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【転職が天職に③】20代中盤での異業種転職のメリット・デメリット|5つ星ホテルのホテルマンから、学校の先生への転職
「今の仕事を”天職”だと感じてますか?」
こんにちは。がーにです。
元5つ星ホテルのホテルマンで、スイスでホテル経営学のMBA取得し、今は中学校の教員として英語を教えています。
一言で自己紹介すると、かっこいい経歴に聞こえますが(気のせい?)、ダサく言うと、12年間で11回の転職を経験した優柔不断な人間です。
自己紹介は下記の投稿をご覧ください。「お腹いっぱい」になった話と、教員としての面白エピソードをぜひご一読ください。
紆余曲折を経て入社した1社目については下記の投稿をご覧ください。がーには大学時代から”ふつう”とは無縁の人生を歩んできました。その一部始終もご覧ください。
2社目の苦悩、そして救われた母の言葉については下記の投稿をご覧ください。母からの言葉の部分は恥ずかしいので、有料記事とさせてもらいました。
今回のメインタイトルは【20代中盤での他業種転職のメリット・デメリット】としました。
今回の投稿で学んでいただけるのは、
以上です。
3つ目と4つ目の「他業種への転職のメリットとデメリット」については、12年間で11回の転職を経験したがーにしか書けない渾身の内容だと自負しています。
相談しようとしても周りには経験した人がいない、そんな人のために有益となる情報を記しました。有料記事ですが、もし20代中盤で他業種への転職を考えられている方がおられたら、最後の決断の前にぜひご一読ください。
また、ホテルマンから教員への転職についてご興味を持っていただいた方、がーには11回の転職を経験し、最終的に学校で勤務をしていますが、それは最後の11回目の転職。
今回のお話はまだがーにが20代半ばだった頃の2回目の転職、3社目の話です。もうしばらく教員になるまでの転職しまくりのストーリーをお楽しみください。予定では、週2回の更新をしているので1ヶ月ほど先になると思いますので悪しからず。
では今回の内容です。
1. 20代中盤での他業種への転職の難易度について
東京の一流ホテルを辞めたあとは、実家から通える都市で半導体商社の営業マンを1年3ヶ月ほど続けました。それまでに働いたホテルが2か所とも10ヶ月~11ヶ月で辞めていたので、3社目でようやく初めて同じ会社で1年以上働きました。がーにとしても、ようやく歴とした社会人の感覚を持ちました。
なぜ半導体商社の営業マンというホテルとは畑違いの業界・業種に転職したのか。
理由はシンプルです。
転職サイトで見つけた求人に手あたり次第に履歴書を出そうと思い始めた転職活動。その中で、一番初めに内定をもらえたからです。ホテル業界以外ならどの業界に移りたいかというこだわりは全くありませんでした。
20代なかばということで第二新卒の強みなのか、履歴書を出したわずか2社目で内定をもらうことができました。前職の2ホテルではアルバイトで入り、その後契約社員に上がりましたが、3社目で初めての正社員での採用でした。
もちろん、それまではホテル業界に特化した就職活動や勉強しかしてこなかったので、
「半導体ってなに?」
「商社って具体的になにをする仕事?」
「営業って具体的になにをするの?」
というレベルの知識で入社しました。
上司に、なぜ自分が採用してもらえたのか、理由を聞いてみると、意外な自分の強みがわかりました。
・元ホテルマンなので、社会人としての一般常識・マナーが備わっている。
・元ホテルマンなので、営業先の開発者の方々と当たり障りなく接することができそう。
・(がーには老け顔なので…)年齢の割に落ち着きがあり、安心感・安定感がある。
とのことでした。これらは社会人になって初めて自分に自信が芽生えた言葉でした。
本社は東京でしたが、地方都市の営業所はがーにを含めて6人でした。他の皆さんは30~40代。唯一の20代だったので始めは可愛がっていただきました。
20代なかばの社会人3年目でしたが、ベテランの皆さんからすると、フレッシュ感たっぷりに感じてもらえたようです。
自分としては社会人3年目、3社目の会社でしたが、自分自身の年齢が上がってくると、20代半ばなんてまだまだフレッシュさしか求めていません。
逆に20代半ばなのに「疲れた」「太った」「物覚えが悪くなった」「体力の回復が遅くなった」と聞くと、今のがーには「あー、もったいないなぁ。今の一言が自分の信用とか、信頼を落とすことにつながるし、自分は仕事できませんって言ってるのと同じなのに。」と感じます。
2. 20代中盤での他業種への転職で得たもの
半導体商社の営業マンとして、大中小電機メーカーに営業をする商品は、自社が取り扱う海外半導体メーカーの製品でした。
一次商社と呼ばれる商社で、海外製品、特に台湾の半導体メーカーと契約を結び、日本のマーケットを開拓していく役割でした。
