた貢献

ここまで、組み立て系製造業に共通する生産計画の課題と、最適化AIによる解決策についてご紹介しました。ALGO ARTIS は「計画」に特化した高度な技術を通じ、日本の製造業の効率化やリスク低減に今後も貢献してまいります。

さらに、製造業にとどまらず、金融、エネルギー、物流など幅広い多様な産業へのソリューション提供を通じ、サプライチェーン全体の最適化を目指します。これにより、私たちのコーポレートビジョンである「社会基盤の最適化」の実現に向けて、一歩一歩前進していきます。今後もALGO ARTISの展開にどうぞご期待ください。

Impact Report(インパクトレポート)2024」より

最適化ソリューション『Optium』:


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ALGO ARTIS について:https://www.algo-artis.com/
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