彼女のために行動できない僕。そんな僕を変えてくれた彼女。
これまでの恋愛で、後ろめたい気持ちを抱くことが多かった。
それは友達が彼女に対してしてあげることを、同じように彼女にしてあげたいと思えないときだ。
たとえば、彼女の行きたい場所があったとき。
僕の友達はレンタカーなどを駆使して、どこであっても連れて行く努力をしていた。
ディズニー好きな彼女を1年に何度も連れて行く友達もいたかな。
でも自分はそこまでのことを彼女にしようと思えない。
どうしても「めんどうくさいなぁ」が勝ってしまうのだ。
自分は彼女のことが本当に大切なんだろうか。
その考えが頭から離れなくて、それが次第に顔や行動にも出てしまって、最後は別れてしまったことが何度もある。
形から入ればどうにかなるものかと、がんばって理想的な彼氏像をなぞろうとしたこともあった。
でも、続かなかった。
きっとどこかで彼女よりも自分のほうが大切という気持ちがあったんだろう。
そういう考えが自分にあるのがすごく嫌で、そんな自分を認めたくなかったし、どうにかしたいと思った。
でもどうすれば、僕の友達みたいに行動で示せるのだろうか。
社会人になってからの恋愛はいつも、そんな悩みにぶつかっていた。
自分の変化に気づいたのは、今の彼女に出会ってから。
仕事の出張で遠方に行ったとき、「これをあげたら喜ぶかなぁ」と考えている自分がいた。
それだけじゃない。
転職に悩んでいるときは、「少しでも良い方向に進んで欲しい」と本気で願い自分から相談に乗っていた。
それらはまるで、かつて友達が彼女にしていた行動そのものだった。
僕は自然に行動に移していたのである。
なにがそうさせるのだろう……。
今日も横で彼女がテレビを観ている。
僕は追っかけていないドラマを観て爆笑している彼女。
「なにみてんねん」
笑いながらツッコんでくる彼女を見て、わかった。
僕は彼女に笑って欲しいから、彼女の笑顔が好きだから、行動してしまうんだ。
笑っていて欲しいと思える彼女に出会えてよかったなぁと思う。
彼女が笑ってくれるように。
誕生日じゃない日でもプレゼントを買ってみようか。
ちょっとしたご飯をご馳走してみようか。
前から行きたいと言っていたディズニーに連れて行こうか。
ビールを一口飲んで。
彼女が僕のとなりで笑い続けてくれる未来を想像した。