2020年3月おすすめのヒップホップMV5選

2月は日本語ラップオンリーだったので、今回は海外多めにしました。


1 Machine Gun Kelly - why are you here

昨年、フジロックに出演することがきっかけで聴き始めたMGK。ロックの影響がわかりやすく表れており、元ギター少年だった自分には結構突き刺さった。lil peepとかも同じ理由から好きなんだけど、MGKはエモラップ系の方々みたいにドラックで死ぬことはなさそうだから安心して聴ける。このMVもエモラップ系がこぞってリスペクトしているニルヴァーナへのオマージュ的なシーンが散りばめられているけど、MGKはLAメタル的な服装もしているし、エモラップとは別の角度からロックが好きなんだと思う(内省的な世界観というよりサウンド面)。
今月、MGKは他にもポップパンクバンド、Paramoreのカバーもアップしている。好きなラッパーが好きなバンドをカバーする、うれしい。


2 Fetty Wap - Fresh N Clean

Hookがメロウでキャッチ―なのですごく聴きやすい。しかもこのメロディが時々ベースでもなぞられるの、ロックとかではラスサビなどで見られるけど、ヒップホップでは結構珍しいのでは(そもそもループミュージックだし)?ウワモノも優しい感じを醸し出しており、ベースやハイハットがトラップ的なサウンドなのにチルしたいときに聴きたい一曲。


3 Blueface - Viral

Bluefaceは名前は知っていたけど今回初めて聴いた。トラックのストリングスのフレーズと、何度も挟まれるブレイクがクセになる。最初オーケストラの指揮者に扮したBluefaceは知的に見えるのに、ラップし始めると頭悪そうな映像に変わるのも面白かった。

4 Lil Mosey - Blueberry Faygo

Lil moseyも今回初めて聴いた。まだ18歳だというのだから驚きである。
南国感あふれるビートと陽気な感じのする声色が、最近の暗いご時勢を中和するのに丁度良かった気がする。


5 仙人掌 | Senninsho - SEKTION RED EXCLUSIVE

なんだ、この激ムズトラック!?と思ってしまった一曲。昔(と言っても1年ほど前)はこういうジャズっぽくてわかりにくいビートは敬遠していたけれど、Dos monosを聴くようになってからこういう曲も大好物になった。「まるで飲めなかったコーヒーが好きになる、あの感じ」とはこういうことを言うのかもしれない。


番外編 Moment Joon - TENO HIRA

MVは1月に出たものなので、この記事の趣旨とは逸れちゃうんだけど、今月リリースされたアルバム「Passport & Garcon」があまりにも衝撃的すぎたので番外編として紹介させてください(1月の紹介記事を作っているときに失念していた自分をぶん殴りたい)。
と言っても、正直、自分がこのアルバムについて何を言えばいいかわからないというのが本音です。あまりにも大きな問題提起を前にして、自分は何を語ればいいのか。でも逃げちゃいけないことはわかる。だからもどかしい。
ひとつだけ、自分がこの曲を聴いて思ったことを書きたいと思う。「でもまずは僕ら自身から変わろうよ/そして日本の常識を変えるとこまで上がろうよ」と呼びかけるmomentの取る戦略が、「俺の英雄は二度と死なせない」「スカイツリーじゃなくて君が居るから日本は美しい」というように、自分と立場を異にする人々がよく使う「言葉」の意味を塗り替えてしまうというものだったのは、日本語ラップをルーツだとするmomentの「愛国心」の表れなんじゃないかなと思いました。
こんな自分の文章を読むより、momentが寄稿している『図書』1月号を読んでほしい。そしてmomentの曲を聴いてほしい。恥を覚悟で拙い文を自分に書かせるくらいには衝撃的なアルバムなので。






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