映画「ボーダー 二つの世界」の修正版がひどい件。
※ネタばれ有!
先日「ミッドサマー」という狂い映画を観たせいでおすすめに出てきたスウェーデン映画「ボーダー 二つの世界」、
「ミッドサマー」に負けないくらいのぶっとんだ世界観の映画だった。
あらすじをざっくりまとめると、狼みたいな見た目の女・ティーナが、自分と同じ見た目の男・ヴォーレに出会い自分の正体がトロル(北欧に伝わる怪物)と知り、人間とトロルの狭間で葛藤する、みたいな話である。
こちらアマゾンプライムでおすすめされてきたわけだが、500円だったので購入前にレビューを確認。すると、内容はともかく、修正がひどいという。なんでボカシを入れるんだ!という怒りの声が多数寄せられていた。
私は「そんなにみんな全貌を見たいのか!?いやらしいわぁ・・・」と少々嫌悪感を抱きつつ、ストーリーの評判は上々だったのでレンタルを決めた。
ストーリーは静かに進んでいく。容姿が醜く無愛想なティーナの日常が静かにつづられる。スウェーデンの美しい自然の中での地味な暮らし。ティーナは自然と動物を愛した。笑わない彼女が狐や鹿の前だとほほ笑む。ひとり裸になって川に飛び込む。体はダルダルのブヨブヨ。でも彼女は自然と一体になり幸せそうだ。(ここで初ボカシ、しかし別に気にならない。)
ある日ティーナは自分と同じ見た目で同じ臭いのする男、ヴォーレと出会い、惹かれていく。ヴォーレを家に招くティーナ。
森を二人で歩き、見つめあい、興奮していく二人。いつしかティーナもヴォーレも獣のように歯をむき出しにして唸り叫び、そして絡み合った。
この映画の一番の盛り上がりシーンだ。起承転結の転。物語の要。
ヴォーレが、ティーナのズボンを下ろす、、
カメラはティーナの股を映し出す、、
と、そこでボカシが!!
ティーナの股がどうなっているのか、何も見えない。なにやらニョキニョキとしたものが見える気がするが・・・
呆然とするティーナの顔が映る。
で、映像はティーナの後ろ姿からのショットに切り替わる。
なんと、股を広げたヴォーレの上から、ティーナが腰を振って乗っかっている。
ど、どいこと!?
挙句の果てに、ヴォーレはひとりで出産までしてしまう。言っておくが見た目はめちゃくちゃむさ苦しい男だ。
トロル界では女が男で、男が女?
と混乱してるまま幕を閉じた。
観終わって合点した。レビュアーがあれほどまでに怒り狂っていたワケを。
この映画の一番の見せ場である、ティーナの股から男性器が生えてきたのであろう場面、これに全てモザイクがかかっていたということか!!ここにモザイク掛けたら、世界観すべて台無しだ!だってティーナが己の正体を突きつけられるめちゃくちゃ重要な場面だし、視聴者としても一番のびっくりポイントである。そこが全く見えないまま、今のは何だったのか・・・?とボヤーッとしたまま物語が進んでいってしまうのだ。
ボカシに対してこんなにもフラストレーションを感じたのは初めてだ。
しかしすごい世界観であった。おそるべし北欧ミステリー。怖くはないが芋虫とか食べちゃうので、ウェッとなる。ぜひご覧ください。