イタリア郷土料理のお話・ヴェネト州②~ お菓子 ~
前回、ヴェネト州の郷土料理について、お話させて頂きました。
今回は、ヴェネト州のお菓子に、注目します。
ヴェネト郷土料理については、こちらからご覧頂けます。
まずは、地理的復習から、始めましょう!
1)ヴェネト州(Veneto)について
旅行記(北部)からも、美しい街の様子を見て頂けます。
# ヴェネト州の記事
2)ヴェネト郷土菓子の特徴
外国との交易、交流があった地域なので、その影響が色濃く残っています。
中世の時代に、海洋都市として栄えたヴェネツィア(州都)は、
オリエントから、そして、北に隣接しているオーストリアからの影響を受けてきました。
ヴェネト州発祥、又は、経由して、イタリア全土に広まったお菓子もあり、
よく知られているもの、素朴なもの、そして洗練されたもの等、
魅力的な菓子が多くあるのが特徴です。
きっと、皆さまが、すでに、ご存知のお菓子もあるのではないでしょうか。
それぞれの特徴を抑えながら、見ていきましょう。
① ヴェネト州・発祥のお菓子&パン
皆さま、ご存知、マスカルポーネチーズを使った、コーヒー風味のお菓子。
一度は、食べたことが、あるのではないでしょうか。
イタリア全土でも、人気のデザートで、シチリアでは、リコッタチーズで作る場合もあるのですよ。
既に、レシピ集でも、ご紹介しました。
私も、時々、無性に食べたくなるティラミスです。
ヴェネツィアの代表的な郷土焼菓子のひとつです。
300年以上前から、食べられているそうで、シンプルな味わいですが、
段々と、ハマっていきます。
ジャムや、クリームをつけても美味しいですよ。
ヴェネツィア出身のイタリア友人に、教えてもらいました。
二度焼きしていて、カリカリっとした食感が、癖になります。
Pan(パン)di(の)oro(黄金)→「黄金のパン」という名の発酵ケーキ。
卵黄と、バターたっぷりの、ヴェネト地方のクリスマスケーキです。
日本でも、人気のイタリア・クリスマス菓子定番・パネットーネ(Panettone)に匹敵する「ヴェネト州定番のクリスマスケーキ」で、
ナイフで、横に、5~6個に切り分けて、少しずつ、ずらして重ね、
クリスマスツリーのように、ホイップクリーム等で、デコレーションするのは、子供たちの大好きなお仕事です。
個人的には、チョコクリームのヌテッラをつけて食べるのが、最強!
無敵!敵なし!という感じです。
( 恐ろしい摂取カロリーでは、ありますが)
「天国(パラディーゾ:Paradiso)のタルト(Torta)」という名の、
卵をたっぷり使った、ホロホロっとしたケーキです。
教室で、ご紹介した時、「なんか、懐かしい味わいです」「家で作ったら、子供たちが取り合いになりました!」と、言って頂けた、優しい味わいのケーキです。
ミラノが州都の、ロンバルディア州でも、作られています。
「真っ黒な(moro)サラミ(salame)」という名のチョコレート菓子。
チョコレート生地に、ナッツやクッキー等を砕いて加え、サラミ型に成型するのが特徴で、「サラーメ」だけでも通じます。
チョコレートが名産地の、ピエモンテ州、ウンブリア州、シチリア州、でも作られています。
② とうもろこし粉のお菓子
北イタリアで、多く生産されているとうもろこし粉(Farina di Mais)。
水を加え、加熱しながら練って仕上げるポレンタ(Polenta)料理は、
古代ローマ時代から食されている、北イタリアの特記すべき料理のひとつです。
北イタリアでは、ヴェネト州以外でも、とうもろこし粉を常備している地域も多く、お菓子にも、小麦粉と同様に、使われています。
とうもろこし粉と、アーモンドで作られる、ポロポロ食感のクッキーです。
材料を合わして、焼くだけ。
私は、ヴェローナ(Verona)のお菓子屋さんで食べたズブリッゾローナが忘れられなくて、作るようになりました。
ロンバルディア州でも、作られていて、
フレゴロッタ(Fregolotta)と呼ぶ地域もあります。
その名の通り、S字(エッセ)型をしているヴェネツィアの焼菓子です。
ヴェネツィアの街を流れる大運河(カナル・グランデ:Canale Grande)の姿に、似ているとも言われています。
とうもろこし粉、卵黄、砂糖、マルサラ酒等が入る、サクサク食感のクッキーです。
こちらも、とうもろこし粉がベースで作られる、素朴なクッキーです。
チョコチップなどが入ることもあります。
ヴェネツィアのお菓子屋さんで見ることが出来ますよ。
③ オーストリアの影響を残しているお菓子
ヴェネト州の北部に、東アルプス山脈の一部のドロミテ(Dolomite)地域があります。
ユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録されていて、大自然を満喫することができます。
この一部は、「未回収のイタリア」と呼ばれ、20世紀初め頃まで、オーストリア領(南チロル地方)でした。
そのため、現在もドイツ語圏(もちろん、イタリア語も通じます)で、
食文化にも、その影響を色濃く残しています。
# ドロミテの記事
皆さま、ご存知、ザッハトルテです。
イタリアでは、英語読みの「サーカー」と、呼ぶことも多いです。
このチョコレートケーキは、イタリア全国区で、多くの街で食べられますが、ドロミテで食べた「山小屋のサーカー」が、本当に美味しかったです。
オーストリア菓子の代表格で、イタリアでも、よく作られています。
りんご、干しぶどう、松の実などを包み込んだパイ菓子で、
ヴェネト州北部は、りんごの名産地でもあるので、よく目にしました。
ドイツ風・揚げドーナツ。
潰したじゃがいもを、生地に加えます。
揚げた後に、ジャムや、カスタードクリーム等を、中に注入することも。
特に、2月のカーニバルの時期に、出てくる揚げ菓子です。
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いかがでしたか?
ヴェネト州は、本当に、バラエティー豊かな、お料理、お菓子があります。
定期購読マガジン「オフィスアルベロ・レシピ集」で、既に、ご紹介しているものもありますので、是非、ご覧ください。
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