自我肥大と便利な世の中
・昔は当たり前に我慢していた
科学技術の発達のおかげで現代の私たちは便利な世の中を生きています。
例えば…
30年前の私が大学生の頃は一般人は携帯電話を持っていませんでした。
友人同士で約束をしたり連絡を取り合うのは学校内で会った時です。
それ以外は固定電話しかありませんから夜に電話をして、バイトなどでいないときはまったく連絡が取れません。
インターネットも普及前ですから分からない英単語も辞書で調べたり、友人との会話でちょっと気になることもすぐにネットで調べることもできませんでした。
おすすめのランチの店もほとんどが先輩や友人からの口コミです。
携帯電話が普及して個人的にかなり便利になったのが、人との待ち合わせです。
今なら「ちょっと15分くらい遅れます」とか「待ち合わせ場所に着いたけど、どの辺りにいてる?」などリアルタイムで連絡ができます。
昔なら友人の家に電話して家族の人が「◯◯は何時くらいに出かけましたけど」と聞いて、やっとちょっと遅れて来るんだなと予測できたりしてました。
恋愛なんかも今はLINEでメッセージを直接送ったり通話もできますが、昔は女の子の自宅に直接電話して「◯◯さんはご在宅でしょうか?」など呼び出す必要がありました。
好意を寄せている女の子のお父さんが電話口に出た時などは最悪でした…
・今は我慢しなくていい世の中になりました
特にインターネットとスマホの普及のお陰で、ちょっとした疑問にもすぐに24時間グーグル先生が答えてくれます。
本当の田舎以外は24時間コンビニが空いていて、いつでも好きなものを食べることができます。
欲しいものがあればどこに住んでいても通販で取り寄せができます。
(特にAmazon prime会員なら翌日や翌々日に届いたりします)
TVや映画もわざわざ自分が時間を合わせる必要もなく、Amazon prime videoやNetflixを利用すれば自分の都合で自分の観たいドラマや映画が見れます。
最速で読みたい本があれば電子書籍で瞬時にダウンロードして読めます。
世界中の人と無料で何時間でもTV電話することも可能です。
このように何でもすぐに自分の思い通りになってばかりいると、それが当たり前になってしまい自分の自我が肥大すると言われています。
・便利な世の中になって全員幸せになったのか
生きることそれ自体は便利になり我慢することが昔に比べて格段に少なくなりました。
しかし人間関係は昔と比べて便利に簡単になったかというと、全くそうではありません。
直接話せばすぐに分かり合えたかもしれないのに、メールでやり取りした為に更に関係が悪化したとかよくあります。
例えば江戸時代に生きていた人と今の私達の暮らしを比べたら、とんでもなく今は便利な世の中になったでしょう。
スーパー銭湯などが普及して江戸時代のお殿様でさえ入れなかったようなお風呂に庶民の私達が入れる世の中です。
しかし江戸時代の人と我々現代人、どちらが幸せかと問われれば、即座に「私達です」と答えることはできないです。
人間関係は今も昔も共通の悩み事です。
もしかしたら昔の時代の人の方が普段の生活でも我慢することが多かったので、逆に人間関係でも我慢することによって今より他者と円滑に過ごしていたのかもしれません。
なのでたまには不便な環境に身を置いたり、我慢することを心がけることによって、人間関係の悩みも軽くなるかもしれません。
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