一番初めは先輩方にかわいがってもらいながら、手取り足取り手ほどきを受けていきました。しかし、ホテルの仕事、つまり、決められたことをそつなくこなすことは得意でしたが、営業のように、自分の売上を自分の力で作らないといけない仕事はがーににとってはなかなか馴染むことができず心の面でもかなりハードでした。
電機メーカーに電話をかけ、開発者の方にしどろもどろに自社取扱製品の利点を語り、アポを取りつける。ようやくアポが取れ訪問するも、自分のよくわかっていない製品を、その道のプロに紹介するのは苦行でした。
とにかく、よくわからない暗記したフレーズを口から出任せで自社製品を紹介する。興味を持ってもらえれば見積もりを取る。このような流れでした。
なかなか慣れない日々が続き、初めは優しかった先輩も、営業になかなか出向かない営業マンになってしまったがーにへの当たりがきつくなっていきました。
そんな矢先、技術担当の先輩が中規模の電機メーカーに営業を一緒にかけようと声をかけてくださりました。苦しかった時だったので、なんとか頑張りたい、その思いで先輩と営業をかけていき、結局年間5000万円規模のビジネスを作ることができた。
ホテルでは一人のお客さんの客室単価は当時高くても5万円ほどでした。しかもフロントスッタフやベルマンは予約済みのお客さんを如何に心地よく感じてもらえるような接客をすることができるかに注力していました。それとは違い、自分がまさにゼロから売り上げを作り出す営業の面白さを感じた瞬間でした。
3. 20代中盤での他業種への転職のメリット
ここからは20代中盤での他業種への転職のメリットを5つご紹介したいと思います。当時感じたことに加え、現在40代前半の中間管理職としての知見も踏まえたメリットも盛り込んでいきます。
・自己成長の機会になる
1つ目の理由は、業界を変えることで、前の業界の”ふつう”が全く通じなくなり、新しい業界の”ふつう”を作り上げることになります。つまり、自分の固定観念を取り除くことがまず第一です。
がーにの場合は学生時代、そして社会人になってからも「自分はホテルしかない」と思っていたのが足枷になっていたと感じます。その固定観念=思い込み、を覆せると、その先には人として一回りも二回りも大きくなる機会が待っています。
今から考えると、20代前半はもっと柔軟性があっても良かったと思えますし、なにか一つ夢を叶えたのであれば、次の夢にすぐ進めるのは20代中盤までだからこそできることだと思います。
・汎用性がある能力は多い
多くの業種で汎用性がある能力は多いとつくづく思います。
まず何よりコミュニケーション能力。ホテルマン、特にベルマンやフロントスタッフを経験したことで、初対面の人とコミュニケーションを取ることになれていました。営業マンとして技術者の方とお会いしても話の引き出しが多いので、様々な話ができました。
上司から言われた言葉にあるように、ホテルマン時代は毎日様々なお客さんと話していたので、相手がどんな立場の人だろうと、話すことの度胸ができていました。話をしてもらえる=心を開いてもらえる=信用してもらえる、につながっていくと思います。
ビジネスの世界で生きていくうえで、コミュニケーション能力はいちばん大事な能力だとがーには思います。
・年収の大幅なアップが見込める
自分の能力は全く変わらないのに、業種が違うだけ、会社が違うだけで給与は非常に大きく異なります。がーにが働いた2つのホテルの契約社員と半導体の営業マン(正社員)では、年収ベースで1.7倍ほどの違いがありました。
正直、ホテルマンの給与水準が当たり前だと思っていたので、営業マンとして初めて給料をもらったとき、ボーナスをもらったときはとても驚き、喜んだ覚えがあります。稼いだお金はすべて1年3ヶ月のうちに使い切りましたが。
・英語力は多くの業界で有利に働く
当たり前の話かもしれないですが、英語力があれば多くの業種で融通が効きます。逆に英語力がないことが希望の職業に転職することの足枷になる場合も多いと聞きます。
ホテルマン時代は海外のお客さんを接客するときに、英語でコミュニケーションすることは当たり前です。英語ができることはホテルマンとしての必須条件です。また半導体商社の営業マンとしても、台湾メーカーの技術者が来日したときなどに通訳として駆り出され、重宝されました。
当時がーにはTOEICで805点を持っていましたが(学生時代から伸びていませんでした…)、今でもTOEIC800点以上を持っていると、多くの業界で英語力がある人にラベリングされ、様々な業務に重宝され、もちろん転職時にも有利に働きます。
英語力があるだけで有利な点が山ほどあるので、特に20代前半までに英語力を上げる努力は必要でしょう。がーにのように「TOEIC340点から2年で805点にしました!」と言うと、英語力があるというだけでなく、「努力できる人材」と感じてもらえます。
この何かを成し遂げたことがある経験は、転職活動をするにあたって非常に魅力的なポイントです。
・柔軟性を学べる
