日常に戻るのが怖い
年末年始の大連休が終わる。
今年は大学生ぶりに長く実家に戻った。
1人で家にいるのが耐えられなかったから。
比較的淡白な我が家では、お正月に親戚が大勢集まったり、各地を挨拶して回ったり、といった密度の濃い過ごし方はしない。今の私にはそれがとてもありがたかった。
ましてや、今年は私がひどく落ち込んでいて、なかなか部屋から出てこないので、家族の誰もが気を遣って程よい距離を保ってくれていた。いや、気を遣わざるを得ないような空気を私が纏っていたとも言える。
地元を離れて長く経つ私にとって、いつしか実家は長くいると疲れる場所になっていた。だから、近頃は数日滞在してすぐ自分の家に戻ることが多かったのだが、今回は異例中の異例。大連休をフルに使って帰ることにした。
1人の生活だと自分自身を労ることができない今の私にとって、生活の全てを甘えられる環境がとてもありがたかった。たとえ部屋から出なくても、会話をしなくても、家の中に人がいるというだけで安心感があった。
が、また1人の生活に戻らなければならない。
怖い。
でもいくら怖がっても時間は進むわけで、日常生活に戻るという流れには抗えない。
こうするしかない、これで良いのだと頭では理解しているが、まだ心が追いついてきていない。今の私は自分の気持ちに蓋をして、その場しのぎで空いた時間をとにかく何かで埋めることが精一杯だ。
時間が解決してくれるとよく言うが、ただ意味もなく穴埋めしているだけの状態でも、この不安感や怖さはいつか薄れてくれるのだろうか。
地元の空には、冬の星座が沢山見えた。
ギラギラした独りぼっちの街に戻ると、それらはまた見えなくなるのだろうな。