新卒リモートエンジニアを泣かせてしまったマネージャーの話
本日は僕のマネジメント不足で、新卒のリモートエンジニアを泣かせてしまった話をしていこうと思います。
この動画を見ていただくと、他人をリモートマネジメントをするときの「アンチパターン」がわかると思います。
かなり失敗してしまった例なので、ちょっと恥ずかしいですが、お話していきます。
事の発端〜Slackに来た「ギブアップ宣言」
* slackとはビジネスチャットツールです
事の発端は、新卒のリモートエンジニアと、受託開発を進めていた時のことです。
突如、Slackに、エンジニアから「ギブアップ宣言」が来ました。
さっそくギブアップ宣言を読んでみますと、「タスクの内容がわからなすぎて迷っていて、けっこう辛くて泣いてしまっている。」と書かれてありました。
僕としては寝耳に水で、かなりびっくりしました。
泣かせてしまった原因は「タスクの丸投げ」だった
そのあと新卒エンジニアから話を聞き出したり、自分のタスクのあり方を、いろいろと振り返ってみました。
そして、エンジニアを泣かせてしまった原因は.....。
僕の「タスクの丸投げ」が原因でした。
弊社では「受託開発」をやっていて、ある程度の規模のサービスをつくっています。
そして僕自身のプログラミング経験ですが、未経験から始めてだいたい半年から8か月くらいで、もうすでに自分のアプリを作ることができていました。
自分が半年強でサービスを開発できた、だから新卒とはいえ、同じようにできるはず...と、その時の僕はまだ、無意識のうちに考えていたのでした。
大海原で遭難する難破船のような気持ち
誰でも僕と同じようにできるはず...。
僕のこの考えが、当時の大きな間違いでした。
新卒、しかもフルリモートエンジニアの置かれた状況は、大海原(おおうなばら)でひとり、小さな船で難破船になってしまったような、迷いでいっぱいの気持ちになってしまった。
そして迷いに迷いつめ、もつれた糸のようになり、気づいた時にはもう自力で前に進むことができなくなってしまっていた...ということだったんです。
もつれた糸をほどくため、プログラミング特有の「階層」の話を少しさせていただきます。
プログラミングのタスクには階層がある
プログラミングにはいろいろ階層があり、たとえばログイン機能をつくるとします。
「ログイン機能」という大きなくくりの中に
・フォームの見た目をつくる
・データベースの中身を考える
・ボタンを押したときの挙動をつくる
他にセキュリティの問題などもあります。
さまざまな小さいタスクが、「ログイン機能」にぶら下がっている状態です。
まだ経験の浅い新卒エンジニアに、「ログイン機能」とだけ、まるまるボーンと投げてしまうと、何から手をつけたらいいのか混乱させてしまうことも起こります。
今回新卒リモートエンジニアを泣かせてしまった原因は、丸投げによる仕事の先の見えなさでした。
やるべきことを階層に分けた「タスクの分解」さえ先に与えていれば、今回のように泣かせずに済んだのでした。
自分ができたから他人もできると考えるのはただの傲慢
僕自身は迷うような気持ちになった経験がないので、「ログイン機能」丸ごとそのまま、新卒のエンジニアに投げても大丈夫だろうと、安易な気持ちで与えてしまったのも原因でした。
このマネジメント経験から学び、「自分ができたからといって、他人も同じようにできると考えるてしまうのは、ただの傲慢(ごうまん)だな...」と気づきました。
自分と人を比べるのは全く意味がないこと
そして気づいたのですが、「自分もできたから他人もできる」という考え方は、人と自分とを比べている行為ですよね。
自分と人を比べるのは全く意味がない、ということにも、改めて気づきまして...。
やはり人間として、もともと持っているものも違えば、これまでの人生経験も考え方も全く異なるので、比べる意味がないんです。
自分と他人、そもそも比べる土俵が同じではない、ということでした。
食べ物の例でも少しお話しますね。
焼肉とお寿司の美味しさを比べても無意味
例えば、いろんな美味しい食べ物がありますよね。
焼肉とお寿司、どっちが美味しいって、比べられなくないですか?
食べ物のジャンルも違いますし、全く別の食べ物なので、そもそも比べること自体に、本当に意味がないものなんです。
今回、新人リモートエンジニアを泣かせてしまった経験から、これからは自分と他人を比較するのはやめることにしました。
そんなことよりも本当に、他人のことをちょっとでも理解できるよう、マネジメントの一つとして、現在では努めるようにしています。
助けを求めにくい空気はリモートでも伝わる
そして2つめの原因、反省ですが、僕自身が助けを求めにくい雰囲気をかなりつくってしまっていた、ということです。
そのあたりの状況もお話します。
僕自身がタスクに追われていた
泣かせた新卒のエンジニアは遠隔フルリモート勤務、同じ地にいて対面で何かやっているわけではないんですけど、当時の僕は他のタスクで、かなり忙しくしていました。
Slackというチャットツールを仕事の連絡につかっているんですけど、それを介しても、僕が忙しい状態で、気軽に助けを求めにくいのが、パソコンを通しても新卒エンジニアには伝わっていたようでした。
この助けを求めにくい雰囲気も、経験の浅い新人エンジニアを心理的に一人にしてしまった...。
まるで難破船で遭難(そうなん)するかのような気持ちにさせてしまった、ひとつの要因かな...と思っています。
その結果、会社全体の生産量が落ちてしまうことにもなり、いたく反省しました。
僕はどうするべきだったのか?良い選択肢はいくつかあった
そういったところをふまえて
・自分と同じようにできると思ってしまっていた
・僕自身が忙しくしすぎてしまった
この2点から、今後の改善策を考えました。
1.やるべきタスクを分解して与えてあげる
2.自分で考えるのも勉強と伝えた上で、わからなかった場合はすぐいつでも助けを求めてね、と言う
3.オンラインミーティングの機会を持ってもっと話を聞いてあげてフォローする
今はzoomやグーグルハングアウトなど、簡単にオンライン会議ができる時代です。
話を聞いてあげる時間をほんの5分でも持てば、おそらくこのようなことにはならなかったでしょう。
現在はこの3つの改善策をもって、リモートエンジニアとのマネジメントを進めています。
まとめ
今回、新卒エンジニアの方を泣かせてしまった理由を、リモートマネージャーの方向けにまとめます。
・自分と同じようにできると思ってタスクの丸投げをしたこと
・助けにくい空気をつくってしまったということ
今回の理由はこの2つでした。
今後の改善策は
1.やるべきタスクをまずは分解して与えてあげる
2.いつでも助けを求めていいような、助け船を出してあげる
3.オンラインミーティングの機会をもって、少しでもできるだけ対面で話を聞いてあげる
以上3つです。
今回、新人リモートエンジニアを泣かせてしまった経験から、自分と他人を比較する意味のない行為をやめるようにしました。
そんなことより、忙しい時でもオンラインツールで5分でいいので話を聞いてあげ、少しでも相手を理解できるよう努めています。
新人エンジニアをリモート画面の向こうで笑顔にしていくことで、結果的に会社の生産性も上がっていくのではないでしょうか。
これからリモートでマネジメントをする方は、ぜひとも参考にしてみてください。
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