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海に奪われるふるさと | みさき

こんにちは。みさきです。

みなさんにとって、「ふるさと」はどんな場所ですか? 自分が育ち、たくさんの思い出が詰まった愛おしい町でしょうか。もしくは、自分の大好きな場所を見つけ、生まれ育った地とは異なる場所をふるさととして大切にしている方もいると思います。

みなさんの「ふるさと」の場所がどこであれ、
もし、自分の大切なふるさとが失われてしまうような事があったら、何を感じるでしょうか?

残念ながら世界には、様々な理由で自分のふるさとの地を奪われてしまう人達がいます。中でも、今回は、地球の海面が徐々に高くなる「海面上昇」によって、人々のふるさとが奪われる問題を取り上げようと思います。

この記事では、
・海面上昇はどのように起こるのか?
・海面上昇に奪われるふるさと、生活とはどのようなものか?

について書いていきます。


1.地球温暖化が引き起こす海面上昇

そもそも、海面上昇はどのような仕組みで起こるのでしょうか?
主な原因は2つあると言われています。

海水が温められて膨張するから
②大陸の氷が溶けだし、海の水量が増えるから


どちらの原因も、地球温暖化によって起こっている現象です。地球温暖化を引き起こす要因の中には、以下のようなものがあります。

1化石燃料の過剰消費
2食料の大量廃棄
3海の埋め立て
4過度な森林伐採
など

食料を生産する際には原料を栽培するために土地を切り開いたり、原料を工場で食品に加工したりする必要があります。その過程では機械の動力として化石燃料が燃やされ、CO2を排出しています。また、せっかく生産された食品を廃棄してしまうと、その過程で消費された資源やエネルギーは無駄になってしまいます。
また、浅瀬の海藻やサンゴが光合成する場所である海の埋め立てや、森林伐採が行われることで、排出されたCO2を吸収する役割を持つ植物が失われてしまいます

CO2は世界中で排出されており、地球温暖化の危機や早急な対策の必要性は、ずっと叫ばれ続けています。地球温暖化の話題は頻繁に目にするため、飽き飽きしている方もいるかもしれません。
しかし、海面上昇による影響を知ると、地球温暖化対策の重要性が一層リアルなものとして実感できるかと思います。

それでは、海面上昇は具体的には人々にどのような影響を与えているのでしょうか?


2.海面上昇で失われる「ふるさと」

海面上昇の被害を最初に受けることになってしまうのは、海抜の低い地域に住んでいる人々です。特に、赤道付近にあるツバルキリバスといった小さな島国は、その被害を受けやすいとされています。例えば、平均海抜が約2mのキリバスでは、既に国土の一部が海水によって侵食されており、2050年には、人口の半数が住む首都タワラの25~80%が海水に浸食されてしまうと指摘されています。

海面が上昇すると海水は町へとあふれ出し、生活する拠点を奪っていきます。家や職場、学校、お店などが海水に浸されてしまえば、本来の生活を送ることはできません。陸の奥地へと逃れるしかなくなってしまうのです。また、海水が土壌に浸透することで「塩害」が発生します。塩害が発生すると、その土地で作物を育てることは難しく、住民は自分たちで食料を確保できなくなってしまいます
さらに、島国には逃げ場となる広大な土地が存在しないため、最悪の場合、国の全土が水没してしまった際には、国の外に逃げるしかありません。他の国に居場所や生活拠点を見つけることが出来れば、生きていくことは可能ですが、それで彼らの生活は守られたと言えるのでしょうか。大切なふるさとを失ってしまう悲しさや辛さは、移住するだけで解消されるのでしょうか。このように考えると、人々のふるさとを奪う海面上昇を食い止め、国土を守る必要性がより強く感じられると思います。

地球温暖化は世界中の国々が原因を生み出しているにも関わらず、現在、その影響が一部の国の人達に集中して及んでしまっています。問題の原因に多くの国が関わっている以上、実際に被害を受けている国だけでは、解決することは出来ません。

海面上昇の問題に対して、多くの国の協力が必要であるとわかると思います。


3.他者の大切な場所を一緒に守る。

日本も他人事ではありません。特に、日本での生活はCO2を排出せざるを得ない場面が多いです。電気も、食品加工の工場も、日本中を走る公共交通機関も、私達には必要不可欠な存在でしょう。地球温暖化を食い止め、海面上昇を少しでも抑えるために、また、人の大切なふるさとを守るために、私たちにも出来ることはあります。

例えば、日本産の食品を購入する必要以上の食べ物の購入を控える歩ける時は自家用車を利用せずに歩く…。これらの行動で、間接的にCO2の排出削減に貢献することが出来ます。個人が直接的にCO2の排出量を大幅に減らすことは難しいですが、生産過程でCO2を排出してしまう商品の無駄な需要を増やさない、ということなら取り組むことが出来ます。需要がある限り、ものの生産は続いてしまうため、個人の小さな行動が大きな役割を果たすのではないのでしょうか。


自分の大切なものを失う悲しさは、国境を越えて共感できると思います。

他者の大切なものを一緒に守る。

こんな価値観を持って、国際社会に存在する問題に取り組む姿勢も大切なのではないでしょうか。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました!


作者 みさき
チェック みや
アドバイザー 松田淳也

【参考】
海に沈みかけている小さな島国の話 |WWFジャパン
世界でもっとも早く太陽が昇る国・キリバスが水没の危機に!|なんとかしなきゃ!プロジェクト (jica.go.jp)
気候変動で起きる海面上昇について知っておきたい7つのこと - 国際環境NGOグリーンピース (greenpeace.org)
肌で感じる温暖化の危機、リアルに伝えたい キリバスに惚れ、国籍も変えた:朝日新聞GLOBE+ (asahi.com)


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