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【レシピ】味噌を作りましょう!

寒い時期のお仕事、味噌づくり。
私が、味噌を作り始めたのは、ちょうど 10年前。
いくつかの「手作り味噌」を頂いたのが、きっかけでした。

それぞれ味わいが違い、そして、それぞれが、美味しい。
材料は、大豆、麹、塩のみ。
同じ材料なのに、こんなにも、違いがあるのかと驚いたのを、今でも覚えています。

自分で作りだすと、同じように仕込んで、同じ環境で発酵・熟成さえても、
毎年、出来上がりが違うのですよね。
それが、また、面白い!

余計なものが入っていない分、味噌汁を作る時も、多少、味噌の量が少なくても、逆に、少し入れ過ぎても、どちらも美味。
自分の好み、家族の好みに合わせられるので、とても使いやすく、
一度、作りだすと、手放せなくなるのが、手作り味噌なのです。

教室でも、5年程続けていた「味噌レッスン」。
お家で、発酵・熟成させる味噌を仕込み、お持ち帰り。
教室で仕込んだ味噌で、料理も作ってい食べて頂き、こちらも喜んで頂いていました。

鶏だんご汁、さわらの味噌漬け、ふろふき大根(2013年冬)
とんかつ・ごま味噌だれ (2015年冬)
味噌ラーメン(2017年冬)

また、いつか、これらのお料理も、ご紹介しますね。

年に一度の作業ですが、改めて、まとめてみましたので、
また、来冬以降、一度、作ってみよう!と思う方々に、参考にして頂けると嬉しいです。

それでは、作っていきましょう!

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味噌 ~米麹を使って~

【難易度】★☆☆☆☆
【作業にかかる日数】 ・大豆を浸水させる:1日
           ・大豆を煮る   :1日
           ・味噌を作る   :1~2時間 
      (あくまでも、目安です。仕込む量によって変わります)

【熟成期間】  仕込んでから、半年~

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【工程】
① 大豆の準備をする(浸水、煮る)
② 麹の塩切りをする
③ 味噌玉を作る
④ 容器に詰める
⑤ 発酵・熟成させる

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【材料】

【材料:出来上がり量 約 2.0 kg】

      大豆(乾)   500g
      米麹(生)   500g
      塩       180g + 20g
       (大豆に対して、35~40%)

☆材料について

北海道産大豆を、使いました。

生米麹を使います。
乾燥麹もありますが、生麹の方が、麹がフレッシュ、生き生きしています。
今回は、ネットで購入しました。

生麹は、賞味期限が短いです。(冷蔵庫保存)
もし、すぐ使用しない場合は、生麹をほぐして保存袋に入れ、
冷凍庫に入れましょう。

生麹をほぐして保存袋へ
冷凍庫で保存


【必要な道具】

【必要な道具】
    ・熟成容器(味噌の出来上がり量の2~4倍の容量の大きさ)
    ・ビニール袋     2枚
    ・調理用ビニール手袋 2枚
    ・重石 (おもり、塩等: 味噌と同量分以上)
      ※ 今回は、3㎏の塩袋を使用


重石は、ビニール袋に入れた塩を使います。
熟成中、味噌の匂いがついてしまうので、これらは、味噌用として保管。
毎回の味噌つくりに、活用しています。

料理に使用したい場合は、天気が良く、空気が乾燥している時に、
天日干しをして、匂いを取りましょう。

【必要な器具】

大豆を挽くのには、フードプロセッサーを使いました。
大豆潰し機(豆ミンサー)を使う方も、いらっしゃいます。
どちらでも、良いです。


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【工程】

1)大豆の準備をする(浸水、煮る)

① 大きめのボールに大豆(乾:500g)を入れる。
  たっぷりの水を注ぎ、そのまま1日(24時間)浸水させる。

大豆(乾:500g)を入れる
たっぷりの水を注ぎ、1日(24時間)浸水させる
24時間浸水させた大豆


大豆の芯まで、しっかりと水を吸わせます。
浸水が不十分だと、煮る時間が長くなり、また、軟らかさにムラがでます。
皮がパンと張っていて、十分に浸水しているのを確認しましょう。

