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※面接行く前に! コンサル選考では、何を見られているか【評価軸の各項目】思考力編

コンサル就職を目指している皆様、こんにちは。
前のnoteで、コンサル選考における【評価軸の概要】について書きました
はじめての方はまずはそちらか見ていただけますと、理解が深まるかと思います。これからOB面談をしてコンサルファームの理解を深めようする人や、面接の準備を進めている方が多いと思います。

今回は、実際の細かい評価観点について触れていきたいと思います。

あらためて、選考の評価軸

前のnoteで書いた選考の評価軸を再掲します。

  • 思考力
    物事を分解整理しグルーピングする構造化力と、柔らかく迅速に考えをまとめ説明できる力

  • コミュニケーション力
    相手から聞かれていることを正確に理解し、相手の理解度等の状況をふまえて端的な説明ができる力

  • 精神力/価値観
    リーダーシップや粘り強さ、困難な状況での前向きな姿勢を維持できる力

  • キャリア希望
    コンサルタントになることでどんなキャリアをどのように描きたいのか

この評価軸を、選考の各段階で意識しながら進めていくことになりますが、これはあくまで中分類程度のまとまりですので、それぞれに評価項目がいくつかあると思っていただければと思います。
単に思考力といっても、どう測るのか、あまりに属人化してしまっては人材の質がバラツキます。そのため、一定程度の目線を合わせるための項目定義がされていることになります。

今回は、このうちの一つ「思考力」軸について触れたいと思います。

思考力 軸の中身

よくコンサル関連の話題で、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)という単語を聞くかもしれません。最早当たり前になりすぎて、日々仕事をしている中でこのワードを聞くのは、新卒向けの研修や、コンサル入りたてのメンバーへのレビュー時くらいでした。ただ、コンサルタントという仕事に求めれている要素の一つとしては基盤となるもので、要は「もれなく、ダブりなく」考えなさいよ、ということです。ちなみに、実際の現場では、完璧なMECEよりも、"網羅感"のほうが大事だったりしますが、その話は別で書きたいと思います。いつか。

このような、コンサルの重要な要素を面接の中で網羅的に確認するために、いくつか項目が分かれています。コンサルによって多少この切り分け方は異なるかもしれませんが、ここでは大きく3つの項目に分けてお伝えできればと思います。

一つ目は、

「分析的」思考力です。次が、「概念的」思考力。最後が、「柔軟/高速」思考力。この3項目を主に意識いただきたいと思います。

ものごとの状況を把握・整理し(分析的思考)、そこから何が言えるのかを考え(概念的思考)、自在にそして早く思考を巡らせる(柔軟/高速思考)ことで、目の前の課題の解決方法を導き出していく。おおよそこのような思考の流れを、業務上では日々自然にやっていくことになります。
このプロセスの中で足りないところがあれば、「状況把握が粗いね」「もうちょっと言えることないかな」と、上司が"やさしく"指摘してくれることでしょう。

「分析的」思考力

分析的思考については、いろんな方が様々な定義をされているので、興味のある方は比較検討されるといいと思います。私個人としてこれまでの面接経験から感じる分析的思考とは、「ある事象を細かく分解し整理することで、その問題や状況を正確に把握する力」だと思います。

そもそも何かのものごとを考えるときに、そして、筋道立てて考えようとするときに、みなさんは、何から始めるでしょうか。

おそらく「これはどういう状況なのかを理解する」というところから始めるんじゃないかと。

会話するときも同じで、状況の認識合わせから始めないと、何の話をされているのかよくわかりません。「この前、沖縄に友達と行ったときの話なんだけど・・・」のように、みなさん、一般的には状況から話はじめますよね。いきなり「そこで泡盛を盛大にこぼしたんだけどさ」から始めると「?」となりますよね。

分析的思考の発射台はこれです。いま自分は何について考えているのか、どの範囲について検討しているのか、そこにはどういう状況・事実が存在しているのか。これを外すと、そもそも分析にならず、思いつきアイデアブレストになってしまいがちです。

