大人になって発達障害と診断された僕の自己紹介
僕は、今まで周りと同じ「普通」だと思って生きてきました。でも、そうして生きてることに、いつもどこかで言いがたい違和感を感じていました。
この「言いがたい」というところがすごく重要で、そしてその「違和感」があることに気づいていたものの、周りに伝えることができなかったことが、大人になるまで自分が発達障害であることに気づけなかった原因なのかなと思います。
僕の発達障害は、「自閉症スペクトラム症候群」通称ASDです。
色んな特性があります。でも、色々ありすぎて、全てが全て当てはまるわけではありません。
でも、明らかにそうだと感じることはありました。
人に対して上手く物事を伝えられない。
そう、これが僕が周りのみんなとは全く違っていたことです。
みなさんは、人と話す時どうでしょうか?多少の緊張はありますか?あったとしても、それは毎回ですか?また、緊張しても、切り替えて話すことはできますか?
何でこんなことを聞いたか?だって、僕にはできないことばかりだからです。
僕は人というものに対して尋常ではない緊張や不安を感じます。初対面の人など、とても話せたものではありません。一言絞り出そうとしても、上手く言葉が出ません。
そういう姿をみたら、きっとあなたは助け舟を出すでしょう。ああ、こいつ緊張してるなと。答えやすい質問をしよう。
でも、緊張しきっている僕は、そんなシグナルも全くわかりません。質問にも全く見当違いのことを言ってしまいます。
すると、相手は怪訝な顔をします。こいつ、頭大丈夫か?そんな感じの反応をされたことが、僕は多々ありました。
そして、相手の苛立ちや不信感を感じ取ると、さらに緊張は増します。もう僕は何も喋れませ
ん。
「ごめんなさい」
絞り出してやっと出せた言葉がこれです。でも、相手はもう呆れたような声を出しています。僕は、怖くて顔が見れません。
そして、こういった経験が少しずつ子供の頃から蓄積していき、いざ会話をしようとすると、その記憶が蘇り、やはり緊張や不安感が僕の意識を全て持っていってしまい、僕は大変におかしな人間に思われてしまうみたいです。
でも、こうやって、自分の居場所があって、そこでマイペースにコツコツと文章や絵に表現することは、できないわけではありません。
でも、これが人前になった時、なぜかできません。
それでも、僕は大学までは何とかそれでも頑張って生きてきました。少しは自信もついてきました。しかし、そう思っていたのは自分だけでした。就職活動で何十社も落ちました。面接での僕は、僕のままでした。そういった悪い記憶の積み重なりが、僕を再び会話の場面で蘇り、自縛させるのです。
「切り替えが大切」なんてよくいう人がいますが、「それができないから苦しんでるんだ」と僕はすぐに否定してしまうでしょう。
自分の好きな漫画やアニメ、ゲームに意識を逸らしたり、無理に酒を飲んだり、逆にあえて悪い記憶をかき出して、その上で良いところを無理矢理見つけて自画自賛したり、僕だってできることはしたつもりです。
でもね、それでもそういった失敗の記憶がいつまでもいつまでも粘り強く、僕から離れようとしないんです。
こういったわけで、僕はお恥ずかしい話ですが、仕事もできず、情けなくも引きこもりで、年老いた両親に迷惑をかけて生きています。
こんな僕を見かねて、両親はいくつも精神科病院に連れて行きましたが、幾つも回っては、
「君は普通だよ」
「ここは働いてる人が来るところだから、君みたいに仕事してない人が悩みを持ってくるところじゃないから」
「そんな贅棚身分で、何で悩むかね」
とか、まあ、僕にとってはとても傷つくことばかり言われ続け、泣き崩れ、さらに精神が崩壊しそうになることもありました。
でも、そんな中で、やっと僕に向き合って診断してくれた先生に出会いました。それが引きこもってから3年目のことでした。
そして、この先生が今の僕の主治医となり、数ヶ月に一回、その先生のもとに通うこととなりました。
そして、そこからさらに6年経ちました。正直、未だ全然自分にできることは少なく、仕事もまともにできておりません。
ただ、それでも、皆さんが毎年数キロ軽く走れるところを、僕は数ミリのたりのたりと歩くくらいの比較だとしても、進んでるという事実は前よりは自信を持って言えるのかなと思っています。
その事実を、このnoteを通じて書いて、そして、実感できればなと、少し自己本位かもしれませんが、そんな想いで、今日の自己紹介とさせていただければと思ってます。
というわけで、みなさんよろしくお願いいたします。