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光の教会(安藤忠雄設計)/茨木春日丘教会礼拝堂(現在建物見学停止中です)

光の教会は、プロテスタントの教会である茨木春日丘教会の礼拝堂として、1989年に竣工しました。

現在、通常の建物見学は全面的に停止しています

教会側としては、広く受け入れたいと願いつつも、赤字運営や見学業務の負荷、その上に観光公害トラブル等による近隣クレームもあり、コロナ禍をきっかけに見学全面中止が続いています。

信仰のための日曜礼拝は問合せの上で、少人数を受け入れることもあるようですが、建物見学やマスコミ取材などは一切応じていないとのことです。

ホームページにはそこに至る心苦しい状況が述べられています。そのためそもそも教会に関する内容をアップすることも憚られます。
そっとしておいた方が良い気がしましたが、むしろしっかりと、建物見学は出来ない状況であることを伝えておくことも大切なのかなと思い直しました。

茨木春日丘教会とは

日本キリスト教団に属するプロテスタントの教会です。
茨木春日丘教会は1972年に設立され、地域に根ざした活動を行っています。

プロテスタントの教えはイエス・キリストを救い主とする信仰を大切にすると聞きました。
プロテスタント教会ですので宗教指導者は牧師さんです。

建築的特徴

光の教会を設計したのは安藤忠雄。コンクリート打ち放し風のデザインで有名な世界的建築家です。

コロナ禍前の撮影です
この時はとても静謐な空間でした

礼拝堂の壁を十字型に切り取った開口部から差し込む光は季節や時間の移りによって差し込む光が表情を変えて、シンプルな空間をより広大な拡がりを感じさせます。神聖で力強い厳粛な空間です。

斜めのアプローチや窓のスリットが特徴

建築家安藤忠雄

1941年大阪生まれ。独学で建築を学び1969年に安藤忠雄建築研究所設立。
コンクリート打ち放し風の壁面デザインが最大の特徴です。
代表作は《住吉の長屋》(1976年)、《風の教会》(1986年)、《水の教会》(1988年)、《ベネッセハウス》(1992年)など多数あります。

杉本博司作品にも

現代美術作家の杉本博司は「建築」作品シリーズのひとつに光の教会を撮影しています。

杉本博司アートワークスより引用
https://www.sugimotohiroshi.com/new-page-5

「建築」シリーズは、撮影焦点を無限大の2倍に設定し、強制的にぼかされた像は、装飾などの弱いディテールは溶けて消え、建築家が脳内でイメージした力強いフォルムだけが残る、というもの。

やはり、光の教会はこの十字架型の開口部からの光が強烈な印象となっています。

いつかまた見学が許される時は、祈りの場として静かに祈りを捧げることが出来たら、と思います。


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