なぜ多くの職員は意味のない介護をするのか?【手段と目的がごっちゃになっている】
以前の記事でお話したとおり、今年度いっぱいで施設介護をやめることを決意しました。
今後はもっと自分らしい働き方を模索していこうと思います。
楽しく働くことが一番大切だと思ったので…。
今日はどんなお話かというと
手段と目的がごっちゃになって、職員にとっても利用者さんにとっても無駄になっていることがある
・・・という内容です。
パジャマ更衣に何の意味がある?
施設によってパジャマ更衣が業務とされていたり、そうでなかったりの場合があります。
従来型特養で働いていた頃は、1フロア30人の利用者さんがいれば、1人、2人はパジャマ更衣を希望されていましたが、希望がある方以外は入浴以外は同じ服を来たままでした。
現在のユニット型特養では、従来型に比べると比較的自立された方が多く、その人に合わせて行うということになっています。
そう、その人にあわせて行う・・・ということがとても大切なことなのです。
しかし職員の中には、
「٩(๑`^´๑)۶パジャマ更衣をさせてあげないなんて、職員の都合だ。利用者さんのためになっていない」・・・といった声も聴かれます。
職員にとっては業務が増えるけど、きちんとパジャマを着させて寝かせてあげたい・・・という親切心で、悪い意味で言っているのではないのだと思います。
しかしこれって、場合によっては職員のエゴになるのですよね。
パジャマで寝たい利用者さんはそうしてあげるべきですけど、それを一律でやったりやらなかったりというのは、完全にこちらの視点ですし、職員にとっても利用者さんにとっても必要のない行動になってしまうことがあります。
私自身は小さい頃はパジャマに着替えて寝ていました。
しかし中学生くらいになると、家の中ではジャージを着ていて、寝る時はそのまま寝ていました。今もずっとそうです。
外へ出る時はジーパンやそれなりの服装に着替えます。
部屋着と外着だけ変えるといった感じですね。
そもそもパジャマは何のために着替えるのでしょうか?
その理由さえも人それぞれによりますが、
① 昼と夜のメリハリをつけるため
② 普段着はゴツゴツとした洋服を着ているため、寝る時には着替える必要がある
といった感じでしょう。
いずれにしても、きちんと理由があってパジャマ更衣をするというのは大切なことです。
そう、
利用者さんのアセスメントをして、それにあったケアを行うことが大切なのです。
何も考えずにパジャマ更衣が業務的になってしまうとどうなるか・・・?
「夜は遅番職員一人でパジャマに着替えさせる時間がないから、
14時のおむつ交換のときに、パジャマに着替えさせましょう」
「朝は早番職員一人で普段着に着替えさせる時間がないから、
夜中の2時のおむつ交換のときに、普段着に着替えさせましょう」
といったちぐはぐのことになります。
ちなみに私のユニットで実際に起こった実話です。
パジャマの目的が夜、
気持ちよく眠るため、メリハリをつけるため・・・いずれの理由であっても、上のケースでは夜の間にパジャマを着ている時間が圧倒的に少なく、まったく意味がありません。本末転倒です。
まさに、
目的と手段がごっちゃになっている介護なのです。
上記は一例ですが、見直すと私たちの業務もラクになりますし、何よりご利用者のための介護を行うことができます。
他の例や、無駄の削減に関しては私の著書(電子書籍)にて執筆していますので、興味のある方はご覧ください。
職員の感情は置いといて、アセスメントをしよう
繰り返しになりますが、利用者さんのケアをしていく上で重要なのはアセスメントだと思っています。
ホントに単純な話ですが、その利用者さんに必要なこと、不必要なことを、介護・看護・栄養・機能訓練・ご本人の意思 から導き出すのです。
いっけん大変なことに思えますが、これをやらないから介護の業務は大変になっていくのです。
人手が少ない中でも、工夫をしていくべきです。
きちっとしたアセスメントができれば、職員にとって無駄な介護をしなくて良いので負担は減りますし、利用者さんも必要な介護を受けることができます。