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いろいろ話題の朝ドラ

現在放送中の朝ドラ「おむすび」をご存知だろうか
橋本環奈がギャルの栄養士をしている。というめちゃくちゃ雑な説明にしておこう

管理栄養士が観る朝ドラの感想


橋本環奈が演じる米田結が高校卒業後の進路として栄養士の専門学校に行く。進路を決めるにあたって紆余曲折あるのだが、

専門学校時代の話があっさりしていた。


栄養士になるには2年間の専門学校、短大が基本ルート。とはいえゆるゆるとした2年間ではない
ほぼ必修みっちりの時間割。今日だるいから行かなーいとかしていたら講義にあっという間についていけなくなる。
実際の給食現場(病院や施設、社員食堂など)での現場実習もある。学校で100人単位の給食を作る実習もある。
自分は管理栄養士課程なので栄養士より必修科目が多く、時間数も多い。
とはいえ、給食を作る実習では献立が決まらない。予算が足りない、栄養価がおかしい、どう調理員役に動いて作ってもらうか組み立てられない、料理を出す時間に間に合わない、味が良くない…などなど。
実際の給食施設の実習はめちゃくちゃ怒られ、泣かされ、課題が終わらず寝れないなど苦行のような日々だった。そのへんまっっったく触れずに

あっという間に卒業して栄養士になっていてびっくりした

社会人となり社員食堂の栄養士として働く結。
社員食堂だと大体栄養士は1人しか配属されず、調理師さんや調理員さんと給食を提供する。
福祉施設でも施設規模によっては管理栄養士1人だったりする。病院だとまあまあ配属される。
1人なので発注や献立、レシピ、売り上げ、衛生管理の帳簿や書類(保健所などの監査用)とやることがいっぱいで相談する相手もないのでベテランでも頭を悩ますことが多い。
ドラマとはいえ、

栄養士の苦悩や新人ならではの困りごとなどがほぼ出てこない…

どんな仕事をしても新人のうち悩ましい困ることも多い。社会人一年目だと尚更だ。表面だけをさらーっと撫でるように時間が進む。

話が進み結婚し出産。産休育休をとりその後退職する結
子供の検診の際に入院中に会った管理栄養士に再開。管理栄養士を目指すことにする

勉強を頑張り無事合格。病院に転職し4年経った

というナレーション。

おいおい、そんな簡単に流さないでよ…

そもそも。管理栄養士と栄養士はどちらも国家資格である。栄養士は栄養士課程を修了すると栄養士免許がもらえるのだが、管理栄養士は栄養士課程と管理栄養士課程を修了し、栄養士免許を取得して国家試験に合格しないと免許が来ない。

栄養士は最短2年の学校で取得可能だが、管理栄養士は四年制大学が最短ルートである。大学卒業間際に国家試験を受け、合格すれば見事管理栄養士となる。結のように栄養士免許のみをとった場合は5年間の実務経験を積みその後管理栄養士国家試験を受験する

管理栄養士と栄養士の違いはいくつかあるが
・病気の人などに栄養の指導(こんな食事がいいですよ。など)をして報酬が保険で支払いできる。
・施設規模によっては管理栄養士を1人置かないといけなくなる
が一番大きいと思う(あくまでも個人的だが)

ちなみに管理栄養士国家試験の全体合格率は49.3%(令和6年)

令和7年はまだ実施前の記事です

実務経験コースと四年生大学新卒コースで合格率に大きな差があるのだが、

実務経験の人たちだけだと合格率は1割も満たない

医師国家試験のように禁忌問題はない
看護師国家試験のように必修問題もない
それでも合格が難しいのは出題範囲の広さがネックなのかもしれない

しれーっと勉強頑張って受かりました〜と言われてしまうと管理栄養士国家試験はそんな簡単なのかと思う方もいるかもしれない。
そんなわけではないのは知って欲しい。

管理栄養士として4年目になった主人公、結がギャルパワーで病院に色々な風を起こしていくという感じのニュアンスで進んでいる
栄養士の話を中心に記事を書いているが、ドラマでは神戸の阪神・淡路大震災やギャルたちのお店の話、商店街の話など様々な話が出てきている。

視聴して思うのは、いろいろな話が出てきてしまうから栄養士の話にさくキャパや時間がないのかと思う。それなら栄養士になる結の話ではなく震災からの復興を神戸に住む子の目線で書くというほうが良かったのではないかと思う。
あと2ヶ月ほど。管理栄養士としてどうなっていくのか、脱離せずに頑張って見ていこうと思う

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