見出し画像

マイナカードの強制化から考える、日本政府のデジタル化が間違っているわけ

はじめに
 いよいよ12/2で新規の保険証は発行停止になりマイナ保険証が益々推奨されていますね〜

 ですが、政府が推進するマイナカード、マイナ保険証の導入については多くの方がそのメリットを実感できず、むしろそのリスクを不安に思っていると思います。

 この問題は、単に制度の設計や運用の欠陥にとどまらず、日本政府のデジタル化の進め方そのものに根本的な問題があるように思います。

 ということで今回は、マイナカード強制化から見える日本政府のデジタル化政策の誤りについて書いていこうと思います!

国民に寄り添わないデジタル化の押し付け
 マイナカードは当初、任意のシステムとしてスタートしました。しかし、マイナ保険証への切り替えを通じて、事実上その利用が強制される形になっています。これは、なし崩しに国民の選択肢をなくし、政府が「国民の利便性向上」ではなく、「マイナカード普及率の向上」自体を目的としてしまっていることが理由だと思います。

 マイナカードの普及率(75%)が向上した背景には、ポイント還元キャンペーンなどのインセンティブがありましたが、これはあくまで一時的な対策にすぎません。多くの人が、実際に使いたいからではなく、ポイントを得るためだけにカードを取得したに過ぎないのです。そのため、利用率が低い(15%)現状が続いているのも当然の結果といえるでしょう。

リスクへの不安を解消できない制度設計
 マイナカードが保険証として機能することは、国民生活の利便性を高めるとされています。しかし、紛失時のリスクや誤登録などの問題が解決されておらず、多くの人が不安を感じています。従来の健康保険証であれば、紛失した場合でも影響が限定的でしたが、マイナカードの場合、個人情報の流出や悪用のリスクが格段に高まります。

また、受診の際はマイナ保険証を提示、かつ
暗証番号入力
または
顔認証
をする必要があり、これも現状より手間がかかる印象を与えてしまっています。

 さらに、システム運用上の不備も多く報告されています。たとえば、他人の情報が紐づけられる事例や、医療機関がマイナ保険証に対応していないケースもまだまだ多くあります。こうした状況下では、国民がマイナ保険証を積極的に利用しようとは考えにくいでしょう。

 また、高齢者やデジタル機器に不慣れな層にとって、こうしたシステム自体は、むしろ不便を生むだけではないでしょうか。政府が進めるデジタル化は、すべての国民を対象としたもののはずですが、現実には一部の層を置き去りにしている印象を受けます。

国民のニーズに応えないデジタル化の弊害
 本来、デジタル化は国民生活を便利にするための手段であるべきです。しかし、日本政府のデジタル化政策は、国民の利便性向上よりも、システムや制度の導入そのものが目的化しているように見受けられます。

 また、デジタル化を進める過程で、国民の不安を軽視していることも問題です。リスクを完全に取り除くことができないまま、制度を強制的に導入しようとする姿勢では、国民の信頼を得ることは難しいでしょう。

まとめ
 マイナカードをはじめとするデジタル化政策が成功するためには、国民の視点に立ったシステム設計が必要です。まず、マイナカードを常時持ち歩くことを前提とせず、自宅や公的施設で利用可能な端末を多数設置することが考えられます。また、保険証や戸籍謄本などの公的書類をデジタル形式で直接送付できる仕組みを導入することで、利便性を大幅に向上させることができます。

 さらに、デジタル化の過程で発生するリスクに対する対策を徹底し、不安を抱える国民に対して十分な説明を行うことも重要です。国民がそのメリットを実感できないままでは、どれほど技術的に優れたシステムであっても普及はしないと思います。

 デジタル化は目的ではなく、手段であるべきです。今より便利、尚且つリスクはないと国民に納得させられるかが成功の鍵となるでしょう。

オマケ
 ワタシの親がお世話になっている老人介護施設では、マイナカードはむしろ歓迎されません。紛失のリスクに加え、医療機関での暗証番号入力、顔認証、どちらもハードルが高すぎるのです。認知症の方が多いのは日本の高齢者の大きな特徴ではありますが、どうしたものか、、
 介護現場では、資格確認書が来るからマイナ保険証はなくて良いよねーという風潮が強いですね。

 政府にしてみたら、住基ネットの二の舞だけは避けたい!というところでしょうが、メリットがよく分からないままでは、マイナカードは「持ってるけど使ったことない」カードになってしまいそうですね、、

オマケのオマケ
 今回も4omni君にイラストを描いてもらいました。何っっっ回も描き直してもらったんですが、どーーしても鳥居を描きたいそうです。
日本、と来たら鳥居なのか?

いいなと思ったら応援しよう!