人は役割を与えられると豹変する
・スタンフォード大学監獄実験
1971年にアメリカのスタンフォード大学心理学部で行われた、悪名高い心理実験です。
新聞広告などで集めた普通の大学生21人を、看守役11人と囚人役10人に適当に分けて、実験用に作った架空の刑務所を舞台に、2週間どのような行動をとるか観察することが目的でした。
最初はお互い決められた台本に沿ってぎこちなくやっていましたが、日を追うごとに看守役はより看守らしく、囚人役はより囚人らしくなっていきました。
特に看守役は、実験者が指示を出さなくても、自ら勝手に囚人役に罰則を与え始めました。
日に日にその行いはエスカレートしていき、ついに禁止していた暴力行為をも行うに至ったのです。
その結果、当初予定していた2週間を待たずに、この実験は6日間で強制終了しました。
この時、看守役の何人かは「話が違う!最後まで看守役をやらせてくれ!」と懇願したとのことです。
☆興味のある方は「es[エス]」「エクスペリメント」「プリズン・エクスペリメント」と今までこのテーマで映画化されています。
・立場や役割が人格に影響を与えるのか
この実験から分かるように、元々権力志向が強い人を看守役に選んだわけではなく、元々気が弱い人を囚人役に選んだわけではないということです。
あくまでも最初の配役はランダム(適当)に分けたのです。
ということは、今回たまたま囚人役になった人も看守役に選ばれていたら、程度の差こそあれ高圧的、威圧的、暴力的になっていた可能性は高いと考えられます。
これを私達の日常に置き換えるとどうでしょう
✓ 会社の上司と部下
✓ 学校での先生と生徒
✓ 体育会系の先輩と後輩
✓ 親子
このように看守と囚人ほどではありませんが、上下関係が影響する人間関係においては、よほど意識していない限り、特に上の立場にいる人間は、その役割に無意識に影響される可能性があります。
・役割の印象や原型はどこから来ているのか
例えばあなたの「先生」に対する印象や原型とはどのようなものですか?
私の場合は…
小学校1年生 優しい女の先生、あまり記憶ない
小学校2年生 厳しくてヒステリーでいつも不機嫌な女の先生
小学校3年生 おじいちゃん先生で戦争体験の話などもしてくれて面白かった先生
小学校4年生 体育大学の新卒の男の先生で軽薄でみんなでバカにしていた
小学校5-6年生 優しい女の先生で自分たち子供の話も良く聞いてくれ、問題が起こっても先生から一方的に説教をせずに、子どもたち同士で話し合わせて解決するようにサポートしてくれた
この後、中学、高校…と続いていきますが、やはり小学校の頃の先生に対する印象が、一番無意識に刻み込まれます。
自分の場合は2年と4年の先生は嫌い、3年と5-6年の先生は好き、1年の先生はよく分からないという印象を持ちました。
もし仮に自分が大人になって、何かの先生という役割を仕事にしたとしたら、特に小学校の時の先生の印象に影響されることになります。
おそらく意識的に自分が好きだった先生のような先生になろうとするでしょう。
しかし、注意しないといけないのは自分がストレスを感じていたり、忙しかったりするときに、無意識に嫌いな先生の印象に影響されてしまうことです。
もし、その嫌いな先生がよく怒鳴る先生だったり、失敗したひとりの生徒をクラス全員の前で公開処刑のようにネチネチとなじる先生だったとしたら、自分も無意識に同じ行動をする危険性があります。
仕事における上司部下や、体育会系の先輩後輩も、同じようなことが言えます。
・親の印象は普通は選べない
あなたの中の先生・上司・先輩の印象はおそらく複数の人から構成されているでしょう。
大好きだった、お世話になった、優しかった先生・上司・先輩もいれば、大嫌いで、二度と会いたくなくて、あんな人間にはなりたくない先生・上司・先輩もいるはずです。
先生・上司・先輩の場合は、あなたが冷静な時や穏やかな時は、意識的に自分の中の印象を選べますが、親の場合は普通選べないです。
なぜならあなたにとっての親の印象は普通ひとつしかありません。
私の場合は息子がふたりいますが、体罰も含めて暴力をふるったことや大声で怒鳴ったことはありません。
人間ができていたのかと言うと、そうではなく息子たちが何度言っても言うことを聞かない時は、ものすごくイライラしたことは何度もあります。
しかし自分の印象の中に子供を叩いたり怒鳴ったりするという選択肢がありませんでした。
それは幸運にも、自分の父親が私のことを一度も叩いたり怒鳴ったりしなかったからです。
もし私が子供の頃に、父親からそれこそ日常的に叩いたり怒鳴ったりされていたら、イライラしてストレスを感じた時に、無意識に自分の息子たちにも同じことをしていたかもしれません。
・親の印象が悪い場合はどうしたらいいのか
もし自分が子供の頃に親から体罰を受けたり、それはなかったとしても精神的な攻撃を日常的に受けていた場合は、心理学など独学でもいいから学んでいろいろな親もいることをまずは知る必要があります。
そうせずに大人になり結婚して子供が生まれたら、はっと気づいたらいつの間にか、絶対になりたくなかった自分の父親(母親)のように自分がなっている可能性があります。
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