高齢者ケアへのAI導入、現状と未来
はじめに
以前、高齢者見守りに生成AIを使うアイデアをnoteに投稿しましたが、実際に高齢者施設などでAIを活用している事例があったので、それらの紹介を。
そしてこれからはテクノロジーの力で、必ずしも歳を重ねる=各機能の低下ではなくなる!とまとめてみたいと思います。
高齢者のフィジカル面サポートへの活用例
ひとつ目は、品川区にあるデイサービスでの取り組みです。デイサービスでは多くのところで、通所者さんに体操をしてもらいます。体を動かすことで、筋力の低下を防いだり、関節の可動域をキープしたり、血流を良くする事で認知度の低下を防いだりすることが目的です。
が、スタッフさんの人数の方が少ないので、通常一人一人きちんとできてるかのチェックまでは細かくできません。
こちらのデイサービスでは、高齢者の皆さんの手首にデバイスを装着。この機能が素晴らしいのです。
・加速度センサーと回転速度を計測するジャイロセンサー搭載
・専用アプリと連携、使用者の体の動きをモニター
・肩の開く角度などが計測でき、きちんと体操出来てるかスコア化
これにより、漫然と体操するのではなく、効果的に動けてるかチェックできるほか、本人のやる気にも繋がるそうです。
私見:アプリ連携してますから、ゲーム要素も取り入れたら更にやる気がアップしそうです。運動能力低下が言われて久しい児童向けの別バージョンが出来たら、親御さんに喜ばれそうです。
高齢者の話し相手に
他の例では、PCを利用する必要はありますが、独居高齢者の話し相手にAIを利用する、というサービスがありました。予め2000万件以上の会話パターンを登録してあり、利用者の言葉への共感を示す他、体調を心配したりしてくれるそうです。
その上、会話の傾向から、ストレス度や認知機能の低下などの早期発見も出来るそうです。
更にはこのデータをオンライン上に蓄積、離れて暮らす家族や医療機関と共有することも可能とのこと。
私見:PC使用、オンライン展開とのことで、更に機能追加してオンライン受診や投薬チェックなど高齢者医療のペインにリーチ出来たら、と思います。
山形弁を使いこなすAI
最後に面白い取り組みを見つけたので一つ。
こちらの自治体は、県内でもトップの高齢化率だそうで、町民の健康増進や介護予防のため、オリジナル体操を勧めるそうです。今回そこに音声応答型のAIを導入するのですが、このAIがユニークです。
なんと、山形弁をマスターしているそうです。導入前に、町の高齢者5人に先生役になってもらい、山形弁を事前学習させたそうです。高齢の方ほど方言を使う方は多いでしょうから、これは嬉しい機能だと思います。利用者の気持ちに寄り添った、高齢の方も心理的ハードルが低くなって使いやすいのではないでしょうか。
まとめ
日本は世界でも有数の高齢化社会ですが、現代医学では高齢化=機能低下では必ずしもないそうです。適切に運動し、新しいことにチャレンジし、学び、アウトプットする事で脳は活性化、身体の老化もかなり抑えられるとか。1人暮らし世帯も増えていますが、テクノロジーの力で遠くの人とも繋がり、生成AIを相手に議論し、運動をして、心身の健康を保って歳を重ねたいものです。
何歳になっても、新しい事を始めるなら、「今日」が一番自分が若い日、迷う暇なんてない!と言いますからね。