しっかりと浸水させて、皮がパンと張っている大豆


② 戻した大豆を、ザルに上げる。
  深鍋に入れ、新しい水をたっぷりと加えて火にかける。
  沸騰してきたら、弱火にし、大豆が軟らかくなるまで茹でる。
  途中、アクが出てきたら取り除き、湯が減ってきたら、水を加える。
    (4~7時間:大豆によって、軟らかくなる時間が変わります)

戻した大豆を、ザルに上げて、水を切る
大豆と、新しい水をたっぷり入れて、火にかける
沸騰してきたら、弱火にし、大豆が軟らかくなるまで煮る
途中、アクが出たら取り除く

ここが、ポイント!

大豆を、とにかく軟らかく、軟らかく煮る、がポイント。
ここで、軟らかく茹でておかないと、
この後の工程で、上手にピューレ出来ない場合があります。

指で触ったら、力をグッと入れなくても潰れるぐらいの
軟らかさになったら、OKです。
普段、料理をする感覚の大豆よりも、さらに軟らかく茹で上げましょう。


③ 大豆が、軟らかくなったのを確認できたら、火を止めて蓋をし、
  煮汁ごと冷まして、そのまま一晩置く。
  一晩置くことで、しっとりとした大豆になります。
  時間がなければ、一晩置かずに、使用しても良いです。

指で触ったら、力をグッと入れなくても潰れるぐらいの軟らかさになったら、OK


2)麹の塩切りをする

生米麹(500g) & 塩(180g)


① 調理用ビニール手袋をはめて、米麹(生:500g)をほぐし、
  塊をなくす。

米麹(生:500g)をほぐして、塊をなくす


② 塩(180g)
を加えて、全体をよく混ぜ合わせる。

麹と塩を合わせ、全体に混ぜ合わす作業を「塩切り」と言います。
麹の塊をなくし、塩を全体に、均一に、行き渡らせておくことが大事です。
この後、大豆と併せてピューレしますが、
麹の塊が残っていたり、塩が偏って入っていたりすると、
味噌を熟成・発酵させていく時に、バラツキが出てしまいます。
シンプルですが、大切な作業です。
しっかりと、「塩切り」をしましょう。

しっかりと、塩切りをする
塩切り完了


3)味噌玉を作る

① 大豆は、使用する前に、一度煮立たせておく。
  穴あきお玉で、軽く煮汁を切り、お玉1~2杯分を、
  フードプロセッサーに入れ、しっかりと、ピューレする。

温かい大豆のほうが、潰れやすく、ピューレしやすいです。

穴あきお玉で、軽く煮汁を切り、フードプロセッサーへ

ここが、ポイント!

大豆は、煮汁を切りすぎると、水分が少なく固くなり、
上手にピューレ出来ない場合があります。
大豆の量は、使用するフードプロセッサーに合わせて入れましょう。
入れ過ぎると、廻らなくなります。


② 大豆がピューレ出来たら、塩切りした米麹(適量)を加えて
  さらに、ピューレする。
  必要であれば、大豆の煮汁を加えて、味噌の生地の固さを調整する。

塩切りした米麹(適量)を加えて、ピューレする
大豆の煮汁を加えて、固さを調整して、さらにピューレする

ここも、ポイント!

味噌の生地は、耳たぶぐらいの固さがベスト
大豆の煮汁を加えて、調整します。
固さは、とても大事で、ここで固いと、熟成後の味噌も、固くなります。
最後に、全体の固さを調整しますが、
ピューレするごとに、チェックしておくと、後の作業が楽になります。


味噌の生地、出来上がり


③ ピューレした味噌の生地は、大きめのボールに移す。
  ①~②の作業を繰り返し、全ての大豆、塩切りした麹をピューレする。

全ての味噌生地を入れたボール


④ 味噌全体の固さを均一にするために、よく混ぜ合わせる。
  この時、最後の固さチェックをする。
  味噌が固いようなら、大豆の煮汁を加えて、耳たぶぐらいの固さに
  仕上げる。

全体の固さを均一にして、最終チェック
必要であれば、大豆の煮汁を加えて、調整する

耳たぶの固さに、仕上げる


⑤ 手の大きさに合わせて、ボールの形にする。(テニスボール大ぐらい)
  ハンバーグの種を成型する時と同じように、
  パンパンと、空気を抜きながら、味噌玉を作る。

ここが、ポイント!