これから考える問題の状況/事実の範囲と対象がつかめたら、分析的思考は8割方達成です。

残りの2割は、少し難しいのですが、コンサルワークの中では、「フレームを切る」というような表現があったりします。要は、散らかった積み木をしまう箱の形を定めるように、いま起きている問題は、どういう状況であるのか、枝葉に広がるほかの細かい情報はあっても、問題解決に向けて足る情報のみに集中して、検討の範囲を定める部分です。
特に新卒面接で散見されるのは、これから話したい状況について説明してくれるのはいいものの、それが枝葉末節にまで及び話の本論には影響しないような内容も含まれてしまうケースです。目の前の面接官は、どこまでの範囲を最低限伝えれば、物事の状況や背景がつかめるのか。限られた時間の中で、ここをよりシャープにできると、残りの1割を埋めることができると思います。

なんかごちゃごちゃ書いてるけど要は何をすればいいんだ、とお感じになられている方もいらっしゃると思いますので、面接での分析的思考のイメージをもう一歩沸かすために補足したいと思います。

ご自身のガクチカを面接官に話すとき、面接官が自分と同じくらいその物事の背景やルールを認識していると勘違いしていませんでしょうか。

例えば、「私は、大学の広告研究会という団体で様々な関係者との調整役をこなしました」と言う話をするとき、面接官はなんとなくそういう団体が大学にあるのは知っていても、どんな仕事がそこには隠れているのか認識していません。なのに、多くの方は、自分の問題解決力を示したいがあまり、それに続けて「調整役の大変なところは、企業側の利益になるポイントを提示することでした」みたいな、面接官が物事の状況を理解できるだけの説明をせず、前に前に邁進してしまったりします。

つまり通常の面接でもケース面接でも、まずは、丁寧にこれから話す内容の状況および自分の理解を伝え、それが過剰になりすぎないよう、面接官との目線があっているかを感じながら説明を続けることが非常に大切です。

面接官からすると、まずはこの候補者は、自分の解きたい/解いてきた問題の背景・状況をよく理解しており、その理解を端的に相手に伝えることができる、としてこの項目に高評価を与えてくれると思います。

「概念的」思考力

次が「概念的」思考力の項目です。
「分析的」思考力は、ある事象を分解・整理し正確に把握する力を確認しますが、「概念的」思考力は、「分析的」思考力があることが前提となる要素だと思います。
こちらも様々な定義があると思いますが、私としては「概念的」思考力とは、「物事の事実/状況を関連付けまとめ、比較し、そこから何が言えるかを考えることができる力」だと思います。

よくロジカルシンキングの本で書かれているような、構造化という言葉がありますが、分析的思考で状況を正確にとらえたあと、概念的思考で、その内容をいくつかのまとまりに分けたり、順序を並び替えたり、離れているように見える要素を関連付けたり、とパーツをくみ上げる(構造をつくる)行為がまさに、概念的思考だと思います。

概念的思考という言葉を覚えるというよりも、「この状況について考えます」となったあと、「この状況で起きているAとBとCとDは、2つの共通要素に分けられます」という、最終的な自分としての意見や解決方法の提案を進めるうえでの骨組みを行う作業、これを漏らさないでほしいと思います。

コンサル面接では、エピソードの面白さを求めているわけではありません。逆にエピソードが面白くても、そこから、「なぜそのような行動をとったのか」「なぜそれが効果的だと思ったのか」という理屈を説明されなければ、思考力の評価は低くなります。

エピソードが面白いと感じる場合は、状況の目線は擦りあっているので、それなりに分析的思考は加点されるかもしれませんが、「この候補者は、こういう状況をこんな風に紐づけて、より効果的な手を打ったんだ」ということが伝わらないと、思いつきでやったことが結果いい成果につながっただけ、という印象を持たれてしまいます。もちろん、アクションした当時は、そこまで分析し概念的にとらえ実行していなことが大半だと思います。

それでも、あくまで面接で自身の思考力を伝えるために、振り返ってみて、「状況をAとBにわけると、〇〇のような選択肢もあったが、××という理由から問題解決にはこれが最も効果的であったと考えている」というコミュニケーションがとれれば、よいと思います。

通常の面接を例に挙げましたが、ケース面接でも同様です。ご自身のプレゼンの中で、事象を紐づけ、または並び替え、まとまりを作り、より効果的/効率的な提案であることを説明する必要があります。

