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ハイコンテクストとローコンテクストと価値観の違いとは

・コンテクストは何か

分かりやすく言うと、暗黙の了解とか暗黙のルール、特定の地域の常識とか、特定の業界なら当たり前のことなどです。

ハイコンテクストとはこの暗黙のルールをお互いたくさん共有していることです。

ローコンテクストとはその反対で暗黙のルールが少なく、共有されていないことが多くあるということです。

・アメリカの友人が日本に遊びに来たら

もしあなたにアメリカの友人がいて日本に遊びに来たとします。

あなたの自宅に招待したら、玄関で靴を脱がずにそのまま入ってきました。

あなたならどんな反応をしますか?


びっくりするとは思いますが、そのアメリカ人に悪気はないことは分かります。

アメリカでは室内でも靴を履いていて、靴を脱ぐのはベッドで寝るときくらいだからです。

なのであなたは丁寧に日本では玄関で靴を脱ぐことを、そのアメリカ人に教えてあげるでしょう。


しかしその友人が日本人で土足で部屋に入って来たらどういう反応をしますか?

「こいつ舐めてるのか!」「頭おかしいのじゃないか?」になりますね。


これもコンテクストが関係しているのです。

同じ日本人に対しては玄関で靴を脱いであがるのが、相手にとっても常識だと思っているからです。

しかしアメリカ人に対してはこの日本の常識は通用しないとあなたは認識しているので、びっくりするかもしれませんが、その後冷静に文化の違いを説明できるのです。



・日本人は一億総中流

日本ほど貧富の差が少ない国はありません。

識字率(読み書きができること)が高いなど、よほど現在高齢でない限りほとんどの人が読み書きができます。

かなり貧しい暮らしをしていない限り、小さな頃から家にTVはあったでしょう。

今時の高校生以上にもなるとスマホはほとんどの人が持っています。

地球は丸いことや簡単な自然現象、世界の有名な国なら地図上のどのあたりにあるのか、世界で一番高い山はエベレストなどみんな知っています。


このようなことから日本人は特に戦後以降、アメリカのGHQの政策などによりかなり高度なハイコンテクスト社会を歩んできました。

要はほとんどの日本人は「自分の常識はみんなの常識」と思っているのです。



・ビジネススキルのコーチングが日本だけ機能しなかった

1990年くらいからアメリカのビジネスシーンで広まりだしたコーチングが2000年に日本にも上陸しました。

日本以外にもヨーロッパなど各国にもこのコーチングはグローバルに広まって行き、それぞれの国で効果を発揮していましたが、日本だけは思ったほど成果をあげることができませんでした。


その原因を調べるとコンテクストの違いだったそうです。

アメリカやヨーロッパなどのローコンテクストを背景に元々コーチングは創られたものなので、それをハイコンテクストの日本でそのまま使用しても効果がでなかったのです。


・コンテクストの違いをもっと詳しく

アメリカやヨーロッパなどは地理上、歴史上、いろいろな人種が入り乱れて社会を形成しています。

文化の違いはもちろんのこと宗教の違いなどもあり、肌の色の違いなども一目りょう然です。

なので人々は自然と自分と人は元々違うのだという認識の元、コミュニケーションを取ってお互いのことを理解していきます。


しかし、日本は初対面の人でも基本的には自分と同じ考えをしていると思い込んでコミュニケーションを取っていきます。

まさかその人が今までTVを見たことがないとか、読み書きができないなんて思いもしません。

若い世代なら知り合って連絡先を交換する時に「相手がスマホを持っているかどうか、LINEのアプリをいれているかどうか」なんて相手に確かめもせず、即座に「LINE交換しましょう」と言います。


このように日本人は自分の常識は相手の常識と勝手に思い込むことが多いです。

なので相手が悪気がなくて取った言動でも勝手に自分の常識で判断して、バカにされたとか思って気分を悪くするのです。

海外ではそもそもの価値観が違う(ローコンテクスト)ことを認識しているので、お互い疑問があればどういった意図での言動なのかをその都度確認します。

その上で誤解があれば解いていくのです。



・特に結婚してからは相手のコンテクストを意識する

新婚の頃はラブラブでお互いのことも少々の違和感があっても気にしません。

しかし、結婚生活が長くなってくるとお互いの価値観の違いがあれば、その都度正直なコミュニケーションを取って、誤解があれば解消していかなくてはいけません。

コミュニケーションを取らないと、男性は勝手に自分の母親を基準として妻に期待をします。

女性はその反対に自分の父親を基準に夫に期待をします。

相手が期待に反した言動をすると「自分のことを分かってくれてない」と思って傷つきます。

もしあなたが国際結婚で日本以外の国で育った人と結婚したら、おそらく一方的な期待はせず、よく話し合ってお互いの文化の違いや生まれ育った環境の違いや常識と思っていることの理解しようと努力するでしょう。


このように恋人同士や結婚相手だけでなくその他の人間関係でも勝手に自分の常識に当てはめずお互いの違いを尊重しておかしいと思うことは正直に伝えてコミュニケーションを取りましょう。

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