オタクをあがった話①

長いこと、自分はいわゆるオタクをして遊んできたんだけど、最近自認に違和感があるので、ついにオタクあがってしまったかもしれない。


オタクみたいな話し方をする、オタクではない何かになってる。最悪。



こういう話をすると、
「やっと大人になって現実見れるようになったんか、」
みたいな感じでパンピ受けは良いんだけど、正直問題、人生のハリが無くなってつまんね〜っていうのが感想。

同時期にアニメとか声優推してた人たちは
今違う界隈に行った子がほとんど。寂しいね。
別に、その子たちと会って話してみても、
昔好きだったなーって感じで
嫌いになったわけではないっぽい。

自分も含め、あれだけ死ぬほどお金も時間も熱量もかけてたのに結局人の好きには飽きが来てしまうんだなって切なくもなる。



という訳でこと2015-2020くらいのちょい前のアニメ声優界隈の昔話と今の話をしたい。
書き終わって思うことは、好奇心の限り楽しみ尽くしたんだな!ってこと。
思い出の備忘録。めっちゃ長いから2個にわける!


はじめの頃

女オタクと言われる人たちは、もちろん色んなタイプがいるんだけど、熱量高めはやっぱり下記3種類がほとんどだったりする。

①腐女子
②夢女子(リアコ)
③男女カプ厨

私はなんだったのかと言うと、どれでもあるし、真の意味ではどれでもなかった。
原作が好き過ぎるあまり、雑食に供給を求めたいタイプ…だったのかなと今になって思う。


最初は、何かにハマるのが初めてで、学校でも近所でもなく、Twitterで知り合った友だちと遊ぶのが新鮮で、楽しくてのめり込んでいった。

年齢も、地元も、普段していることも、洋服の系統も、全然違う人たちとのコミュニティが広がるのは刺激的で、心地よかった。

私は恋愛の優先順位が低いタイプで、自分の話もそうだけど、友だちの恋バナも心底興味がない。
女子校あがりで入った大学は共学で、当たり前のように狭いコミュニティでは惚れた腫れた揉めた、って話ばっかりだった。

そんなに恋バナばっかりする人間は周りに今までいなくて、常識が違うことに驚きもしたし、現実の交友関係の面倒くささにうんざりしてたのも、オタク友達と遊ぶようになった理由かもしれない。

痛バとオタク部屋

私は高校2年生くらいから某ジャンプアニメにどハマりしていた。
受験ガチ勢たちにそんな事は口が裂けても言えず、私は卒業まで誰にもアニメにハマったことを伝えなかった。

そんな時に、初めてTwitterで繋がった女の子と、池袋東口にあった好きなアニメのコラボカフェに一緒に行った。お互いの好きなキャラクターの話しかしない。
初めて出来たオタク友達と遊ぶのは、信じられないくらい楽しかった。
その子はいつもたくさんのグッズがついた大きなカバンで来ていて、可愛いなって羨ましくなった。

そこで痛バという概念を知った。

好きなキャラクターのグッズだらけにしたバッグを誇らしげに見せびらかして池袋を練り歩くのは、ある種のステータスだった。色んなものが満たされた。ブランド物を持つ心理に近い。

あの頃はまだ同じ絵柄の缶バッジでズラリと並べるタイプではなく、アクスタとかラバストとかクリアファイルとか、ぬいとか、色んなものでゴテゴテにした痛バが多かった。
初めてWEGOで窓がついたバッグが売り始められた時期だった。

自分だけの痛バを作るのは楽しくて、好きなキャラのグッズを無限回収し、お気に入りを付け足して、オリジナリティを競っていたように思う。

グッズはポスターやらタペストリーやらも増えていき、自室は白い壁が見えなくなる状態まで到達した。立派なオタクくんだった。

もちろん当時から、ドン引きしている自分もいて、イタいなぁと思ってはいたんだけど、楽しさが勝っていたのでエスカレートしていた。
突き詰めて行くのってやっぱりどんなことでも楽しくて、あんまり他人の目を気にしないで好きなことをすることにしていた。
今思えば、眩しい。

