新人教育では教えすぎてはいけない!?

とあるアメリカの研究所によると、人の成長を決める要因の70%が直接経験であり、他者を観察したり、アドバイスをもらったりが20%、残りの10%が読書や研修からであるそうです。
直接経験こそが、成長の大きな源泉と言えます。

人は、具体的な経験をし、その内容を振り返って、得られた教訓を得て、それをまた新たな状況に適用するということを繰り返すことで成長するものです。

また、そもそも知識というのは、人から人へ移転されるものではありません。
ノウイングと言って、人は他人の知識や書物の知識を道具として使用しながら、新しい知識を作り出すことができるのです。
例えば、小さい頃に親についてもらいながら自転車の練習をしていたとき、「ハンドルをしっかり持ちなさい」などのアドバイスを親からもらいますが、子は結局、膝を擦りむきながらも自分で自転車の乗り方を習得します。
つまり、子は自転車の乗り方という「知」を創造したのです。

新人教育では、直接経験を重視せずに、こちらが教えすぎてしまうと、新人は物事の因果関係を理解することなく、結果だけをインプットしてしまうということが往々にしてあります。
教えすぎず、あくまで直接経験から、新人自身がその内容を振り返り、因果関係を理解したり、新たな「知」を創造したりし、それをまた新たな状況に活かす。
教育をする立場の人たちには、新人がこういったサイクルを回せる手助けをするだけで十分なのかもしれません。

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