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夜逃げってこんな感じ?

大学一年の頃、私は母親と二人暮らしをしていた。私も母親と共依存関係にあったのか、過干渉の母親から逃げるという発想もなく、一人暮らしをする気がなかった。
姉が大学生、私が高校生の時、姉はヒステリックな母親に嫌気がさし夜逃げした。
そこから数ヶ月経ち、私もまた母親に嫌気がさし、またもやヒステリックをかます母親に恐怖を覚え、自転車で実家近くのビジホに逃げた。逃げている最中は「母親が追いかけてくるのではないか」という恐怖に怯えていたものの、ビジホにチェックインした後、ようやく安堵した。
その日はコンビニで食料を買い、LINEで姉とやりとりをしつつ眠りについた。
次の日、母親にLINEをすると、母親は落ち着いた様子で「ごめん。戻ってきて」と返ってきた。それを受けて実家に帰ったが、私の母親への恐怖は変わらなかった。だが、姉に家を出る相談をしているうちに、成人するまでにはなかった「母親から逃げる」という選択肢ができたことによる安堵が湧いてきた。そして後に姉と共謀し夜逃げを企てた。母親にバレないようにスーツケースに少しずつ衣類などを詰め込み、夜逃げ決行の際に母親に「怪しいと思っていたけど」と言われた際には恐怖心しかなかったが、その恐怖はさらに続いた。私が姉と夜逃げしようとした際に、母親が裸足で「行かないで!」と叫びながら追いかけてきた。姉は無表情で早歩きをしていたが、足の遅い私は必死にスーツケースを引っ張り走った。結局最寄りの駅構内でどうにか母親と話をつけ逃げることができたが、あの風景は今でもトラウマになっている。


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