不正を誘発する原因 キャパオーバー
愛知県のアルミリサイクルカンパニー
株式会社豊アルミ工業 代表の桐山です。
地方で子育て・教育・地域に関わって生活している企業経営者です。
私の仕事は自動車産業の影響を大きく受けます。
昨年末からダイハツの不正、新型プリウスの大規模リコール、自動車メーカー各社の認証不正問題と、生産を止めるような事態が立て続けに発生しています。
自動車は生命に影響があるため、安全にかかわる点については妥協は許すべきでない、という前提ではあるものの、大規模な生産停止が日本のものづくりにかつてないほどの悪影響を及ぼしている点も見逃せません。
現状の製造状況
弊社の取引先は自動車部品を製造している会社が多いので、現場の生の声を聴くことができます。
トヨタの生産台数は生産停止の影響を受けて、当初計画よりも下振れしています。
しかしそれでも高水準ではあり、生産も再開されていますが、いわゆる下請けの生産状況は相当低迷しています。週休3日の会社も出てきています。
今後の見通し
生産停止中に製造された部品在庫が相当数あることも、直近の製造が振るわない主因と言われていますが、今後の見通しについても、明るい話題はありません。
そもそも秋口には生産が回復しそうだ!との声が春に上がっていました。
季節はすでに秋に入りつつあります。
夜明け前が一番暗いのかもしれません。
回復は年明け、年度初めと根拠なく、希望観測の言葉が業界を飛び交っています。
増える書類 不正への対策
製造が振るわないもう一つの理由として、不正への対策が挙げられます。
ダイハツの例では新車の発表予定に開発が追いついていないといったことがあり、現場に焦りがあったと言われています。
そのため、開発スピードを緩めて、きちんと取り組むことは対策としては必要なことだと思います。
しかし現場サイドで聞こえてくる話ですが、不正防止のために、チェック用の書類が増えるとのことです。
これが事実なら、正直、下策だと思います。
書類を増やすことで、逆に不正が増えるのではないかと思います。
書類を残すことは大切ですが、書類は何とでも書けてしまいます。
ものをつくっているのか?
書類をつくっているのか?
現場のモチベーションにかかわる話です。
そして書類の作成コストは誰が負担するのか?
キャパオーバーが不正の原因
・宿題をやらない
・やるといったことをやらない
・疲れたのでキッチンを片付けずに寝る
普通の人間はこんなふうですよね。
こうした前提の下で不正を防止する策を考えねば、絶対うまくいきません。
怠けるのが人です。
できもしないことを求めても、人は動きません。
キャパオーバーしたら取り繕うだけです。
下請け企業からは、
「不正したのはあなたなんだけど」
という声が聞こえてきそうです。
正しくあろうとして、下請けいじめという不正をしていないか?
足かせにならないか、少し心配ですね。
自動車生産という大きな枠組みで、よりよいクルマづくりのための全体最適となる方策をメーカー、下請け、行政が一体となって進めて頂きたいと切に願っております。
それでは!
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