繰り返しになりますが、エピソードが面白い必要は全くないのです。そのエピソードの中で、状況や問題を構造的に把握し効果的な手段をとっていたことが伝えられれば、この項目の点数も高いものになるはずです。逆に言えば、そうした内容を話しやすいエピソードを選ぶのがおすすめです。(実際私も、事業会社とコンサルを受けるときでエピソードは大幅に変えていました)

「柔軟/高速」思考力

思考力軸の最後が、「柔軟/高速」思考力です。この力は、多くの方がイメージされるような地頭の良さを確認するポイントではありますが、地頭だけを測るものではありません。

「柔軟/高速」思考力は、状況に応じて臨機応変に対応方針を考え、自身の考え方を迅速に発展・修正する力、だと考えています。

この力は、候補者からの一方的なガクチカ等の説明からだけでは測れません。過去のエピソードの中で、柔軟かつ高速に思考・アクションした内容があれば、多少はこの要素を加点できますが、クリティカルにこの項目の高評価をとるためには、面接官からの質問に答える場面が特に重要だと思います。

もちろん、エピソードの中であらかじめ思考の柔軟性やスピードを示せる内容が含められるのであれば、損はないのでいれましょう。

話は戻って、面接でどう振る舞うことでこの項目に点数がつくか、ですが、要は、面接官が投げてくる質問の意図をつかみ、即座に判断し、必要に応じて自身の意見を追加したり、調整するコミュニケーションを返すことができればよいです。

ただ、それが非常に難しいのも実態です。
特にケース面接で散見されるのは、自分の意見に対して面接官から否定的なコメントや突っ込みが入ったときに、「無理に意見を戦わせる」人と、「すぐに折れてしまう」人たちです。

前者は、コンサルなら意見戦わせて当然だ、と息巻いていくのはいいのですが、、内心「たしかに、その観点もあるか・・・」と面接官からの意見に納得する面もあるのに、「いや、これは・・・」と無理やり続けてしまう人のことです。かなり強固に自身の考えに裏付けや理屈が通ってる場合にはそのスタンスでも悪くはないのですが、相手の意見をふまえて、うまく取り入れたり、考えを補強したり、調整するチャンスを面接官は与えているので、必要な要素を取り込みつつ、追加の意見を述べる意識をもつべきですし、そのように考えるルールを自身に課すことで、自ら柔軟な思考をアピールすることができます。

後者の「すぐに折れてしまう」人は、面接官から突っ込みが入ると、「たしかに、おっしゃる通りです。そちらの意見がいいと思います」のような0:100で負けてしまう人です。これでは、臨機応変に柔軟に考えているとはいえません。これまで述べた分析思考・概念思考をフルに活用しながら、自身の意見を主張しつつ調整して落としどころを探すプロセスこそ、面接官が求めているものです。

振り返りますと、「柔軟/高速」思考力は、主にディスカッションの中で、相手の主張や意見を正確にとらえつつ、自身の意見を戦わせる部分と、修正する部分を迅速に判断し、強硬になりすぎない新たな説明を返していくことで、評価される項目だと思います。

上でこの能力は地頭だけを測るものではない、と書きましたが、「自分は柔軟に早く考えるのが苦手だな」という人でも、以下を行動様式として意識しておくことで、それなりに対応できると思っています。

  1. まずは相手の質問や意見を正確に把握するように努める(そこが掴めないなら追加質問をして時間を稼ぎながら考える)

  2. 自分の意見を補足すれば返せるのか、それとも自分の意見を一部変更すべきなのか、のどちらかを判断する

  3. 2で決めた方向に従って説明を行う

特に2を素早く行うことが大切で、この部分が意思決定の早さや考えの柔軟性を印象づけるポイントだと思います。
あきらめずに頑張りましょう。

最後に

ここまで長文駄文を読んでいただき、ありがとうございました。
今回は、思考力編にフォーカスしましたので、次は、コミュニケーション力について、どのような項目で採点されるか、を書きたいと思います。

一人でも多くの方が面接に向かう前に読んでいただけると幸いです。選考を進められる確率をぐっと高めることができると思いますので、ぜひぜひまわりの方にも進めていただければ幸いです。

みなさんのご武運を祈っております。
また次のnoteもよろしくお願いします。 

やめコン太



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やめコン太
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