転職で新しい会社に入り、新しいことを素直に学ぶ姿勢は、同業他社の転職でも、他業種への転職においても大切な心構えです。凝り固まった考え、つまり柔軟性がないと、アドバイスに耳を傾けず、自分よがりのビジネスマンになってしまいます。これでは人として、ビジネスマンとしての成長は望めません。
違う会社を経験することで、人として、ビジネスマンとして大切な柔軟性が学べると思いますし、20代中盤で柔軟性を身につけることができると、その後のキャリアに良い影響を与えると、自身の経験だけでなく、周りの転職経験者の振る舞いを見ていても感じます。
20代で柔軟性を身に付けられると、その後キャリアを上がっていく時の強力な武器になります。40代で伸びない人の特徴が、この20代での柔軟性のなさが影響してるのではと最近感じています。
4. 20代中盤での他業種への転職のデメリット
20代中盤での他業種への転職のデメリットを5つご紹介したいと思います。ぜひこのようなデメリットを考慮することなく、転職を早まらないように転職の先輩としてお伝えしたいと思います。
・キャリアの一貫性がなく、周りから「あの人大丈夫なの?」という視線を受ける
がーにが転職した半導体商社は20代中盤で3社目のがーににおおらかに接してくださいました。しかし、人によっては「若いのに転職ばっかりしているらしいよ」「どうせこの会社もすぐ辞めるかもしれないから気をつけないとね」「あの人大丈夫なの?やっていけるの?信用できるの?」という視線を受けます。
30代以上の世代では、新卒で入社してから同じ会社で働き続けている人も多くいます。そのような人達からすると、上記のような感想を持つのはやむを得ないかなと思います。その視線に耐え、日々の業務で少しずつ信用を、信頼を勝ち取っていく。その日々の当たり前のことを愚直に続けられるか否かが周りの評価を左右します。
・”ふつう”の人生を送っていくことが困難になる可能性がある
がーには大学生の時にいわゆる“ふつう“の人生を送ることを諦めました。そのため自分の決めた信念を突き進む人生を歩んだため、誰に何を言われようが気にしないようになりました。“ふつう“の人生を歩みたい人は、周りの同級生や年が近い知り合いの動向が気になると思います。しかし、転職、ましてや他業者転職をした場合、“ふつう“の人生の軌道からは外れることになります。軌道に再度戻るにはかなりの頑張りが必要であることは心得ておかないといけないでしょう。がーには最終的に11回の転職後は今のところ9年間同じ会社に勤務し、中間管理職にもなり、結婚し、子供ができ、持ち家に住んでいる、見た目は“ふつう“の人生を歩んでいるように見られるようになりました。
ただし、20代で同じような決断をした人の中でがーにの現状くらい見た目が“ふつう“の人生を歩んでいるのは少数です。それをリスクと考えるか、自分の選んだ人生だからと前向きに受け止めるかはあなた次第です。20代中盤での決断がその後の数十年に影響していく真実はお伝えしたいです。
・業種によっては給与が下がる可能性がある
がーにの場合は、ホテル業界という決して給与水準が高くない業界から、商社の営業マンということで、図らずも年収ベースで1.7倍増となりました。これは業界を見誤ると逆のこともありえます。給与なんて気にせず、「自分のやりたいことをやろう!人生なんて一度きりなんだから!」という人もいますが、決してそんな生易しいものではないです。
また同じ業界でも、働く場所によっても大きく給与は変わりますし、生活する場所によって生活費も大きく異なります。転職する前に、多角的に転職後自分の生活がどのように変化するのか、しっかりと下調べすることが必須です。
今がーには地方都市に住んでいますが、東京に比べると格段に生活費が安いです。チャンスがたくさんある大都市に住むか、クオリティ・オブ・ライフを重視し地方に住むかも、考慮すべき判断材料の一つつです。
・キャリアの積み重ねがリセットされる
業種を変えることでそれまでのキャリアがリセットされ、一からキャリアを積み重ねていく人を多く見て来ました。がーにが経験したように20代中盤で他業種に転職しても、それまでの経験はリセットされ、あくまでフレッシュな新人扱いです。ホテル時代、最終的には中間管理職に上り詰めましたが、教員になって中間管理職に上り詰めるまでには9年の月日を要しました。ホテルであれば今頃〇〇くらいまでにはなれていたのかな、と妄想することもありますが、時すでに遅しです。
・人生の路頭に迷う可能性がある
人間、一度大きな決断をすると、それ以降、大きな決断をすることに抵抗がなくなっていきます。がーにもそういうタイプでした。だからこそ12年で11回も転職を繰り返しました。しかし、人によっては繰り返す転職が、悪いループに陥っている人も見かけます。あの人はこれからの人生、どうやって生きていくのかな、そうなる可能性があることもぜひ知っておいてください。
結論、人生は一度きりです。自分の大切な人がオッケーする限り、やりたいことを全力で突き進めて欲しいな、とがーには思います。
あなたの決断を全力で応援します!