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Steam Nextフェスにゲーム出してみたレポ
※これは開発者目線でのレポです。
はじめに
steamのウィッシュリストを大きく伸ばすチャンスというのはあまりにも少ない。
ひとつはストアページ開設時、もうひとつはリリース時。
そしてもうひとつ……大きなチャンスがある。
それは Steam Next Fest である。
ということで今回はSteam Nextフェス2024年10月エディションに「ムラヤキヴィラン」というゲームの体験版を出したレポを書いていきたいと思います。
Steam Nextフェスって何?
年に3回行われる、リリース前のゲームが参加できるsteam体験版祭りのこと。
参加すれば1週間の間steamの特設ページに掲載され、プレイヤー側も盛り上がるsteamの公式イベントです。
2年前(2022年)のデータですが、参加することで獲得できるウィッシュリスト数の中央値は1000とも言われています。
売れたいんだったらNextフェスには絶対に出ろ!と言ってる開発者は多いです。売れてる人が結構これ言ってるんでガチ情報でしょう。
あとsteamのイベントは世界の人が見ることになるので数少ない国外へアピールできるチャンスになります。体験版の時点で多言語化しているゲームも珍しくありません。
私は パブリッシャー なし
金 なし 時間 なし
のため日本語版一本勝負でやりました。
出るためには
参加資格はsteamでストアページができている、リリース前、1度もネクストフェスに出たことがない(1個のゲームにつき1回しか出られません)等があります。
申し込みは大体開催3ヶ月前くらいから始まり、1ヶ月前くらいが締め切りなので出したい場合は公式をしっかりチェックしましょう。
体験版は前日までに公開できていればいいのですが、公開するためのビルド(ゲームデータ)の審査に1週間程度かかるほか、修正依頼があった場合また1週間の審査期間がかかるため前日ギリギリにゲームできたー!!!となった場合ギリギリではなくアウトです。
余裕を持ったビルド提出をしようっ
ちなみにビルドが通った後のアプデには審査ありません。
体験版アップ周りの話は書けば長くなりそうなのでこの辺で切り上げます。後日別記事で書くかも
体験版を作る時やったこと
体験版の中身についてはまあこの記事読んでる人のほとんどが興味ないと思うので割愛します。
2点だけ、どのゲームでも使えそうなやったことを書いていきます。
・タイトル画面にストアページへのリンクを作成
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まず参加する前に予習がてら2024年10月エディションの1個前、6月エディションのゲームをいくつかやりました。
そこで驚いたのが、タイトル画面にウィッシュリスト追加を促すストアページのリンク、アンケートフォーム、ゲームの公式ディスコードサーバーのリンク等をはりつけまくってるゲームが結構あること。
日本で作られたゲームではまだ珍しいですが、海外のゲームはかなりこの辺りの主張が強いものが多かったです。
「えっこれやってもいいんだ!?」と思い早速タイトル画面にストアページが開くリンクを入れました。
・体験版終了時に「製品版でできること」を入れた
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体験版ってわりとそれだけで満足しちゃうこともあるというか、時には「こんなもんか……」とガッカリしてしまうことも。
今回私が公開した体験版はかなり短いので今後できるようになることを書いておきました。少しでも製品版の期待値が上がるといいなと願って……
あとプレイ後アンケートも体験版終了後に設置。
完成後はともかく、まだ途中なのでフィードバックや反応が欲しいと思って入れました。アンケートは表立って書かれる感想よりも書いてもらえる率が高く、ゲームの改善やモチベ維持に役立ちます。
プレスリリースを送る!
体験版の中身をつくったらついに公開の準備!
