たぶん隣人が夜逃げしてる話
タイトル通りではあるのだけれど。
ちょっと妄想と自分のことも含めて思ったことを書きます。
3ヶ月くらい前に隣の部屋のドアに
白い小さな紙が挟まっていることに気づいた。
たぶん大家さんが挟んだのかな?
ドアを開けたら下に落ちちゃうからわかる、ようになっている。
この手紙みたら連絡ください、みたいなことが書いてある。
うちのアパートは玄関ホールのあと屋内になるタイプだから部屋の前は雨風凌げる。
だから?ドアの前には、溢れかえってメールボックスからはみ出てしまったであろう重要書類を(これもまたおそらく大家さんが)山積みにしてある。
「支払いに関する重要なお知らせ」
「重要書類在中」
などの真っ赤な封筒の書類とか、
弁護士法人からきている封筒とか。
正直言って見たくもないけど、どんどん積まれてどんどんうちの部屋側のドアに雪崩れてくるので視界に入ってしまうし、仕方ない。困っている。
そういえば、資源ごみの日に毎回信じられない量のスト缶のゴミが出ていたけれど、それも最近見ていない。
うーん。大丈夫かなぁ。心配。
単身向けの物件なので、みんな一人暮らしだと思うけど、明らかに1人で1週間に出す量じゃなかったから、アル中がいるんだなあなんて思っていたけれど。絶対なんかあったんだろうな。
こういう時、想像したくはないけれど、もし自分が部屋で突然死したとしたら、誰か気づいてくれるのだろうか?と考えてしまう。
溶けてなくなるまで見つからなかったらどうしようって思っちゃう。
隣人さん、どうかどこかで生きていて。
これは優しさではなくて、隣の部屋でずっと出入りがないのなら私は帰ってきていない方に賭けたいからだけれども。。
このアパートに引っ越してきた時にいくつか不思議な点があった。
よくある話なのかもしれないけど、ちょっと引っかかっているのでこの機会に残しておく。
まず入居時、築1年半くらいだったのだが、急に空き部屋が出たというので引っ越してきた。
私の前に借りていた人はいわゆるセカンドハウス?として使っていたようで、新築の時から1年間ほとんど生活していなかったようだ。
お風呂も、トイレも、キッチンも、全く使った形跡がなく、全てにカバーがかかったままでピカピカだった。
そのときはラッキー!と素直に喜んだ。
私は鍵交換したあと半月くらいは前の家に住んでいて、たまにサイズを測りにいったりついでに何もない家に泊まったりして遊んでいた。
その時電気やら水道やら試しにつけてみたら使えたので、まだ契約していないけれど、そんなものなのかしら?と思っていた。
本格的に引っ越したあと、同じアパートの下の階に住んでいる大家さんに挨拶したかったけれど、何度チャレンジしても大家さんは部屋にいなかった。
住んでいると聞いていたけど、この人たちもセカンドハウスなのかな?お金持ちが多いのかなあ?なんて思っていたら手土産のお菓子は賞味期限が切れてしまった。
部屋にベッドやら大きいものを運ぶために、どんどこ大騒ぎをしていた日、ようやく大家さんに会えたのでご挨拶した。
「あらどこの部屋の人?」
「◯号室です」
「そうなの?何も聞いてないわね」
「ご挨拶遅れてすみません、よろしくお願いします」
みたいなやりとりをした。
良い人そうで、何も聞いてないというのは、私がどうこうではなく大家さんが管理会社から聞いてない、みたいなニュアンスだった。
そんなことってあるのだろうか?
ちゃんとした不動産屋さんで、ちゃんと大きい会社で契約して、新築で、入居者の情報が伝わってない?なんてことが、、?
そして、電気水道などを契約して一ヶ月が過ぎ、利用料金明細を見たところ、なぜか0円になっていた。
真夏なので毎日エアコンをつけており、さすがに0円になるはずもなく、各会社に問い合わせた。
すると、
「◯号室でお間違いないですか?」
「はい、先月引っ越してきて、」
「そのお部屋は他の会社さんでも契約がなされているようですね。前の入居者の方がまだお支払いされているみたいです」
と言われた。
さすがにそれはラッキーというより気味が悪い。
私は生活していなかった人が借りていた部屋に、大家さんが知らないうちに引っ越してきて、お金を払わずに電気と水道を使っていたのか…。
怖いのは、そのあと何年か住んで、誰とも会わないことだ。部屋は全て埋まっていると聞いていたのに、大家さんを含め、たくさんある部屋の住人たちと誰とも出くわさないのだ。ゴミは出ているので、人はいるはず。
そんなこともあるのだろうけれど…。
もはや、騒音どころか生活音がしないのだ。
物音ひとつ聞こえてこない。
防音がしっかりしているのだろう。
密閉されているのだろう。
隣人が夜逃げしてても、そうでなくても、
わからないくらいに…。
えーん!怖いよ!
おしまい!