【起業の動機】介護保険のデイサービスに失望した話
自己紹介など経歴にも書いてますが、一時期、デイサービスの介護職や生活相談員を兼務したことがありました。もう7、8年前の話です。
現場の介護職をしながらケアマネさんなど外部との連絡調整をしたり、本当に大変でしたね。
ただ、送迎とか、入浴介助とか、レクリエーションなど人を楽しませること自体は好きだったので、それらが全部できるデイサービスは個人的にあっていました。
反面・・・
😅一番精神的にストレスを抱えたのも、その時期でしたね。
今日はそんな介護保険のデイサービス時代のことを振り返ってみようと思います。
① あれこれやっていけないことが多すぎた介護保険制度
デイサービスは介護保険のもとで運営されているから、保険制度に従わなければなりません。
デイサービスは在宅で元気な人もけっこう利用するので、お客様から「ああしたい、こうしたい」という希望はたくさん聴かれました。
私達もそれに応えてあげたい気持ちでいっぱいだったのですが、
「ここから先はデイサービスの範疇じゃないからできない」
・・・ということが多々ありました。
通院とか、送迎時に家の中に入って介助するとか・・・。本当は訪問介護が行うべきことではあるんですが、ものの1分で済むことすらやってはいけないとされていたのです。
もちろん、介護保険のルールなので仕方ないと割り切っていましたが、自分自身としてもやってあげたいという気持ちが強く、お客様からも
「なんでそれくらいのこともしてくれないの?」
・・・といった声がよく聴かれましたね。
今は法律が変わって、家に入っても良いことになっているみたいですが。
② 無意味な事務作業がどんどん増えていく
これも介護保険ならではのことで、デイサービスに限った話ではありませんが、本当に無意味な事務作業が増えていくのがつらかったです。
多くは『加算』をとるためにやらなければならないものですが、結局、国は財源がないので、
「😏加算を複雑にして、事務作業をメンドーくさくすれば、やらない事業所が増え、国の負担も減るだろう!」
・・・という考えなのは間違いないですね。
とくに、面倒だなと感じたのが、機能訓練加算。私が相談員を務めていた時にはじまったのですが、途中から加算をとるために、
3ヶ月に1度、お客様のご自宅を訪問して、自宅内を拝見したり、面接みたいなことをしなければなりませんでした。
3ヶ月なんか、働いていたらあっという間です。この手間は私達スタッフだけでなく、お客様やご家族にとっても負担でわずらわしいです。
上述のとおり、国は
「メンドーくさいからやらない事業所が増えるはず」
・・と思っているのですが、実際は加算をとらないとやっていけない事業所も多いので、やることになります。
つまり、ただ面倒な事務作業が増えるだけとなってしまうのです。
これ、誰トクなんでしょうか?
③ レクリエーションなどを手抜きばかりするベテランスタッフ達に失望した
これは介護保険とは関係ない話になりますが、レクリエーションの話です。
ですが、これは、自分がこのデイサービス事業所を辞める動機にもなったのです。
私の務めていたデイサービスでは、毎月、その月のお誕生日の方にプレゼントをしたり、場合によってはイベントを開催することになっていました。
担当スタッフは1月は◯◯さん、2月は✗✗さんというように交代制です。
しかし各月の担当スタッフによって、ものすごいプレゼントのクオリティが違ったりしてしまうのです。
もちろん、センスの有無があるのは仕方ないことですが、あきらかに
『手抜き』
をするスタッフもいました。
お誕生日というのはお客様自身にとっては、
「😌別に祝ってもらわなくてもいい」
・・・と言う方もいらっしゃるのは事実ですが、相手がどうであれ、スタッフが手抜きをするのは、サービス業としては失格です。
プレゼントやイベントの結果がどうであれ、一生懸命やればそれなりに良いものが自然にできるはず。
