それは甘さか
人を好きになることは、甘い。
人から好かれることも、甘い。
その甘さがいつか自分をダメにすると、なんとなく思っている節がある。
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自分をまるっと肯定してくれる存在。それが親兄弟でなく、他人。
素敵なことだ。素晴らしいことだ。むしろ、そういう人を求めて生きているのではとさえ思う。
でも、甘過ぎる気がしてしまう。
そこに寄りかかってしまったらきっと、もうその人無しでは、そういう存在無しでは生きていけないのではないか、と。
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流されやすく絆されやすい人間であることは、自分が一番分かっているから。
言い訳の逃げ口上が達者で、自分にも分からないような形でうまく問題をすり替えることができてしまう質だから。
本当は心底羨ましく、未練がましく、憧れの熱を持って見つめているのに。
抗うことで保てる心があると、過ぎゆく時の中で知ってしまったから。
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欲望にキリが無いのだとしたら、ずるずるとそれに引き摺られ飲み込まれていく己の姿は容易く想像できる。
自分が自分を嫌いにならないために。
人から愛されるより前に、自分で自分をちゃんと好きでいられるように。
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しかしそうして重ねてきた努力が、見当違いのものだったとしたら。
誰かに頼り、甘えるという自己開示がスムーズにできている人ほど、甘やかしてもらえるのだとしたら。
今まで貫いてきた信念が揺らぎふと我に返って思う。
「それは甘さか?」と。
自分なりの答えに辿り着くその時が知りたくもあり、同時に怖いような気もする、そんな最近。
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