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子供の貧困問題 |りえ

 こんにちは!りえです。国際協力メディアのページを訪れてくださり、ありがとうございます。

 ところで、あなたは毎日1日にいくら使っていますか?例えば朝ご飯、昼ご飯、夜ご飯にそれぞれ400円のお弁当を買って食べるとしても、1200円かかります。もし、200円渡されて、『このお金で一日過ごしてください』と言われたらどう思いますか?200円で1日過ごせますか?
 実は、1日200円以下で暮らしている人が世界に7億人以上いるのです。今回は、世界の貧困問題について考えていきます。

貧困とは?

 そもそも、どのような状態のことを貧困と言うのでしょうか?
 貧困の定義は一つではありませんが、国連機関のUNDPは、貧困を「教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなど最も基本的な物・サービスを手に入れられない状態のこと」と定義しています。「貧困」と一言に言っても、例えば、日本で「貧困」に該当する方々と、アフリカで暮らす「貧困」の方々の間には大きな差があります。そこで、「絶対的貧困」「相対的貧困」という「貧困」をさらに分類する定義があります。
 「絶対的貧困」とは、食料や衣類といった生活の必要最低条件の基準が満たされていない状態のことを言います。例えば、住む家がない、今日食べるご飯がない、着ることができる服がない、などという状態です。
 「相対的貧困」とは、国や社会、地域など一定の母数の大多数より貧しい状態のことです。一見すると衣食住には不足していないため、目に見えずらく、支援を受けづらいという問題点があります。
 今回は、特にアフリカの「絶対的貧困」に着目していきます。

アフリカの貧困問題

 現在、アフリカは世界で最も貧困な地域です。世界銀行は、2015年10月、国際貧困ラインを1日1.25ドルから1日1.90ドルに改定しました。日本円に換算すると、200円くらいです。あなたは1日200円だけで生活できますか?多くの人は、きっとできないでしょう。私には、絶対できません。しかし、世界では7億2900万人もの人々が、1日1.90ドル以下で生活しています。その約半数以上がサブサハラ・アフリカ地域に住んでいます(2015年)。

アフリカの貧困の原因と貧困が子供に与える影響

アフリカの貧困の原因には次のようなことが考えられます。
①教育が不十分
  絶対的貧困に該当するアフリカの子供たちの多くは、生活のために仕事や家事の手伝いをしていて、教育を受ける機会が十分にありません。教育が受けられないと、将来安定した仕事に就くことが難しくなってしまいます。また、教育が受けられないことは低い識字率にも大きく関わっています。アフリカの識字率は、サハラ以南のアフリカで男79%、女72%、西部・中央アフリカで男69%、女55%です。いずれも世界平均の男92%、女85%を大きく下回っています(2015)。文字が読めないとなかなか安定した仕事に就けず、十分な収入が得られません。その結果、生まれた子供に教育を受けさせることができないという悪循環を繰り返してしまいます。 

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②社会設備が不十分
  電気・水・ガス・インターネットといった社会設備が不十分であるために、自国の経済が発展せず、また外国企業も参入しにくくなってしまっています。アフリカはまだ技術力が発展していないので、外国企業がアフリカに参入することで、外国の先進地域の技術を利用することができます。また、外国企業がアフリカに工場を作れば、現地のアフリカの人々の雇用を生み出すことができます。
 水の普及が進まないと、細菌やウイルスなどが多く入った汚水を飲まざるを得なくなり、肺炎、マラリア、下痢、結核といった病気につながってしまいます。
 

③紛争問題
  アフリカでは21世紀になっても紛争が起こっている地域が多くあります。紛争が起こっていると、国内の社会設備にまで手が回らなくなります。また、紛争が起こると職や住居を失ってしまうこともあり、その結果、難民となることも少なくありません。一度難民になってしまうと、収入を得る機会がなくなり、抜け出すのは困難です。

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子供の貧困の問題点


 まず、子供の貧困は、大人の貧困に比べて、自分自身の力で解決することが困難であることが挙げられます。また、貧困により十分な食事がとれない場合、栄養失調によって免疫力や体力が低下してしまったり、発育が遅れてしまったりします。
アフリカでは医療体制が不十分な地域も多くあり、免疫力や体力が低下して病気になると、死に直結してしまうこともあります。

私が考えたこと

 私は貧困問題についてほとんど知識がなかったので、貧困にも種類があり、世界の人口の10%以上の方が1日1.90ドル以下で暮らしているということに衝撃を受けました。日本にいると豊かな暮らしになれていて、なかなか世界の現状に気づくことができないでしょう。これから視野を広げて、世界のことについて学んでいきたいという思いが強くなりました。

また、貧困の問題に関して国際協力で解決する意義についても考えました。ここまで述べてきたように、貧困の背景には教育機会の欠如やインフラ不足、紛争など様々な要因が複雑に絡み合って存在しています。そのため、単に食料やモノ、資金などを提供したところで貧困問題は解決することが出来ません。また、特に絶対的貧困は地域や国全体が関わっているケースが多いため、自国のみでの解決は困難であり、国際協力による解決アプローチが欠かせません。

そこで、アフリカの貧困問題を解決するために、世界中の国々が取り組みを行っています。活動しているのは、各国の政府や国際機関、NGOなど様々なアクターです。取り組み方法も多様で、インフラや水衛生に関する環境整備、教育の提供、畜産・農業支援などがあります。そして、地域の人々が他者からの支援がなくとも生活できるように、また、新たな貧困のサイクルを生み出さないようにする工夫として、地域住民の参加があります。支援を提供する国は、地域コミュニティ全体を巻き込み、住民が自らの手でインフラ設備の点検や教育提供が出来るようになるところまで長期的に携わることで、貧困問題の解決に貢献することができるのです。

そして、地域や国が貧困を脱すれば、他国との間により強固な経済関係を構築することも可能です。貧困を解決するという時点では、協力している国が恩恵を受ける場面は少ないかもしれません。しかし長期的に考えると、貧困を解決するための国際協力は、世界全体の経済発展にも影響を与え、多くの国に利益をもたらすと考えられるのではないでしょうか。


作者   りえ
チェック  みさき
アドバイザー  松田淳也



参考

最後まで読んでくださりありがとうございました。

作者 りえ
チェック みさき
アドバイザー 松田淳也







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