オリンピックが終わった/ダブル金メダルは美談なのか?
オリンピックが終わった!
察するに、残念ながらみんなが笑顔になれる大会とはならなかったと思う。もしかしたらこれからツケが回ってくるかもしれない。テレビでは「感動」シーンのオンパレードで、その裏では多くの犠牲が払われていたのかもしれない・・・。それでも、目の前で人生かけて挑んでいる人がいたら、やっぱり私は見てしまうし心を動かされてしまう。大きい声で言ってはいけないことなのかもしれないが、私にとってはとても楽しい2週間だった。
まずなにより、無事に終わって本当に良かった。というのも、私は「徳川家の呪い」を密かに信じていたからだ。今回のオリンピックについては東京が開催地に決まってから本当に様々な問題が起こった。そのせいでこれは競技場の土地にかかった「徳川家の呪い」のせいだなんて言われていた。度重なる不祥事に、世界的な伝染病、挙句の果ての一年延期。私の頭の中ではもうこれは呪いの力であろう・・・ということになっていた。だからオリンピックは中止になるもんだと思っていた。それなのに、ぬるっと開催決定。さぁて、これは大会期間中に首都直下型地震が起こるか、巨大台風が直撃するか、史上最高温度を記録しまくる猛暑で選手たちが大量に死ぬかのどれかと戦々恐々としていた。先日も小さい地震をいくつか体感してそのたびに徳川の呪いを覚悟したが、幸いなことにどの予測も外れた。まずはこのことに一番ほっとしている。
楽しみにしていた男子バスケは全てリアルタイムで視聴した。NBAで活躍する八村と渡辺が日本代表として同じチームで戦うということが非常に楽しみだった。残念ながら一勝を上げることが出来なかったが、ダンクとかディープスリーとかとても格好良かった。八村の雄たけびは本当に面白くて好きだ。何度でも見たい。
今朝は大迫選手の勇姿を目に焼き付けたいと休日なのに早起きをして見守った。
スケボーやフェンシング、クライミングなどのあまり見たことのない競技もとても面白かった。これは競技人口増えそうだ。
競技以外で印象的だったのは、スポーツを終えたあと、すぐにマスクをつける選手の姿。相当暑いだろうにかわいそうだな、と思った。
金メダルを決めた瞬間は心からおめでとうと言いたくなった。一方で観客がいない客席に手を振る選手を見ると少し悲しくなった。あの大きな国立競技場いっぱいの観客が一斉に拍手して声援を送っていたら、どんなに盛り上がったことだろう!子供とか親族だけでも入れてあげられなかったのかな。そのことがとても残念。
今大会では、日本の獲得メダルが史上最多になった。連日日本が獲得したメダルの個数がどんどん増えていった。メダルの数で他国と競うことに何の意味があるのかとも思うが、やっぱり少ないよりは嬉しいと思ってしまうな・・・。とか思っていたら実際のところは、開催国だからある程度有利な競技が選べたみたいだ。それで「過去最多!」とか喜んでたのか。なんかちょっと違う気がする・・・。
ちょっと違う気も、、、と言えばダブル金メダル。男子走り高跳び決勝でまったく同じ記録だった上位2名の選手が決着をつけるための「ジャンプオフ」という延長戦を拒否した。そして二人が金メダルという結果になり同じ表彰台に登った。先ほど見たNHKのオリンピック感動場面集のなかで金メダルを獲得した二人が優勝を分かち合い抱擁する場面が感動的に流されていたが・・・。果たしてこれは美談なのだろうか?最後まで戦い抜いてそれで負けたら潔く金を譲る、くらいの競争心があるはずなのではないかと思ってしまった。世界トップのアスリートが、ライバルと一緒に1位で納得なのだろうか?普通決着つけたくない?本当の一番になるよりも金メダルを国に持ち帰ることの方が大事なのか・・・?
と、なんでも感動に仕立て上げる番組にも辟易しつつ、国民の関心の高さとか、開会式の視聴率の高さとか、オリンピックってやっぱりすごい大会なんだな、と思った。全力で挑む選手たちは本当にすごかった!楽しい2週間だった!