腐女子と同人誌

別の子と、アニメの公式のファンイベントに行ったこともあった。長い待ち時間も、ずっと何の話が好きか、どこが好きかで盛り上がった。
ここにいる何万人もの人が、全員同じくらいこの作品が好きなんだなって思うと愛に溢れていて幸せな気持ちになった。

一緒に行ってた子はふわふわした可愛いお姉さんだったけど、ゴリゴリの腐女子と言っていた。イケメン同士がキスしている画像とか何やらしている画像をカメラロールにたくさん保存していた。

あの頃のiPhoneにはまだ非表示にする機能もロックをかける機能もなかったから、彼氏に携帯を見られまいとずっと不自然だったらしい。
浮気を疑われたあげく、カメラロールを覗かれて、ドン引きされて別れたと言っていた。
面白すぎて涙がでて、今でも覚えている。

そこでBLと腐女子という概念を知った。
同人誌という存在を知った。

私もお姉さんに連れられて色んなものを見ているうちに、加速度的に、作品にのめり込んでいった。
ちょうど何百話もあるアニメを観終わってしまってひと通り原作を味わったあとで、さらなる供給を求めていたところだった。
Twitterで二次創作はもちろん見ていたけど、ちゃんと買って読む生活がはじまった。

最初は知らない世界すぎて、宝の山に見えた。

初めて行った即売会では、夢の「ここからここまで全部ください!」をした。憧れのサークル主に「好きです!」って言って直接新作を手渡しされるのは、かなりアドレナリンが出た。
調子に乗ってお金が足りなくなったので途中でATMに行ったけど、その時だけは、好きな薄い本と交換できるおじさんが書いてある紙!最高!って感じだった。
めちゃくちゃ楽しかった。


コスプレイヤーと解釈違い

初めて行った即売会の会場では、売り子さんを含めて人生ではじめてコスプレイヤーをたくさん見た。
美男美女がたくさん好きなキャラクターになって歩いていて、感動して、ツーショットをいっぱい撮ってもらった。

コスプレという概念を知った。

しばらくして私のジャンルがジャンプ系ではなくアイドル系アニメに移行したあたりで、一緒にコスプレをしてイベントに行ってみないか?と誘ってくれる友達がいた。

素直に好奇心で、やってみたいなと思い、準備をはじめた。

ウィッグを買ってセットするのは初心者には難しくて、あの時見たレイヤーさんの凄さを実感し、ネットで買った既成の衣装のあまりの安っぽさにがっかりしながらも、初めて家でひと通りメイクをしてコスプレをした時は心が躍った。
好きなキャラクターと同じ格好をするってこんな気持ちなんだ!って思った。
世の中やってみないと分からないことは意外とあるなって実感した。

初めてイベントに行った時は、スーツケースでドキドキしながら更衣室に行き、テーピングをして、カラコンを入れて、つけまをつけて、有り得ない厚底を履いて、準備をした。めちゃくちゃ時間がかかった。

素人全開ではあったけど、会場でイケメンアイドルとして存在する自分がすごく不思議で、レイヤーさんに声をかけたり、かけられたりしてたくさん写真を撮ってもらった。

そこまで、誰かが生み出した二次創作を受け取る側にずっといたから、ある種創作する側になったのはすごく新鮮で、楽しかった。

でも何度かコスプレをするうちに、自分が凄く女顔であることに気づいた。私は丸顔で、ふっくらしており、目が丸くて、背が小さかった。

好きなキャラクターは背が高くて、細くて、凛としていて。
どう頑張っても近づくことが出来ないので、だんだんと私がコスプレすることは私の解釈違いになってしまった。
その後何度かイベントに遊びに行き、わたしは満足して、コスプレは卒業した。

②につづく

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