AVについて女子が知っておくべきすべてのこと
澁谷果歩著、この種の本の中では決定版だと思います。彼女がデビューした2014年と2018年でもう既に大きな断層があり、2020年現在とも違う中、良く調べて書いてらっしゃる本でした。AVライターも必読であり、もちろんこの本は誰が読んでも大きく視野が開けるものです。
僕が個人的に面白かったディテールは彼女の最初の事務所とその所属女優の話。特に彼女がまだ現役だった頃の何人かの後輩女優たちはかなりのビッグネームだったのでよくおぼえてます。ふむふむなるほどなぁとか。
あと彼女が最初にデビューしたアリスJAPANの話。彼女のいた頃までは確かにアリスJAPANは鉄壁の強豪メーカーだったのだけど、彼女は売れ、アイポケ移籍という道があったにもかかわらず、2016年には実質崩壊していた。彼女の記憶の中にあるアリスJAPANの作品観はもう今の業界からはほぼ一掃されているし、彼女の違和感はとても正しかったと思います。
あと何人か知った名前が出てきたのには思わずニヤリ。なるほどかほぱい、色んなものに目を通す人なんだなと。この本には彼女のオタク道も示唆されてますが、本当に関心のあることを関心の赴くままに、キッチリ突き詰めて来た結果が彼女の今でありこの本なのですよね。本とは出会うもの、それは幸も不幸もあるものだけど、僕にとってこの本はすこぶる良い出会いでした。