飢餓のない世界へ ┃ みや
こんにちは!みやです。
国際協力メディアの記事を訪れてくださり、ありがとうございます!
早速なんですがみなさん、
『9人に1人』この数字が表しているものがなんだかわかりますか?
これは、世界で飢えに苦しんでいる人の数です。1分間に17人の人が飢餓が原因で亡くなっており、そのうちの12人は子供です。
飢餓は、2016年から増加しており、まさに今、アジアやアフリカで深刻な状況だと言われています。
今回は、アフリカの飢餓を取り上げ、みなさんに飢餓の現状や原因を知ってもらい、今から私たちができる取り組みについて書いていきます。
(目安時間:5分)
1 飢餓とは
国連世界食糧計画 (WFP) は、飢餓を次のように定義しています。
わかりやすく言うと、
食事を長期間に渡って十分に食べられないことで栄養不足となり、生きることや社会的生活が困難になる状態のことです。
こういった状態にある人は、世界には9人に1人、約8億2,000万人いると推計されています。
2 飢餓の現状と原因
飢餓の原因は食糧不足であると考える人もいるかもしれませんが、実は世界には全人口を賄える分の食糧が備わっています。
ではなぜ依然として飢餓問題がなくならないのか。
以下では、現状とその原因を紹介します。
丨アフリカの飢餓
〈現状〉
飢餓状態にある人の割合として最も深刻なのはアフリカです。
アフリカでは約2億5,000万人の人が飢餓で苦しんでおり、その割合は増加し続けています。
特に東アフリカでは人口の3分の1が飢餓状態にあります。
〈原因〉
ではなぜ、アフリカの飢餓がこんなにも深刻になっているのか。
主に3つの原因を紹介します。
①住民のほとんどが低賃金で雇われている小規模農家
アフリカでの農業は、多くの人の生業を支える経済の骨組であり、気候変動に脆弱な飢餓の「ホットスポット」となっています。
近年では温暖化の進行により、気温上昇や日照りが続くことで、水不足に陥りやすい状況となっています。その影響で、収穫量が減少または左右されることで、収入が非常に不安定となっていることがあげられます。
ただでさえ、農民は低賃金で雇われているので、収入が不安定になると生活もより一層困窮しやすい状況なのです。
②食糧作物より商品作物を多く収穫している
みなさんは、プランテーションという言葉を聞いたことがありますか?
これは、同じ作物を大量に栽培する大農場のことを指し、アフリカではチョコレートの原料となるカカオ豆や、コーヒー豆が生産されています。
ここできっと多くの人が疑問に思っている事かもしれませんが、なぜ飢餓状態にある人が多いアフリカで、人々が食べる食糧作物を作らないで、コーヒーなどを作っているのか。
食糧作物をたくさん作ったほうが、栄養不足や飢餓状態にある人の数を減らせるのではないか。
それは、カカオ豆やコーヒー豆がお金になる商品作物だからです。
なので、これらの商品を海外に売ることで、政府や経営者は外貨を稼ぐことができ、貴重な収入を得ることができます。
ですが、低賃金で雇われている住民にとっては、マイナスの利益しかありません。
そのマイナスの利益とは、
・食糧作物を栽培するための土地を失う
・大量生産でコーヒーやチョコレートの価値が下がる
などです。
また、プランテーションのために森林伐採を行うことで、森林からも食糧を得られなくなり、食糧を入手する場所もなくなっていきます。
③紛争や内戦
紛争や内戦が起こると住民は、家や農地など全てを捨てて逃げなければなりません。
また、戦争に勝つために相手方に食糧を失わせて弱らせる作戦が使われることもあります。
多くの住民は難民キャンプに避難しますが、避難する人が増えれば増えるほど、十分な食糧が行き渡りにくくなります。
そのため、食糧不足に悩まされて飢餓状態に陥る人々が増えることにつなががってしまうのです。
③経済情勢
飢餓が深刻な国々では経済成長が遅れており、貧富の差が明確に分かれています。
アフリカで飢餓が問題となっている原因の1つ目に、住民のほとんどが農家だということをあげましたが、住民は低賃金で雇われているため、収入は少なく、自分たちの農地も持っていません。
また、小さい頃にしっかり教育を受けている人も少ないため、仕事を求めて都会へ出たとしても仕事を得ることは困難なことです。
問題の解決のためには、貧富の差をできるだけ小さくする必要がありますが、これは今後の難しい課題となっています。
3 飢餓がもたらす影響
それでは飢餓が及ぼす問題にはどのようなものがあるのか、主な3つを紹介します。
①子供の発育阻害
子どもは栄養不足に陥ると、知能の遅れ、内臓や筋肉などの発育不足が引き起こされます。
しかし、成長が遅れるだけではなく、最近では新型コロナウイルス感染拡大の影響で、深刻な飢餓へと発展しやすくなることで、死に至る可能性も大きくなっています。
また、発育阻害の子どもの55%はアフリカが占めており、サハラ以南のアフリカではヨーロッパの15倍も高い割合である、13人に1人が5歳未満で亡くなっているという現状があります。
②感染症の蔓延
飢餓で栄養不足になると免疫力が低下します。そのため、コレラや赤痢、A型肝炎、腸チフスなど様々な感染症の伝染を引き起こす要因ともなります。
アフリカの人々は汚れた水や不衛生な環境によって、死と隣り合わせな環境で生活をしています。
特に、乳幼児には抵抗力もないため、汚染された水を飲めば下痢症になってしまう子供が多く、年間で命を落としてしまう子どもたちがあとを絶ちません。
