国際協力への学び Vol.2|みさき

 こんにちは!みさきです。
 前回はジェンダーギャップ指数についてのnoteを書きましたが、様々な人に読んでもらえているようで嬉しい限りです!読んでくださった方、ありがとうございます。

 さて今回のテーマは
政治に参加する男女の比率と男女公平な政策の実現にどのような相関があるのか
についてです。


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 国会など、政治の中心地で男女比が不均衡であると男女公平な政策の実現が難しいのではないでしょうか。例えば女性の割合が少ないという形で男女比の不均衡が起きている場合は、少数派である女性の意見が届きづらく、女性の視点から見える改善点が反映されないという状況に陥ってしまうのではないかと考えました。
 そこで、実際に国会議員数の男女比が均衡な国における男女平等政策は、どのようなものがあるのか私なりに調べてみました。

 また、今回はSDGsのゴールのひとつである「5 ジェンダー平等を実現しよう」も視野に入れたいと思います。SDGsの達成には私たち一人ひとりを含む国際的な協力が必要ですが、ジェンダー平等の実現のためには何が出来るのでしょうか。それを考えるためにも、まずは政治の観点からジェンダー平等の現状を学んでいきたいと思います。

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1 国会議員数の男女比が均衡な国とその国における男女平等政策の例

① ルワンダ
 ルワンダの国会(上院)における男女比は、およそ男:女=4:6。女性議員の割合は61%(2022年)と世界で一番となっています。
 なぜ、ルワンダではこれ程までに女性の政界進出が実現しているのでしょうか。これは1994年のジェノサイド以降に、国家の再建・開発や人権擁護を目的としてジェンダー平等への取り組みが積極的に行われてきたことが背景にあると考えられています。

〈男女平等やジェンダーに関連する政策や取り組みの一部〉
・2003年憲法にジェンダー平等を明記
クオータ制の導入で、国政・地方行政ともに意思決定機関における女性の      割合は3割以上と定められている
男女平等や女性のエンパワーメントを推進しジェンダー政策を策定する省庁、「MIGEPROF」が設置されている
・ジェンダー配慮に対する理解向上など、国家でのジェンダー政策が制定されている
・政府による貧困削減プログラムへの参加を男女平等とする
ジェンダー予算の導入
 など

【参考】
JICA 国別ジェンダー情報整備調査ルワンダ国 最終報告書(2012年
MIGEPROF 


 ここには書ききれませんが、ジェンダー平等を実現するために、省庁の設立や予算の導入など政府が具体的な手段で取り組んでいることがわかりました。上記以外にも、土地法や相続法の女性に対する不平等条項が改訂されるなど、女性議員が半数を上回っている状況は、ジェンダーに関する政策の決定に大きく貢献しているようです。

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② アイスランド
 アイスランドの国会(上院)における男女比は、およそ男:女=5:5。女性議員の割合は47%(2022)であり、均衡的であると言えるでしょう。ジェンダーギャップ指数の政治分野のランキングでも1位でした。
 アイスランドでジェンダー平等が推進されているのは、1975年に行われた女性たちによるストライキがきっかけであると言われています。このストライキは、職場での男女格差や母親の家事育児の負担の多さに抗議するため、なんと9割以上もの女性によって行われました。このストライキ以降、男女格差の是正やジェンダー平等のための政策が実践され、政治分野にも浸透していきました。

〈男女平等やジェンダーに関連する政策や取り組みの一部〉
クオータ制を導入、企業役員や公共の委員会のメンバーの女性の割合を4割以上とする
・2017年に就任したカトリン・ヤコブスドッティル首相は、男女同一賃金の証明を義務付け、違反したら罰金とする「同一賃金認証法」を制定した。
育休は父母それぞれに6カ月と、夫婦で自由に使える6週間が認められている。育休期間の給与の8割は政府が保証する。
 など

【参考】アイスランド首相に聞く ジェンダー平等社会へのヒントとは?  - クローズアップ現代+ - NHK


 アイスランドでは、1982年に女性だけの政党が誕生しました。それまで存在しなかった女性のみの政党の登場により政治情勢は大きく変化し、同時期からジェンダー平等のための政策も進展していったようです。アイスランドの場合は女性からの視点で政治を捉え、参加する機会が生まれたことで、男女とも包括的な政策が実行されていったと言えるでしょう。



