デジタル教材を活用しよう
愛知県のアルミリサイクルカンパニー
株式会社豊アルミ工業 代表の桐山です。
私が参加しているボランティア活動の中に
「学習支援」
というものがあります。
土曜日や放課後の時間を利用して、ボランティアの学生や社会人が中学生の学習をサポートしています。
先日、視察させて頂きました。
受講している生徒さんのタイプは様々です。
・自ら意欲的に取り組むタイプ
・親に言われて参加しているタイプ
・とにかく勉強が苦手なタイプ
など
普通のクラスのメンバー構成と特に変わらないと思います。
当然、学習内容の習得度も様々です。
スタイルとしては個別指導ですが、ボランティアの数に限りがあるため、マンツーマンという訳にはいきません。
私が見ていて気になったのは教材です。
意欲の高い生徒は課題意識があるため、あらかじめ自分で教材を選んで持参しています。
しかし多くの生徒はその日もっている教材から適当なものを選択しているように見受けられました。
こうした生徒に課題意識を持たせ、事前準備を期待することはなかなかハードルが高いように思います。もしそれができているのであれば、そもそも学習支援は必要ないですからね。
本人にとって理解が難しく、苦手に思っていることを意欲を持って取り組めというのは酷というものです。
学校の授業の進捗と生徒の理解度が乖離が進むと、生徒のやる気は失われていきます。当然です。
小6の内容が定着していないまま、中2の授業を受けても、ほとんど意味がないのではないかと思うのですが、学校教育のシステムがこうした生徒をフォローする仕組みがないのが現状です。
そのための学習支援ではあるのですが、生徒個別の理解度を誰も把握できていないため、生徒の手元にある教材(問題)を解いて、分からなければボランティアが解説するといった手法がメインになってしまいます。
では教員が生徒個別の理解度を把握できているかというと、それも大いに疑問です。各種テストは一見、理解度を測っているように見えるのですが、どこまで理解しているか?どこでつまづいているのか?は捉えられないと思います。
例えば、速度を求める問題で正答が取れなかったとします。
その原因が、
・距離と時間の関係の理解があやふやだったのか?
・時間の単位(秒や分)が理解できていないのか?
・そもそも掛け算、割り算が分かっていないのか?
この問題の正誤だけ見ても、理解度は見えてきません。
教員もそれ以上深掘りすることは時間的リソースの制約があるため、無理でしょう。
もちろん生徒自身も自分の理解度を説明することはできません。
こうした状況を改善するためにデジタル教材は有用だと私は思います。
「個別最適な学習」
を学校は教育目標として掲げています。
素晴らしい目標だと思います。
そのために、小学校から中学校までの内容が網羅されているタブレットを生徒1人につき、1台配布されています。
ただあまり活用はされていないようです。
限られた授業の中で使用しているに過ぎず、持ち帰りも許されていません。
管理上のトラブル防止のためだと思いますが、もったいないなと思わずにはいられません。
学習支援の時間にタブレット使用が可能であれば、生徒個別の理解度や進捗に合わせた学習をしてもらうことができます。
ボランティアも生徒の理解度・進捗度を探ることができると思います。
中2の生徒が小6の単元に立ち返って、しっかり理解を固めることのほうが、生徒のやる気を高めることができると思います。
できもしない難易度の高い問題ばかりでは、自己肯定感が低下してしまいます。
そもそも人間の理解はカリキュラム通りに進むものではありません。
どちらかというと散在しているのではないでしょうか?
時に広く、時に深く学習や体験することで、散在している知識や理解がまとまっていくように私は感じています。
そのための道具として、デジタル教材は利用価値が高いと思う次第であります。
それでは!