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イタリア郷土料理のお話・ヴェネト州①

レシピ集がスタートして、6ヶ月目に突入。
これからは、郷土料理を切り口に、各州の特徴も、ご紹介していきます。

イタリアは、全20州。
ぞれぞれの地域色が、郷土料理にも、色濃く残っています。
お話したい事は、山ほどありますので、色々な角度から、
分かりやすく、ゆっくりと、まとめながら、お伝えしていきます。
どうぞ、よろしくお願い致します。

第一弾は、ヴェネト州をご紹介
レシピ集3月~5月にかけて、多くのヴェネト料理をご紹介しました
お料理と照らし合わせながら、見て頂くと、より理解が深まると思います。


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1)ヴェネト州(Veneto)について

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イタリア
(ピンク色:ヴェネト州)

ヴェネト州
「イタリア地方料理の探求(柴田書店)」より、引用

州都:ヴェネツィア(Venezia)
イタリア北東に位置し、東はアドリア海に面し、
北は、ドロミテ渓谷を有するアルプス連峰に接しています。
広大で、豊かな土地、海にも恵まれ、多くの食材に溢れています。


2)州都:ヴェネツィアについて


水の都・ヴェネツィア
は、昔、漁業と塩田を生活の糧にしていました。
中世の時代、4大海洋都市のひとつとして繁栄。
オリエント(東洋)との交易により、物資、文化を持ち帰り、
彼らの文化に取り入れながら、ヴェネツィア文化を洗練させていきました。

胡椒やスパイスなどの香辛料、織物、印刷技術等も、ヴェネツィアが基点となり発展し、ヨーロッパ各地に、広まっていきました。

※4大海洋都市(ヴェネツィア、ジェノヴァ、ピサ、アマルフィ)

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ヴェネツィア・アカデミア橋
( Ponte dell'Accademia )


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ヴェネツィアの周囲には、魅力的な島が点在しています。

ヴェネツィア最古の教会があるトルチェッロ島をはじめ、手編みレースが有名なブラーノ島、そして、ヴェネツィアングラスを生産するムラーノ島等。

ヴェネツィア最古の教会・サンタ・マリア・アッスンタ教会(トルチェッロ島)
(Cattedrale di Santa Maria Assunta)

ブラーノ島


また、ヴェネツィア以外にも、魅力的な街が、多くあります。

シェイクスピア戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台でもあるヴェローナ
ジョット(Giotto)のフレスコ画が観れる、パドヴァ
大自然が満喫でき、オーストリア文化も楽しめるドロミテ渓谷等々…。
数え切れません。

ジュリエッタの家(ヴェローナ)
(La casa di Julietta)
絵葉書・スクロヴェーニ礼拝堂(パドヴァ)
(Cappella degli Scrovegni)
ミズリーナ湖(ドロミテ)
(Lago di Mizurina)
トレ・チーメ・ディ・ラヴァーレド(ドロミテ)
(Tre Cime di Lavaredo)

詳しい街の魅力については、また、次の機会に…。
旅行記(北部)からも、それぞれ、美しい街の様子を見て頂けます。

# ヴェネト州の記事


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3)ヴェネト料理の特徴

ヴェネト料理は、本当に、バラエティー豊かです。
海洋都市時代に、持ち込んだスパイス類も、上手に使っています。

ヴェネツィアの街角でも、スパイス(調味料)の店を発見!
その品揃えには、驚きました。


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① パスタ、リゾット、ポレンタ、肉料理

パスタも食べますが、米の産地でもあり、リゾット、ニョッキ、トウモロコシ粉で作るポレンタも、良く食べられています。

肉類は、鶏類(鶏、鴨、ホロホロ鳥、野鳥)を中心に、牛、仔牛、
そして、レバーなどの内臓類も、食べられています。
馬肉を食べるのも、特徴のひとつです。

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馬肉のサラダ
(Insalata di carne di cavallo)

燻製にした馬肉を割いたもので、コンビーフのような食感でした。
繊維質を、強く感じましたが、レモン果汁とオリーブオイルで、さっぱり頂けました。

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ビゴリ・鴨のラグー
(Bigoli con ragu` di anatra)

ヴェネト州・独特の、ちょっと太めのパスタ・ビゴリ
鴨のミートソース、イワシのソース等と、合わせます。
モチモチした食感が、美味しいです。

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ヴェネツィア風仔牛のレバー・ポレンタ添え
(Fegato di vitello alla vaneziana con polenta)

レバー類も、よく食べられています。
玉ねぎと一緒に、白ワインで煮込むのが、ヴェネツィア風。

そして、奥にあるのが、黄色いポレンタ
とうもろこしの粉を水に溶かし、火にかけて、練り上げてます。
北イタリア、特にヴェネト州では、メイン料理に添えて、出てくることが多いです。
ボリュームがあり、なかなか、お腹に溜まります。

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イカの墨煮の白ポレンタ添え
(Seppia con il nero e polenta bianca)

こちらは、白いトウモロコシの粉を使った、白ポレンタを添えてます。
イカの墨煮の黒色と、対比されて、綺麗ですね。

えんどう豆のリゾット
(Risi e pisi)

生のえんどう豆が出回る春の、ヴェネトの郷土料理のひとつ。
スープ・パスタならぬ、スープ・リゾットのように、水分多めに仕上げる事もあります。


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手長海老とアンティチョークのリゾット
(Risotto con Scampi e carciofi)