プレスリリースを作ります。何もしなくても各種メディアで取り上げてもらえるようなゲームもありますが、自分はそこまでの者ではないので自分で「こういうゲームの体験版公開したよ!」という告知を各地にすることにしました。
体験版公開日は10/10にしました。Nextフェスの開始は10/14(日本時間だと10/15深夜)なんですが、神ゲーと公開日が被ると取り上げてもらえないだろうと思って少し前に公開することに。公開日の朝に各ゲームメディアにプレスリリースを送りました。(10数件以上)
ぶっちゃけ結構載せてもらえるだろうと思っていました。
わりと知名度も出てきてると思ってました。フックもあると思ってました。
少なくとも、ストアページの開設時(3件)よりは載るだろうと。
結果は……ぜんっっっぜん載らなかった。
知名度なんて一切なかったし、誰にも別に気にされていませんでした。
神ゲーとの被りとか気にしなくてもよかったよ。
現実こわすぎ!!!!!オギャーーーーーーー!!!!!(発狂
自分がいかにショボい人間であるかと思い知らされる、それの連続ですよ、何か作ったものを公開するという行為は。
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反省点としてはプレスのメールタイトルが弱かった、プレスリリース本文がふざけすぎてスベっていた、「女性向け」「女攻め」とでっかく書いてあるゲームは紹介しにくい(詳しいライターさんが少ないから)等があるっぽいです。
私は女性向けとか乙女ゲーとか全然やらないおっさんや女性のライターに書かれても全然いいんだけど!!!!!むしろこのゲームはそういう人にやってもらいたいんだけど!!!!こういうのってどう書いたら伝わったんでしょうか……
唯一掲載してくれたのはINDIE GAMES JOURNALさんでした。感謝!
https://indiegamesjournal.jp/2024/10/2732.html
とにかく、最初のステップでめちゃくちゃ当てが外れてしまい、ショックでした。
ネクストフェス、始まる
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そんな失意のなか、10/14(日本時間で10/15)が来てsteamnextフェス初日が開幕。
登録数はなんと2704作品。いや多すぎんだろ……!!
いや埋もれる埋もれる!!!
この数はJ-POPだったら出会えただけでも運命って歌ってたよ
前回から結構変更があったらしく、一覧からカプセル画像(サムネイル)だけでなくPVやスクショが見れたり、直接体験版のDLやウィッシュリスト登録ができるようになってかなり見やすくなりました。
あとsteamの体験版ページ機能ができてからはじめてのネクストフェス開催なので体験版ページを作っているかどうかは作品によってバラバラ。
私は体験版ページ作ったんですが、まだ情報が少なくストアページとほぼ同じ感じに……これ意味あったのかなぁ……
いやここまで我慢して読んだ人はこんなグダグダした愚痴みたいなのを読みに来たんじゃないですよね。
1番知りたいこと……数字、だよなぁ!?!?
もちろん教えますよ!(はやくしろ!!!
体験版公開前のウィッシュリスト数は1200。
ネクストフェス初日の増加数は……約60でした。
正直な気持ち書きます。
え……こんな……もんなのぉ……!?!?
いやまあ、何もしてない時より明らかに伸びてはいるんですが
な、なんか、こう、もっと、こう、ガッと、ガッ、と、さ……伸びると思ってた……
この人、初動でつまづいたクセにまだ自惚れが抜けてない!!!!現実見ろ!!!
インターネッツで開示されるすごい人の情報ばっかり見てると現実的な数字を目にした時拍子抜けしてしまうのであった……
実際にやってみないとね、わかんないよね自分の実力って。
いや……まだだ……まだネクストフェスは1週間ある!!!
あきらめんなッ!!!!
開催中にあった出来事
10/16
Let's Play Steam NEXTフェス 2024.10.16で紹介
出てたの10秒くらいなんで一瞬なんですけど、ゲームの名前覚えてくれた人も数人はいたみたいでうれしかったです。
ILEも出ればウィッシュリストが伸びると言われてますがこれは番外編みたいなものなので劇的な変化はなかったかな。
10/19
東京ゲームダンジョン6のセールページに掲載
ネクストフェスとゲムダンのセールページ公開期間が被りました。
同じ期間に複数セールページ出るのって大丈夫なのかなと思ってたんですが別にネクストフェスから外されるとかはありませんでした。
ストアページ上部に表示されるバナーはゲームダンジョンのやつになりました。
以上です。
あんまねえな!!!
