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割れない風船ガム。

今日お昼を食べた後、仕事仲間に風船ガムをもらった。

すごく懐かしかった。いつぶりだろう・・・遠い記憶の中を遡ってみてもはっきりと思い出せない。朧気の記憶の中うっすらと見えたのは、子供の頃塾の帰り道に退屈な電車の中で食べてる映像でした。

大人になった今では出来ないけど、あの頃は電車の中でも平気で口に含んだガムで風船を作っていました。バカみたいだけど無邪気に風船を作っては割り割っては作り、持て余した時間を潰していた気がします。

退屈だった。それだけは、はっきりと覚えてる。塾から自宅の最寄り駅まで6駅、時間にすると25分くらい。

子供の頃の私は、学校や塾で一位を取りたいとか考えたこともなかった。とりあえず親に怒られない様に自分で引いたボーダーラインを越えること、ただそれだけを考えていました。

そこまで意識が高くなかったので、退屈な25分を有効活用して勉強する訳なくただ風船ガムを膨らましたり、ぼーっと電車の外を眺めてみたりして過ごしていました。

ぼーっと電車の外を眺めるのは、大人になった今も変わっていませんね。書きながら笑ってしまいました。

ほんと懐かしい・・でも風船ガムで思い出す記憶ってこれくらいしかないんですよね。

今日久しぶりに食べた風船ガムは甘く懐かしく、人からしたらどうでもいいような他愛もない小さな記憶でも私にとって貴重な子供時代を思い出すしおりを与えてくれた気がしました。

大切に思えるのは、子供の頃の記憶って誕生日や旅行とか大きなイベント事しか覚えてないからです。

小さな記憶は年々消えてく・・失いたくないけど、失ったことさえ気付かずに消えてく。

大人になった今も楽しいけど、子供の頃はもっと楽しかった気がする。あんなに何も考えずただ純粋に心から楽しんでいたのに、あの日々の記憶はもう戻ってこない。

だから朧気の記憶でも子供時代を思い出すきっかけになるしおりを見付けた時、ほんとに嬉しかった。

今日のお昼に風船ガムを口にした時、甘味と共に思い出を味わう様に噛み締めた。でも風船ガムを膨らまそうとしたら全く膨らまなかった。

何で膨らまないのか全く分からない。子供の頃はあんなに上手に膨らますことが出来たなのに、どれだけ頑張ってもガムはしおれたまま膨らまない。

一つ思ったのは、消したくなかった記憶と共に自分の頭の中で淘汰されてガムの膨まし方も一緒に抜け落ちたのかな。と思った。

膨らまないから割ることも出来ない。

でもそれでいい。これから私にとっての風船ガムは、割れない風船でいい。

その引き換えに、大切な記憶を思い出すきっかけをくれるものになったから。



では今回はこの辺で終わりたいと思います。   最後まで読んで頂きありがとうございました!


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Alen
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