アンティチョークが出回る、春から初夏にかけてのリゾットです。
手長海老の旨みは、格別で、パスタにも、リゾットにも、よく使われます。

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② 魚料理

海側では、新鮮な魚介類も豊富です。
内陸では、川魚や淡水魚(鱒、鯉、鰻など)も、食べられています。

街の魚市場(ペスケリア)は、ときめきの宝庫。
見て歩くだけでも、新しい発見があります。


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カルパッチョ
(Carpaccio)

ヴェネツィア発祥のカルパッチョ
老舗店・ハリーズ・バー(HARRY'S BAR)で考案されました。
元々は、脂肪の少ない牛ヒレ肉を、少量、薄く、薄く叩き伸ばし、皿に敷き詰め、ソースをかけて、提供したのが始まりです。

今では、色々な魚でも、提供されています。


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イワシのマリネ
(Sarde in saor)

南蛮漬けのようなもので、お店によっても、作り方、仕上げ方が違います。
こちらも、是非、食べておきたい郷土料理です。


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イカ墨のスパゲッティ
(Spaghetti al nero di seppia)

海に面している地域なら、どこでも、よく食べられているイカ墨料理
ヴェネツィアでも、本当に、メニューに載っていました。
美味しい甲イカ(イカ墨が取れる)が、良く水揚げされています。


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魚介のフリット・ミスト
(Fritto misto di mare)

海側の、イタリア全土で食べられている、定番メイン料理です。
もちろん、ヴェネト州でも、お薦めの一品です。


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うなぎフライのマリネ
(Anguilla fritta marinata)

アドリア海側で、鰻(うなぎ)を食べる地域も多いです。
写真は、初めて、イタリアで食べた鰻。
ぶつ切りにし、フライにしてから、ハーブ入りのマリネ液に漬けたもの。
美味しかったですが、日本の蒲焼とは違い、皮がヌルッとしていて、ちょっと、口の中に残って。
とても印象的でした。


ヴェネト州から外れますが、少し南下したアドリア海側に、コマッキオ(Comacchio)という小さな街があります。
鰻の産地として有名で、9月末から2週間程、毎年、うなぎ祭り(Sagra dell'Anguilla)が開催されます。

私も、是非、一度、訪れたいグルメフェスタで、炭火焼の鰻も提供されるようですよ。


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③ 野菜、果物類

野菜・果物類も豊富です。
白アスパラガス、ラディッキオ(トレヴィス)の名産地があり、
収穫の時期には、わざわざ食べにくる観光客も多いです。

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白アスパラガスと卵の前菜
( Asparagi bianchi e uova )

春の風物詩・白アスパラガス。
食後酒グラッパ(Grappa)の街・バッサーノ・デル・グラッパ(Bassano del Grappa)が、白アスパラガスの名産地でもあります。

この時期は、色々なお料理に使われますが、やはり、一番、良く食べられるのが、卵との前菜です。


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ラディッキオ(仏語:トレヴィス)
(Radicchio)

ラディッキオの産地で、美しい街・トレヴィーゾ(Treviso)では、
1月~3月上旬頃まで、よく出回り、ラディッキオのフルコースを出すレストランもあります。
仏語では「トレヴィス」と呼ばれ、この街の名前・トレヴィーゾから名付けられたとも、言われています。
ほろ苦さが、美味しい野菜です。


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④  南チロル料理

アルプス連峰の一部・ドロミテ渓谷は、南チロル地方と呼ばれ、
オーストラリア領だったこともありました。
第一言語は、ドイツ語。(もちろん、イタリア語も通じます)
お料理も、オーストリアの影響を色濃く残していて、イタリア料理とは違う味わいを、楽しむことができます。

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白ソーセージのグリル、酢キャベツ、フライドポテト
(Salsiccia bianca alla griglia、Aceto di cavolo e Patatine fritte )


ここは、オーストリア?、と感じる、組み合わせ・ソーセージ&ビール。
嬉しくて、そして、美味しく頂きました。

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スープに浮かんだパンのニョッキ・クヌーデル
(Knodel in Brodo)

ドロミテの山小屋で食べた料理も、オーストリア風。
イタリア語では、カナデルリ(Canederli)と呼ばれるパン団子です。


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⑤ ワイン&グラッパ

ワインの名産地でもあり、醸造所も多くあります。
毎年4月、ヴェローナで開催されるワイン国際見本市「ヴィーニ・イタリー(VINITALY)」が有名です。

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2000年のワイン国際見本市「ヴィーニ・イタリー(VINITALY)」半券

探してみたら、ありました!ありました!
2000年春に、訪れた時の半券です。
少し色褪せてきていますが、なかなか、物持ちの良い私です。

今春は、もちろん中止になりましたが、次回開催は、来春。
2021年4月18日~21日を予定しているようです。


イタリアの食後酒・グラッパ(Grappa)
イタリア各地で造られていますが、ヴェネト州内の醸造所は、200以上あると言われています。

特に、有名な町は、バッサーノ・デル・グラッパ(Bassano del Grappa)。

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グラッパ専門店
(Bar di Grappa)

ここは、先述の、白アスパラガスの名産地でもあります。


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ヴェネト州は、お菓子も、バラエティー豊富です。
ヴェネト州の郷土菓子のお話は、別途、まとめていますので、是非、ご覧下さい。


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