味噌は、空気が苦手な「嫌気的発酵食品」
空気が含まれていると、発酵・熟成が進んだ時に、
味噌の中の空気の活動が活発になり、
袋が膨らみ、そこからカビが生えたりして、上手に発酵・熟成できません。

出来るだけ、空気を抜くことが大事。
味噌玉を作る時から、ひとつひとつ空気を抜くように丸めましょう。


4)容器に詰める

容器に詰める


① 容器に、ビニール袋を2枚重ねて広げ、容器の中に落とし込む。

ここが、ポイント!

ここでも、できるだけ空気が入り込まないように、
気を付けて、ビニール袋をセットします。

そのまま、ビニール袋を広げるのではなく、
まず、ビニール袋(1枚)の底の部分を、ピンを張るようにセットし、
もう一枚のビニール袋も同様に、ピンを張って重ねます。
そして、できるだけ空気が溜まる隙間を作らないように、
2枚併せて、容器に沿って落とし込みましょう。

一度、ビニール袋(2枚)の底の部分を、ピンを張る
そのまま、容器に沿って、ビニール袋を落とし込む
ビニール袋、セット完了


② 味噌玉を、ひとつずつ、叩きつけるように入れていく。

これも、余分な空気を抜く、大事な作業です。
まずは、容器の底の角を狙い、叩きつけるように、一周入れましょう。
その後は、空いている部分(味噌が少ない部分)に叩きつけるように、
全ての味噌玉を入れていきます。

味噌玉を叩きつけるように、入れていく
全部の味噌玉が入った状態


③ 味噌を押しながら、表面を均す。

味噌の表面を均した状態


④ 上から、塩(20g)を全体に振り、空気を抜くようにして、
  1枚目のビニール袋(内袋)の口を、しっかりと閉じる。
  そして、2枚目のビニール袋(外袋)の口も、しっかりと閉じる。

塩(20g)を、味噌の表面全体に振る
空気を抜くようにして、1枚目のビニール袋(内袋)の口を、しっかりと閉じる
2枚目のビニール袋(外袋)の口も、しっかりと閉じる


⑤ 重石(おもり、塩等:味噌と同量分以上:今回は3㎏の塩袋を使用)
  敷き詰めて、蓋をする。

重石(3㎏の塩袋を使用)を敷き詰める
重石を敷き詰めた状態
蓋をする


5)発酵・熟成させる

冷暗所で、保管。
(我が家は、玄関の涼しい場所で保管しています)

冷暗所で保管


1か月に1回、天地返し(上下、ひっくり返すこと)をして、
発酵・熟成を進めていきます。

味噌として食べられるのは、半年以降から。
暑い夏を越えた後、味噌の良い香りが立ってくる9月頃から食べることが出来ます。

ここが、ポイント!

20℃~25℃で、発酵・熟成が進んでいきます。
この温度を保持できる場所に置きましょう。

味噌は、できるだけ空気には触れないようにすることが大事です。
空気を抜いて、しっかり重石しておけば、
春以降、気温が上昇、25℃以上になっても、膨らむ活動を抑え込めれます。

空気が残っていて、稀に、内袋が、ぷくっと膨らんでくることがあります。
その時は、空気を抜いて、もう一度しっかりと内袋、外袋を閉め、
重石を増やして押さえてから、冷暗所に置きましょう。

1ヶ月に一度、一回目の天地返しは、3月上旬。
もうすぐです。

発酵・熟成の様子を、その都度、ご報告。
追加して、書いていきますので、よろしくお願い致します。

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