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地方銀行が儲けるには? 息子の大学の課題より
愛知県のリサイクルカンパニー
豊アルケミー株式会社 代表の桐山です。
子育て・教育・地域に携わって生活している企業経営者です。
大学生の息子からこんな問いを投げかけられました。
「地方銀行が儲けて事業拡大するためにはどうしたらよいか?」
これは考えたことのない問題です。
経営者仲間が多くいますから、様々なビジネスを考える機会はありますが、銀行のビジネスモデルを考えたことはありませんでした。
普通、経営者仲間に銀行経営者はいませんからね(笑)
しかしながら、ビジネスをやっていれば銀行は身近な存在です。
いっちょ考えてみたくなりました。
私の理解では銀行の本業は
広く金を集める。特に個人から。
集めた金を、企業への融資に使う。
貸し出した金利で儲ける。
シンプルにこれだけだと思っています。
銀行の機能を楽しく学びたい方はコテンラジオをお勧めします。
よって、ユーザー視点でのアイデア出しとなります。
自分が経営者として、個人としてという立場で、こういうのがあったらどうだろう?と思いついたことをつづってみます。
◆貸金庫業務の強化
三菱UFJ銀行の行員が勝手に開けてしまった今だからこそ、あえて信頼性の高い貸金庫業務を強化します。
・金庫内(個別のボックス内)は常時カメラで撮影・録画
・金庫が開いた時点で、顧客にオンライン通知が届く
というのはどうでしょうか?
セキュリティ面では合格でしょうが、貸金庫を使うニーズの本質は本当にそれなのか?という点が疑問です。
「録画」が肯定されるのは、自分が清廉潔白という前提が必要です。
顧客の本音のニーズが「後ろめたいものを隠す」だとしたら、それほど顧客を取り込めないように思います。
◆会計ソフトの連携による優遇融資
企業と銀行間で共通の会計ソフトを利用することで、銀行側が企業側の財務状況を把握しやすくします。
それによって、金利を通常よりも優遇したり、融資実行までの時間を短縮するという方策はどうでしょうか?
会計ソフト上で融資条件を提示され、特に問題なければ、即日融資ということを可能にはできないでしょうか?
営業コストの削減にもつながります。
そして帳簿-融資の連携システムをプラットフォーム化し、他行でも使えるようにしてはどうでしょう?
各企業はそれぞれ会計ソフトを使って、日々、帳簿をつけています。
それはそれでよいのですが、
今なにげなく
「日々」
という言葉を使いましたが、多くの中小企業では
「日々」どころか
「毎月」
の「月次決算」すら作成していません。
企業からの融資ニーズに対して、銀行側は決算書と残高試算表を要求します。
そこから融資の実行に至るまで、少し時間がかかります。
支店長決済で済むものもあれば、本部が決済するものもあります。
本部案件になると、更に時間がかかったり、場合によってはダメという判定を受ける可能性もあります。
月次決算すら作れない企業は、銀行から見れば、信用度が低いと見なされます。月次決算を作成できる企業とそうでない企業を比べたときに、どちらが信用度が高く、融資したいと思いますか?
月次決算を作成できる会社は、経理部門がしっかりしています。社長が月次決算を作成するように指示してしているからです。
また毎月月次決算を作成できるということは、粉飾のリスクが下がります。
粉飾をする時間的な余裕がありませんし、粉飾を疑われないよう毎月整合性を調整するというのは至難の業です。
銀行サイドとしては、共通ソフトを使ってくれるかどうかで、優良顧客かそうでないかをふるいにかけることができます。
創業したてでうまく利用できない顧客企業に対しては、経理業務のコンサル指導を行うことで、優良企業に育てていく手段にもなりえます。
長らく続いた低金利時代。本業では稼げないため、保険やら投資信託などを取り扱い、融資以外の提案を受けたこともしばしばあります。でも保険や証券などは専業の会社が存在し、銀行を通じて購入するメリットは感じません。
むしろ「こちらにとって本当に良いものを提案してくれるのか?」という疑問を感じてしまいます。
「金融」という本来の業務と向き合うしか、生きる道はないような気がします。
それでは、今日も一日良い日でありますように!