あとは自分のアカウントで何回か宣伝したり、ネクストフェスが始まる前に雑機械翻訳だったストアページの中国語を修正してもらったりしました。
(ゲーム本体は日本語のみ)
結果発表
ネクストフェスは期間が終わると公式がまとめを送ってくれます。
総プレイヤー数、総ウィッシュリスト増加数、プレイしてウィッシュリストに追加したユーザー等が載っています。(steamworksのスクショ載せるのって公式的にはダメらしいので直画像は載せません。)
結局、ウィッシュリストはネクストフェス期間全体でどのくらい増えたのか。
みんなこれが知りたいんだろ?
目次から直接ここ押して見てんだろ?もしくはつまらんとこぶっ飛ばしてここまで見てんだろ?
発表します。
Steam Next Fest期間中の総ウィッシュリスト増加数は……
「336」でした。
え……最初の方の記事で中央値1000とか言ってたの何……!?
まああの記事は「調査するにあたって比較的人気ゲームに声かけたので実際の平均値よりは高いです」と書いてるけどね。
最初にデカい数字を見てしまったからなのか、なんかこう、もうちょっといってほしかったなという気持ち……
まあ日本語版しかない上にニッチ嗜好のゲームのわりには伸びたと捉えておくしかないね。
個人的反省
数字が全てではないですが、思ったより伸びなかったので個人的反省書きます。
思ったより実況映えしなかった
ムラヤキヴィランのゲーム性は育成SLGなんでこのジャンル自体そんなに実況が盛りあがるもんでもないんですが、オープニングからチュートリアルまで開始時にずっと説明が続きそこが結構タルかったかなと。序盤の説明の情報量をもう少し調整する必要があるかも……
キャラゲーとしてのうまみをあまり感じられない短さ
このゲーム恋愛要素あるんですが最序盤しかできないのでほぼみんな塩対応のまま終わるし、好感度が低いとできないことが多すぎる癖に体験版で出来る期間が短すぎて何もできないまま終わり、そのあたりもちょっと体験としては良くなかったなと。
長年フリゲ作ってきましたが、体験版やチュートリアルをちゃんと作るのは今回が初めてで、そのあたりの経験不足もあったかなと思いました。
宣伝がうまくいかなかった
プレスがほぼ載らず、その後も自分のSNSで告知は何度かしたものの、フォロー外の人まではなかなか届かず……これは何か作ってる人は全員悩んでることだとは思いますが。
このゲーム女性向け女攻め恋愛SLGなんですけど一枚絵がなくて恋愛ゲームとしての吸引力はやや弱く、「ノベルゲームじゃないから遊べない」と言われることを気にして(別のゲームを公開した時実際何度か言われました)低難易度もあるよということを書いてたんですがそこは別に面白そうに見えるポイントでもなかったかなー(難易度が選べる機能はあっていいけどアピールポイントじゃなかった気がする!)
自分の想定するターゲットは「乙女ゲーをあまりやらない人」なんですが男性でも遊べますよと言うのはちょっとターゲットがブレてるかも……という感じも。フックとして作った村焼きも「パッと見で気になったけどこれ"女性向け"かよぉー」とガッカリされることが何度か……
ん゛ーどこに向かってアピールすればよかったの!?!?
乙女ゲーとしてアピールしたほうがよかったの!?!?
この辺りはリリースまでの課題が残る感じでした。
追記ですが爆増したいなら海外へのアピールも考える必要があり、その辺に響かないゲームであることと日本語版しかないことも原因だったかも。
期間中にも「英語にローカライズする予定はありますか?」と聞かれたんですがやりたいけどやれる予定がなくいい返事ができず…
文章が多めなので自力実装もやりにくく翻訳費用もかかり、パブリッシャーもないので多言語化が難しいのであった。私は……弱い!!
まあ色々ぐちぐち書いてますが遊んでくれた人はいるし、プレイ後アンケートに応援の言葉をくれた方もいくつかいて励みになりました。
応援してるよとか楽しみにしてるよと言ってくれる人が少しでもいるっていうのはうれしいしやる気になります。ありがとうございます。
頂いたフィードバック等を元に、引き続き作り続けていくよ。
はよ完成させろ!!!!!!!!!!!(自分への喝
体験版はネクストフェスが終わっても公開し続けています。
気になった方は遊んでみてね♡