また、近年では紛争や災害などの影響で難民キャンプに身を寄せている人々の間での、新型コロナウイルス感染拡大も懸念されています。
栄養不足に陥った人々で溢れ、混雑した難民キャンプでは、ウイルスが蔓延する可能性が非常に高いと言われています。
③紛争
飢餓が紛争に影響している理由は、飢餓から不安や不平が広まり、暴動や紛争の引き金になるからです。
これは、多くの人にとっては意外な事実なのではないでしょうか。
国連世界食糧計画 (WFP) によると、深刻な食糧不安を抱える紛争後の国は、そうではない紛争後の国よりも、紛争の再発リスクが40%高いことが発表さています。
4 私たちができること
ここまで、アフリカの飢餓について詳しく述べてきましたが、私たちが取り組めることはないのでしょうか。
私たちができる一番のアクションは、"食品ロス" をなくすことだと思います。
世界では約27億トンの食糧が生産されていますが、その約3分の1である13億トンが食品ロスになっています。そのうち日本で捨てられているのは、612万トンです。この数は、国民1人あたりで換算すると、毎日お茶碗1杯分の食糧を捨てていることになります。
また、上の図1を見てわかるように、日本の食品廃棄量は世界の食糧援助量の約1.4倍にもなっています。このまま食品ロスを続け、今後人口が増加した場合、食べ物は足りなくなり飢餓人口はさらに増加します。
日本も食糧のほとんどを輸入に頼っているため、他人事ではありません。
なので、食品ロス削減のためにも、
・地産地消
・国産のものを買う
などの行動をしてみてください!
地産地消を行うことで、葉物野菜や果菜類などの劣化しやすい、地元で栽培された農作物の廃棄を削減することができます。
こういった行動が、将来の自分や世界中の人のためになるのではないでしょうか。
5 さいごに
今回はアフリカの飢餓について紹介しました。
世界的な問題である飢餓を解決するには、地球上にいる人全員の長期に渡る協力が必要不可欠です。
なので、無理のない範囲で行動することがポイントです。
・購入する食材を地元や国産のものに変えること
・購入した食材でバランスの良い食事をすると、自分自身の健康にも繋げられる
あなたが取り組む事によって、飢餓のない世界づくりに貢献することができます。
まず、この記事を読んだからこそできる行動を始めてみませんか?
6 国際協力交流会
この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
国際協力メディアの大元である国際協力企業AlbaProjectでは、月に1回「国際協力交流会」を行っています。
この交流会では、国際協力に興味・関心を持つ人同士で議論や個人の活動の報告などを行います。
この記事を書いたみやも参加し、記事には収まらなかった内容についても話し合いたいと思っています!
その内容は「ビール酵母細胞壁が食糧問題や環境問題も解決」という記事です。
知ることができる内容としては
・ビール酵母が免疫力を高める!その利用方法と効果とは?
・なぜ、ビール酵母細胞壁が環境問題解決に効果的なのか?
・環境問題解決のために、どうやってビール酵母細胞壁を利用するのか?
ビールの大手企業であるアサヒグループホールディングスの高度な技術開発力と研究者の飽くなき探究心が見える内容だと思います!
もし、この内容が気になるなと思った方やビールにちょっとした豆知識を持ちたいなと思う方がいれば、この「国際協力交流会」に参加してみてください!
また国際協力メディアでは、今後の活動のためにアンケートを実施しています。
個人は特定されませんので、回答へのご協力をよろしくおねがいします!
作者 みや
チェック みさき
アドバイザー 松田淳也
【参考】
https://www.villalodola.jp/magazine/column-119/
https://slidesplayer.net/slide/14051851/
https://naruhodosdgs.jp/hunger-world/#i-5
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4591#:~:text=%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AF%E6%A0%84%E9%A4%8A%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%AB,%E5%BC%95%E3%81%8D%E9%87%91%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
https://www.unicef.or.jp/news/2019/0131.html#:~:text=%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%9A%84%E3%81%AB%E3%81%BF%E3%81%9F%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E6%A0%BC%E5%B7%AE&text=2018%E5%B9%B4%E3%80%81%E3%82%B5%E3%83%8F%E3%83%A9%E4%BB%A5%E5%8D%97,15%E5%80%8D%E9%AB%98%E3%81%84%E5%89%B2%E5%90%88%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82