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弱者の戦略 一本釣り 一件仕事を取ることで生存できる

愛知県のアルミリサイクルカンパニー
株式会社豊アルミ工業 代表の桐山です。


ビジネスの世界で自分が弱者か強者かと問われれば、もちろん即答で
「弱者です!」
と答えます。
ヒト、モノ、カネのある大きな会社と正面切って戦えば瞬殺される運命にあります。
しかし日本の企業の99.7%は中小企業であり、数だけで言えば大企業の方がマイナーの存在かもしれません。
なぜ弱者が生存できるのか?
どうしたら弱者は生存できるのか?
先日、Voicyパーソナリティーの木下斉さんの放送を聴いて、自分の経験から思ったことを綴ります。

サラリーマン生活に疲弊して、店じまい寸前の家業に転がりこんだのが約20年前。
エンジニアだった私が何の予備知識もなく我流で飛び込み営業を始めました。
名刺を持って、
会社と自分の名前を名乗って、
アルミスクラップの買取見積りをさせてもらえないか、
言えることはそれだけで
駆け出しの私に
武器はありませんでした。
他にやりようもないので、バカのひとつ覚えのごとく、そんな飛込み営業を繰り返していました。
ひとつラッキーだったのは、自分で言うのもなんですが、風貌が怪しくなく、サラッとしているので、とりあえずご挨拶はさせて頂くことはできました。

足繁く訪問していると、一度試してみてもいいよと言ってくれるお客さんが現れます。
仕事をもらえたときは本当にうれしかったですね。
そうやってお客さんを一つずつ増やしていき、その積み重ねで、いつの間にか食える状態になっていました。

その反面、不安も抱えるようになっていました。
ニッチな業界ではあるものの、その中には高いシェアを持つ大きな競合がいます。強者です。
私はそこから顧客のいくつかを奪っているわけですから、逆襲を食らうのではないかと心配になりました。
競合は溶解炉を持っており、向こうが本気で価格競争してきたら、こちらの負けは必至ではないか、と思っていました。
しかし実際、恐れていたことは起こりませんでした。
どうやらコチラのほうが価格競争力があるようなのです。
それもそのはず、こちらは個人事業ですから固定費が極小なのです。
また私が奪った顧客も大手の競合からすれば、小規模のため、やっきになって取り返しにくるほどでもなかったのです。
そして、そこに営業経費をかけるのも合理的ではないのです。

強者は漁船と漁網を使って大漁を狙っています。
弱者はその近くで漁網から逃れた魚を一本釣りをする。
私の描く弱者の戦略とはそんなイメージです。
ヨネヤマさんは「コバンザメ」と捉えておられました。納得です!

強者はシェアを保つことが必要ですが、
弱者はまずは1件を得て、地道に積み上げれば成り立ちます。
強者と同じステージで、同じことをやれば必ず負けます。
弱者が生きるには、ステージを少しずらして、やることも少しずらす必要があります。
そのために必要なのは観察力です。
強者と弱者である自分は何が違うのか?
そこを認識できるかどうかが生死の分かれ道かもしれません。

ただ弱者も大きくなってこれば、規模に合わせて、別の戦略が必要になります。
一人で事業をしていたときに上手くいっていたことが、人を雇えば違う課題が生じてきます。

当社も変化していかねばならないステージです。
悩みながらトライ&エラーを重ねています。
道半ばですが、これからも学びながら挑戦を続けてまいります!

それでは!


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