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アンドリュー・ワイエス展(大山崎山荘)

アメリカの国民画家といわれるワイエス(1917ー2009)の作品を「オルソン・ハウス」を通して見ることのできる展覧会です。
代表作《クリスティーナの世界》が有名ですが、美術の通史の解説はアメリカン・シーンの次に抽象表現主義の説明に移ることが多く説明が少なめなのが残念ですが、とても静謐な世界を描く素晴らしい画家です。

アサヒグループ大山崎山荘美術館

アンドリュー・ワイエス展 
追憶のオルソン・ハウス

丸沼芸術の森所蔵
アサヒグループ大山崎山荘美術館
前期:2024年9月14日(土)ー10月27日(日)
後期:2024年10月29日(火)ー12月8日(日)

アンドリュー・ワイエスの概説
ワイエスは1939年、22歳のときメイン州にあるワイエス家の別荘に行き、オルソン・ハウスに住む姉弟と出会い、交流が始まります。

ワイエスは当時築150年というオルソン・ハウスの建物にひかれ、その2階をアトリエにして、ハウスとオルソン姉弟を描き始めます。

足の不自由な姉のクリスティーナをモデルにした《クリスティーナの世界》(1948年)は20世紀のアメリカ美術を代表する傑作と評価されています。

ワイセスの描くオルソン・ハウスは初め白い壁が印象的に描かれますが、年月の経過につれ変化していきます。
弟のアルヴァロは症状が悪化する姉を支え、負担の増えるアルヴァロは農作物を手のかからないブルーベリーに変えたりします。
約30年にわたり、少しづつ荒れていくオルソン・ハウスの様子や姉弟を描いていきます。

展示作品と構成
美術館内は全て「撮影禁止」のため作品リストからイメージします。
例えば、展示室2の入口にはオルソンハウスの大きな写真パネルがありテーマがこの家である事を再認識させてくれます。
展示室のサイズを上手く活かした展示構成がされています。

オルソン・ハウスと出会った当初の頃
30年経った頃
外光が印象的な内部の様子
《クリスティーナの世界》習作
様々に検討をしている様子
出会った頃に40代のクリスティーナ
代表作の印象ではもっと若い女性と思っていたひとが多い
弟のアルヴァロにはお疲れの表情がみえる
クルスティーナの墓とオルソン家との配置
代表作との比較が切ない

作品リストは図録に近いイメージがあって見易いものです。
学芸員さんのアイディアなのでしょう。素晴らしいと感心しました。
前述のパネルや展示構成などあれこれ工夫が感じられます。

作品リスト

今回の展覧会は、ワイエス・ハウスを描いた作品を、大山崎山荘美術館の素晴らしい建築と合わせて楽しむことが出来ます。

クリスティーナの世界といえば
原田マハ『モダン』文春文庫 2018年「中断された展覧会の記憶」に《クリスティーナの世界》が登場します。
とても印象に残っている小編です。

《クルスティーナの世界》が登場する物語


アンドリュー・ワイエス展覧会公式ホームページ


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