テスラは自動車製造業ではないと言うお話
はじめに
電気自動車の台頭が著しいですが、やはりその先頭を走っているのはテスラでしょう。最近はちょっと勢いが落ちてますが、脱炭素の流れを考えればまた盛り返して来るでしょう。自動運転技術の流れもありますし。
が、テスラの本当のすごさは、自動車を作っているけど自動車製造業じゃないところにある!
ということで、今回はテスラの革新的なビジネスモデルについて書いていこうと思います!
テスラのビジネスモデル概要
テスラのビジネスモデルは、大きく分けて以下の3つから成り立っています。
1. 電気自動車の製造・販売
2. エネルギー事業
自動車以外のエネルギー関連製品
3. ソフトウェアとサービス
自動車やエネルギー製品に関連するソフトウェアの開発や、充電サービスなど
これらを組み合わせることで、テスラは単なる自動車メーカーではなく、総合的なエネルギー・テクノロジー企業と位置付けられます!
特徴、マネタイズポイントをずらす
テスラの凄さは、従来の自動車メーカーとは異なる方法でお金を稼いでいるところにあります。以下に、その特徴的な点をいくつか挙げていきます!
1. 直接販売方式
通常自動車メーカーはディーラーを通じて販売
しますが、テスラは自社で直接販売します。
おかげで中間マージンが削減され顧客との直接的な関係を構築できます。
2. ソフトウェアによる収益
自動車メーカーは車を売ったら終わりですが、テスラは購入後もソフトウェア更新で新機能を追加(有料のものも)。これが継続的な収益源の確保に繋がり、顧客満足度も向上します。
3. データの活用
自動車メーカーは、主に車の性能データのみがデータ収集対象ですが、テスラは走行データ、充電データ、ソフトウェアのアップデートなど様々なデータを収集・分析。
製品改良、ソフトウェア改良、新サービス開発、自動運転技術の向上に繋げます。
4. エコシステムの構築
自動車メーカーは自動車販売が中心なのに対して、テスラは自動車、家庭用蓄電池、太陽光パネル、充電サービスなどを統合。複数の製品・サービスによる相乗効果、顧客のロイヤリティ向上がエコシステムに繋がります。
5. ブランディングとコミュニティ
通常自動車メーカーは、予算を多くかけて大規模に広告宣伝をしますが、テスラは口コミとファンコミュニティを活用。これによってマーケティングコストを抑え、熱心なファン層を獲得します。
6. 継続的なイノベーション
自動車メーカーはモデルチェンジが主な製品更新ですが、テスラはソフトウェアの更新とそれに伴い新技術を導入することで、常に最新のソフトウェア、サービスを提供、競争力を維持します。
因みに車体本体はそのまま、ソフトウェアのアップデートによって、顧客が保有するテスラ車はレベルアップ可能!車体を売るのが目的ではないことがよく分かります!
そして、ここが凄いところなのですが、テスラは排出権取引で利益を上げている!つまり、排ガス規制の要件順守に苦戦する他のメーカーに対する温暖化ガス排出枠(クレジット)の売却で利益を上げているのです。自動車製造業とは利益追求のルートがことごとく異なっているわけです。
まとめ
テスラは従来の自動車メーカーとは異なる方法で収益を上げ、成長を続けています。例えば、ソフトウェア更新による収益は、車を販売した後も継続的に入ってくるため、安定した収入源となります。アプリのアップデートと同じで、ユーザーは自分の車を変えることなくソフトウェアのアップデートで新しい機能を体験することができます。テスラ側にとっては、データを活用することで、より魅力的な製品やサービスを開発し、顧客満足度を高めることができます。
テスラのビジネスモデルの新しさは、「クルマを売る会社」から「モビリティとエネルギーのソリューションを提供する会社」「物理的な車ではなくソフトウェアを売りデータを活用する会社」へと、自らの定義を定めたところにあります。単に電気自動車を販売するだけでなく、持続可能なエネルギー社会の実現という大きなビジョンを掲げて会社運営をしているんですね!
この先、さらに自動運転技術にも磨きをかけている彼らが次はどんなサービスに打って出るのか、注目したいと思います。
オマケ
自動運転技術、テスラ以外にも中国企業の技術力と開発スピード、安さが脅威です。今後の動きに注目です。日本勢、頑張ってほしいのですが、、
さらにオマケ
いつものようにイラストはオムニ君にお願いしました。凄いザックリ感、、
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