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子どもがペットでケガをしないために
私は子どもの時から犬と暮らしていました。
生まれた時にはすでにボクサーがいて、その後はシェルティー、チワワ(30年前は珍しかった)、ゴールデンレトリバー、イングリッシュセッター、再度のボクサーと暮らしてきました。
さらに私は救急医だった時代もあり、この時に様々な経験をしました。特に小さなケガが好きだったこともあり、形成外科や整形外科の先生の手術を積極的に手伝わせてもらっていました。研修医向けの雑誌で、連載を担当していたこともあり、ペットのケガについて解説もしてきました。
1.ホントにいろんな動物のケガの人を診た
一番多いのはネコです。特に都市部の病院にいた時に多かった気がします。
次にイヌ。意外にネコより多くはないのですが、ネコと違い子どもたちが死亡する痛ましい事故も報道されることがあります。
珍しいところだと、タランチュラ(ケージの掃除で、顔を近づけたら毛を飛ばされて眼をやられた)や、電気ウナギ(水換えをしようとしたら感電して火傷した)、サルに噛まれた、馬に蹴られたなどです。
東北地方に住んでいた時は、クマに襲われた方も何人か治療してきました。北海道のヒグマと違い、壮絶な大ケガはするものの命は助かることが多いです。が、食い千切られるために何度も手術が必要なこともあります。ハンターで、シカに角で胸を刺される方もいました。
アレルギーの医者になってからは、ハムスターに噛まれてアナフィラキシーで搬送されてくる人も何人か治療しました。傷自体も軽くはないです。
2. ネコとイヌによるケガの違い
ネコの場合は引っかかれるよりも、噛まれる方が重大なケガになります。
ネコによる傷は小さいので、ほとんどの方は、自宅で様子を見ているうちに細菌感染をおこします。そして、ものすごく痛みが出て、腫れた状態で病院に来ます。
実は、ネコで細菌感染をおこすと非常に大変で、何人も手術した人を診てきました。手の骨に感染した人、腱に感染して移植した人など、重篤な感染症を引き起こしやすいのです。
これは、ネコの歯が細く刺さりやすいので、傷が閉鎖しやすく、閉鎖状態で細菌が繁殖し、感染が広範囲に広がることもしばしば。また、ネコの口腔内はイヌより雑菌が多く、傷からものすごく感染しやすい。こうなると、病院に来た際には外科的に傷を大きく広げて、細菌をよく洗い流さないといけません。当然、手術と抗生剤が必要ですが、感染した怪我は非常に治りにくいです。
一方でイヌの場合には、噛んで刺さるとゆうより噛みちぎるので、傷が大きくなりやすく、閉鎖環境にならないのでネコよりは感染しにくいです。また、大型犬に噛まれると、女性の場合には骨折することもあるくらいなので、大抵の方がすぐに病院にいらっしゃいます。
3. どんな時に動物でケガをするのか
ほとんどが自分で飼育しているペットでケガをしています。
あくまでも経験的にですが、ネコの場合には、「撫でてた」が多いです。
イヌの場合、子どもだと「嫌がるイヌを追いかけ回した」で、小型犬が多いです。成人だと「ほかのイヌとのケンカの仲裁に入った」、「痛がる場所を触った」も結構ありました。
エキゾチックアニマルの場合には、世話している時ですね。そうそう、昔はアライグマで怪我した方もよくいました。リアルなラスカルは気が荒いらしいです。
クマに襲われた方のほとんどは、山菜採り。これ以外だと思い出せないくらいです。当然ですが、山菜のシーズンはクマにとっても食事の時期です。ほとんどの方が、突然鉢合わせたとお話しされてました。
4. 我が家での「動物絶対ルール」
うちの子ども達も動物には慣れていますが、初めて動物を見る時から絶対のルールがあり、全ての動物で共通です。
しかし、後々重大な事故につながるこのルールですが、この感覚はペットを飼ったことがないと夫婦で共通の認識にはなりません。よく話合っておく必要があります。
子ども病気、ケガは予防できるものがあるのです。
夫婦でルールを決める時には、ペットによる怪我はすぐにネットで調べられます。具体的な例ではなく、状況を見ながら話し合いましょう。
と、ゆうことで、我が家のルールは
1.親の許可なく、動物に近づかない・触らない
2.動物の前で急に動かない
3.「うちのは大丈夫」と話す人のペットには近づかない
我が家のイヌはチワワ以外、訓練所でトレーニングをうけています。飼い主もトレーニングを受けるため、半年イヌと一緒に訓練所に通ったこともあります。
動物を飼育していればわかりますが、いくらおとなしくても動物に「大丈夫」は絶対にありません。
人間にケガをさせると、多くの場合、その動物は安楽死をさせなければなりません。これは、飼育者・触った側、双方の過信が招いたものとも言えます。
「うちは大丈夫」とお話しされる方には、動物の飼育経験が少ないのでしょう。こちらから近づかないのがお互いのためです。
ちなみに、我が家の子どもたちが通っている乗馬クラブでは、子ども達だけで厩舎に入ってはいけないことになっています。
具体例として、イヌの時には、触り方もルールがあります。
1.ゆっくり手を出して、まずは匂いをかがせる
2.追いかけてはいけない
3.服従の姿勢が確認できるまで、子ども達だけでイヌといてはいけない
イヌの場合には、遊んでいるうちに興奮して噛むつもりはなくても手を噛んでしまったといったこともあります。綱やダンベル引っ張りですね。一緒に走っていて、足にイヌが絡んで転んだなんてこともあります。
イヌの場合には(噛み癖のある馬もなんですけど)、食べ物をあげようとして噛まれることもあります。我が家のイヌは、幼少期より食事中にわざと人間の手を突っ込んだり、取り上げたりしても人間に反抗しないように徹底的にトレーニングします。トレーニングをしてないイヌには、手からおやつを上げるのは禁止し、床もしくはお皿から与えます。
それぞれの家庭には生活リズムがあり、友人が子連れで遊びに来た時に、イヌの食事時間だったなんてことも。
子どもが小さければ小さいほど、何をするかは全く予想できず、大人が目を離さないなんて事も不可能。目を離した隙に、エサに手を突っ込んでいたなんて事は、我が家でも本当に良くありました。
子どはゴールデンレトリバーに噛まれても死にます。「そんなつもりは無かったは」は、怪我をしてからでは通用しないのです。
ペットは家族に例えられますが、人間でも家庭内ではルールは必要です。
動物と人間が共生するためには、お互いのために絶対のルールが必要なのです。
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