 私が着目したルワンダとアイスランドは、ともに国会議員数の男女比がほとんど均衡であり、二国とも男女平等を実現するための政策や取り組みが、具体的に実践されていました。
 特に、クオータ制は女性の議員や役員の増加に役立つと考えます。この制度には、逆に女性の割合を一定にとどめてしまう懸念があるかもしれません。他にも、政治に関しては制度に限らず女性議員の得票率、当選率の低さを問題視している人もいるかもしれません。しかし、まずは女性がそのような立場に参加しやすい環境が整えられていないことが根本的な問題なのではないでしょうか。性別役割分担のイメージの定着や男女の賃金格差といった現状を踏まえた上で、少しでも女性が議員や役員として活躍しやすくするためのきっかけを作ることが最優先であると私は考えます。


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2 日本の現状

 ここまで、二つの国を参考に見てきましたが、日本の場合はどのような状況なのでしょうか。
 日本の国会(衆議院)における男女比は、およそ男:女=9:1。なんと女性議員の割合は、たったの9.7%にとどまっています。20人いる閣僚のうち女性が2〜3人という現状からも、日本の政治において女性の進出が実現されていないことがわかります。
 ひとつ「男性」という共通点を持つ人々が大多数を占める議会では、考え方や視点の共通性から議論が進めやすく効率が良い、というメリットはあるかと思います。しかし、それは視点の偏りを生み出してしまうというデメリットも供えているのではないでしょうか。

 そんな日本において、男女平等やジェンダーに関わる政策の一例として以下のようなものがあります。
・男女雇用機会均等法
・男女共同参画社会基本法
・女性活躍推進法            

 これらの法律に基づいて、男女平等は実現に近づいていっているのでしょうか。

 例えば、非正規雇用労働の割合を見ると男性が20%前後であるのに対し、女性は60%前後と男女で非正規雇用の割合に大きな差があります。また、育休取得率では女性が82%であるのに対して男性は13%と、こちらも男女差が大きいという現状です。ただ、これは男性が育休取得に消極的であるというような意味ではありません。男性が育休を取得しない理由の中には、そもそも会社の育休制度が整備されていないことや、収入を減らさないため、というものがあります。この現状は、男性が安心して育児に専念する機会が与えられていない点で男性にとって不利であると考えられます。残念ながら、男女平等のための法整備と実態が伴っていないと言えそうです。

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 この現状の打破のためには、法律を実際に機能させる必要があるでしょう。そのためには自分の生活の中で感じる生きづらさと政治的な課題が結びついている実感が、カギになると思います。しかし、それがなかなか実感できないという現状もあります。だから、まずはそのような法律の存在や、その法律が十分に機能していない現実を知ること、学ぶことが大切なのではないかと考えます。私自身、今回のnoteをきっかけに学ぶことが出来ました。個人の問題と政治のつながりに気づく人が増えれば、そこの問題点に声を挙げる人も増えていくのではないでしょうか。



3.私が考えたこと


 今回は、政治の中心地における男女比と男女平等な政策の実現の相関をテーマに取り上げました。一個人の視点からの調査なので断言は出来ませんが、ルワンダやアイスランド、日本などの実態から考えると、やはり政治の中心的な担い手の男女比が均等であるほど、男女公平な政策を実現しやすいと考えられるのではないでしょうか。
 それを実現するために私たちに出来ることは、まず現状を学ぶことだと思います。その現状というのも、日本にとどまらず世界の他の国々も参考にすることがポイントです。日本の場合、クオータ制のような制度やジェンダー政策担当の省庁など、様々な国に存在するアイディアを分けてもらう姿勢が現存の問題の解決に役立つのではないでしょうか。ジェンダー平等の実現は、SDGsのゴールの一つであり世界で包括的に達成する必要性が強調されています。世界の国々が手を取り合いSDGsを達成するためには、他の国から知識や手段を教わることで問題の解決に協力してもらうという形での国際協力も欠かせないはずです。
 

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 次回は
世界の子供に関わる社会問題とそれに対する取り組み
について、調べてみたいと思います。



【参考】
MIGEPROF: Home
大使室より | 在アイスランド日本国大使館 (emb-japan.go.jp)
世界で一番ジェンダー平等の国=アイスランドのお話 | NHK・SDGs 未来へ17アクション
アイスランド首相に聞く ジェンダー平等社会へのヒントとは?  - クローズアップ現代+ - NHK
https://www.gender.go.jp/about_danjo/law/kihon/9906kihonhou.htm
000835962.pdf (mhlw.go.jp)
図表1-8-1 育児休業取得率の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
令和2年版 男女共同参画白書(概要) r02_gaiyou.pdf (gender.go.jp)
joseikatsuyaku_kadai.pdf (gender.go.jp)
男性の育児休業取得促進等について 000676815.pdf (mhlw.go.jp)
持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳  000101402.pdf (mofa.go.jp)

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