「赤と青とエスキース」が投げかけた私達へのメッセージ
読み終えた後、とても不思議な感覚に襲われました。
この物語は、もちろん画家・画廊・絵を飾る額縁・それに関わる人達のそれぞれのストーリー
なんだけど、「はっ!これはどんな職業、いや全ての人達にあてはまる壮大なテーマが込められてる
んじゃないかって・・・」
そしてそこには著者のこの作品(本)が時代を超えて永遠に人々の心に残って欲しいんだと・・・
人はどうしても目の前に見える姿や形で物事をとらえがちだけど、そうじゃないんだ、その奥底にある
想いを受け取り、それを共有することが大切なんだと。
この作品を読み終えた読者が、タイトルにも入っている「エスキース(下絵)」の意味に気づいたとき
自分の中のなにかが動きはじめていることだろう。
青山美智子という作家はまた一歩私たち読者の一番温かいところを刺激してくる。
彼女の書きたい世界はまだまだ広がっていくのだろうと感じさせてくれる作品だ。