そして、ベテランスタッフほど、レクリエーションなどに手抜きをしていました。もう20年以上運営されていたデイだったので、ベテラン、御局は何にしてもラクをすることしか考えていませんでした。
そして
私が誕生日の担当になった時のこと。
「今年はどんなプレゼントをしよう?」
・・・と私が考え、思いついたのが、
『誕生月のお客様が生まれた日の新聞をプレゼントする』・・・というものでした。
だいたいの方は昭和生まれ、少なくとも大正生まれであり、数十年前の新聞はすべて図書館に行けば保存してあったのです。
私はその月のお誕生者・約7〜8名ほどの生まれた日の新聞を図書館でコピーし、それをファイルにまとめて色紙とともにプレゼントしたのでした。
結果、お客様やご家族からの評価はとても喜んでもらえました。
当時はインターネットを使えない世代の方でしたから、
「よく、こんなの調べてくれたね」
・・・とびっくりされていました。
翌月になり・・・
翌月の誕生日スタッフが別のプレゼントをあげていました。見るからに手抜きで、折り紙の鶴などをビニール袋に雑に入れて渡していました。
「こんなのもらって誰が喜ぶんだよ」
・・・と私はスタッフの手抜きに腹がたっていましたが、
「このベテランスタッフはそれなりに気持ちをこめて作ったのかもしれないな」
・・・と感じ、とくに触れませんでした。
ところが・・・!
その月のお誕生者の一部からですが、
「(●`ε´●)前の月の人とのプレゼントの差は何?こんな折り紙、誰でも作れるじゃない!いらないわよ!」
・・・と、本音だったのでしょう、不満をもらされたお客様もいました。
相手をナメていると、そういうことになるのですね。
その後、月に1回のデイサービス全スタッフ会議が開かれました。
そこでベテランスタッフや御局さんから出た意見に、
私は心底、落胆したのです(´・ω・`)
「アルゴさんみたいに凝ったプレゼントのはよくないと思います。そうすると、他のスタッフがやりにくくなってしまいます」
「皆、送迎や入浴など忙しい中で仕事をしています。誕生日プレゼントやレクリエーションの準備は時間外労働であり、ただでさえ大変なので、ほどほどにする必要があります」
発言をしたベテランスタッフ以外は自分の意見も言わずだんまりでしたが、皆、そのベテランスタッフに逆らえなかったのか、それとも本当にそう思っていたのか、今となっては分かりません。
他のスタッフがとても良いプレゼントをしたり、別の接遇でお客様を満足させていたら、私はこう思います。
「よし、あのスタッフに負けずに、自分のできることで、もっともっとお客様を喜ばせてやるぞ!」
・・・と。
他スタッフの頑張りは、良い意味で自分の危機感となり、成長を促してくれるんですよね。
でもほとんどのスタッフは、
「頑張っているスタッフがいると、自分も頑張らなきゃいけないから、頑張らないでほしい」
・・・と思っているということですよ。
なので、
「こんな向上心のない人ばかりの事業所は、これ以上成長できない。ここにいては自分も成長できない」
・・・と感じ、失望しましたね。
誰も味方はいませんでした。
④ デイサービスでの悔しさが、今の事業の原動力になっている
今の個人で行う介護の仕事は、9割以上が外出援助の仕事です。
さらに外出援助の中でも、通院の付き添いがほとんどですが、それ以外にも美容院に行ったり、外食に行ったり、洋服を買いに行ったりと様々ですね。まだ、旅行には行けていませんが😆
『娯楽』というものは生活に必要ないと判断されているのか、介護保険では楽しみの外出援助はできないことになっています。
私が事業を立ち上げたのは、そうした部分を介護保険の外側で援助してあげたいという気持ちが元となっています。
介護保険のデイサービスでは、保険制度のルールでしてあげたい援助もできない。
また、ルールの中でお客様を喜ばせたいと一生懸命やっていても、周りのスタッフとの兼ね合いもあり、批判すらされることもある。
それなら、介護保険のルールに縛られないところで、必要な人に必要なサービスを提供しよう!
そんなサービスをはじめて、もう3年が経過しました。