ヴィジョン・イズ・イン・ザ・ダーク

現在21歳。もうすぐ22歳。年甲斐もなく泣いた。しかもバイト先で。涙が流れては歯を食いしばって止めて、一段落するとまた涙が流れてきて、止めて、流れて、止めて、、、の繰り返し。結局目が腫れるぐらいに泣いていた。帽子を深く被ってなんとか見つからないように。

心当たりはある。「怖い」からだ。ここでいう怖いは、ホラー映画とか怪談話とか戦争とか、そういう類じゃない。「22歳」が怖いのだ。
今年度、大学生活が終わる予定。社会に解き放たれる。と思いきや就職する気はないし。普通に働くことはしたくない。やりたいことはたくさんある。お笑いやってみたいし、音楽もやってみたいし、ユーチューブだってやってみたい。人前に出ることをやってみたい。でも売れる確率なんて1%よりも低いだろう。そんな人生を賭けた博打をするのか。新卒一括採用でサラリーマン人生を送るのか。ある程度働いてから芸能へシフトしていくのか。俺が取れる選択肢は3つだ。この葛藤をふとバイト先で思い込んでしまって、22になる恐怖と、人生の先が見えない恐怖をダブルで喰らってしまった。その結果が涙として現れてきた。

何が最善なんだろう。普通に就職して、1年やってお金貯めて、芸能仕事をやる。これだと会社を辞めづらい。ならもう1年バイトするか。でもスタートが遅いから、売れるまでに時間がかかる。じゃあ今すぐ東京行くか。それだとお金がない。何をしたらいいんだ。やりたいことはたくさんあるけど、人生設計図は未だ闇の中だ。

ちゃんと考えよう。タイムリミットは、あと4ヶ月。

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