サントリーのジン「翠」にみるマーケティング考察。
CMからバー、居酒屋、焼肉屋、スーパーにまで、どこにでもある翠ジン。
普通に生活しているだけでも見る頻度が高いです。
見る頻度が高いと、自然と記憶に残り、気になったりするもんです。
スーパーに行くと、翠のみが見事に売り切れていることが多いです。
僕からすると、ゴードンやビーフィーターも有名なのですが、全然棚から減ってないことから、「翠ジン」は日本のジン市場の活性化にはあまり関係ないと思ってます。
そして、ここからが重要なのですが、翠は、普段ジンを飲まない日本人のために作られたジンなのです。
翠は、柚子、生姜、緑茶という、日本人に馴染みがある材料から作られます。
つまり、親しみやすくて飲みやすいということです。
値段も、700ml約1300円と、そこまで高くありませんし、角ハイボールみたいにシンプルにソーダで割って楽しむものなので、買ってみようという気持ちになってもおかしくないでしょう。
翠が好みの人は、他のジンを試してみようという気持ちになるかもしれません。
Amazonやスーパーのお酒コーナーを見ると、ゴードン、ビーフィーター、ボンベイが大体同じ量で同じ値段です。
他のジンは、500mlで4000〜6000円するので、飲み始めた人は、手に取りやすい1000円代のゴードン等を買うでしょう。
ゴードン、ビーフィーター、ボンベイは200〜250年くらい世界中で人気が続いており、今でも愛されているブランドです。
つまり、王道ジンというわけですね。
しかし、翠とは全く味が異なるので、翠からジンが気になり始めた人が、それらを好きになるかどうかはわかりません。
むしろ、今度は、「六」を買ってみる気持ちになるかもしれません。
「六」は、桜葉、桜花、煎茶、玉露、山椒、柚子と6つの素材から作られています。
ここで勘の良い人は、「六」がなんとな〜く「翠」に似ていることが分かるかと思います。
その通り、「六」もサントリーのジンです。
「六」は700ml約4000円しますが、他のジンも大体それくらいなので、特別高くはありません。
ここで、「六」が売れたらサントリーのマーケティング戦略成功ということです。
実は50年ほど前に、サントリーは「プロフェッショナル ドライジン」という当時では高価格帯のジンを売っていたらしいです。
しかし、ジン自体のニーズがあまりなく、 わずか10年で終売になったと言われています。
売りたかった想いを託されたジンが、この「六」ジンなので、サントリーもきっと嬉しいと思います。 (お前はサントリーのおかんか)
「六」が売れなかったとしても、また「翠」を手に取るかもしれません。 なぜなら、彼らにとって、「翠」が安くて美味しいからです。
こうやって、サントリーは日本のジンマーケットを掴んでいきます。
って思ってたのですが、
GinFestivalTVのテイスティングセットの売れ行きを見て、自分みたいにジンが好きな人がたくさんいるんだなって嬉しくなりました。
コロナが落ち着いたら、大阪、京都、東京などで、みんなで楽しくジン飲みたいです。
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