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【週間レポート】2024.10.21~25
◉週間の振り返り
21日月曜
・ドル円は反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1956%前後と7月26日以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行。目先レジスタンスとして意識されていた17日の高値150.32円や一目均衡表雲の上限150.70円を上抜けると上昇に弾みが付いた。取引終了間際には一時150.89円と8月1日の高値に面合わせした。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「経済が予想通りなら、段階的な利下げを予想」と述べたほか、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「向こう数四半期にわたり、緩やかな利下げを予想している」との見解を改めて示した。
・ユーロドルは反落。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると、4時前に一時1.0811ドルと17日の安値に面合わせした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.02と8月2日以来の高値を付けた。
なお、この日発表の9月米景気先行指標総合指数は前月比0.5%低下と予想の0.3%低下を下回ったものの、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は反発。ドル円の上昇につれた買いが入ると、取引終了間際に一時163.16円と日通し高値を付けた。ただ、ユーロドルの下落につれた売りも出たため、伸び悩む場面もあった。ダウ平均の下落や日経平均先物の失速も相場の重し。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことも相場の重しとなり、指数は一時400ドル近く下落した。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、7月10日以来およそ3カ月半ぶりの高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米利下げペースが緩やかになるとの見方から債券売りが優勢となった。市場では「米大統領選挙が近づく中、トランプ前大統領の勝利と米政府の財政拡張に対する懸念が売りを誘った」との声も聞かれた。利回りは一時4.1956%前後と7月26日以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は反発。中国が最優遇貸出金利(LPR)を引き下げたことや、週末にサウジアラビアが中国の景気刺激策により中国の石油需要が高まるとの予想を示したことなどで反発した。また、中東の緊迫化も依然として原油先物の支えになっている。
・金先物相場は5日続伸。週末にかけてもイスラエル軍のレバノン攻撃は継続され、さらに中東情勢が緊迫化していることと、中国がLPRを引き下げたことなどで金先物は5日続伸した。もっとも、引けにかけてはドルが全面高になったことにより、ドルで取引される金先物は割高感が生じ上げ幅を縮小して引けた。
22日火曜
・ドル円は続伸。アジア時間に一時4.2176%前後と7月26日以来の高水準を記録した米10年債利回りが4.16%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時150.61円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値150.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。市場では「一目均衡表雲の上限が位置する150.70円が重要なポイント」との声も聞かれ、徐々に下値を切り上げた。米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると全般ドル買いが強まり、1時30分前には151.20円と7月31日以来の高値を更新した。
もっとも、200日移動平均線が位置する151.36円付近がレジスタンスとして意識されると、上昇は一服した。
・ユーロドルは続落。欧州市場序盤に一時1.0838ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると徐々に弱含んだ。センテノ・ポルトガル中銀総裁が「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」と述べたことなどが相場の重しとなり、前日の安値1.0811ドルを下抜けて一時1.0793ドルと8月2日以来の安値を更新した。米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを誘った。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレ目標が既に達成されたと結論付けることはできない」「金利は必要な限り景気抑制的な水準にとどまる」「金利引き下げのペースは未定」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「景気抑制策の解除が遅過ぎるとリスクが高まる可能性」などと発言。また、レーン・フィンランド中銀総裁は「利下げが迫っている。ペースと規模は後日決定」などと話した。
・ユーロ円は小幅ながら続伸。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、ユーロ円自体は方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続落。米企業決算への期待から買いが入るとプラス圏で推移する場面もあったが、米長期金利が上昇に転じると株式の相対的な割高感が意識されて再び弱含んだ。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、7月10日以来およそ3カ月半ぶりの高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米利下げ観測の後退を背景に売りが出た。利回りは一時4.2176%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は続伸。中国の利下げや資本市場支援策を好感する買いが支えになり続伸して引けた。また、ブリンケン米国務長官がイスラエルでネタニヤフ首相と会談を持ったが、具体的な和平進行となるニュースも伝わらないことで、依然として中東に対する緊迫感が拭えないことも原油先物の支えになっている。
・金先物相場は6日続伸。依然として金先物への投資意欲は強く、本日も史上最高値を更新し6日続伸して引けた。ドル買いが強まると割高感から、やや金先物に売りが入る場面もあったが下押しも限られた。米長期金利が前日と比較すると低下したことも支えになった。
23日水曜
・ドル円は3日続伸。米利下げ観測の後退を背景に米長期金利が上昇すると全般ドル買いが先行。21時30分前に一時153.19円と7月31日以来の高値を更新した。「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想されるなど政局不安が高まる中で、月末の日銀金融政策決定会合で利上げは実施されづらいだろう」との思惑が浮上し、円売りを誘った面もあった。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.2556%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を記録。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方が強まる中、米金利の上昇が続いた。
もっとも、153円台では利食い売りなどが出たため、滞空時間は短かった。ダウ平均が一時600ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比430円安の3万7640円まで下げたことが相場の重しとなり、3時30分前には152.48円付近まで下押しした。
・ユーロドルは小幅ながら3日続落。米利下げ観測が後退する一方、ユーロ圏では低迷する経済を支えるため、欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方が強まっており、ユーロ売り・ドル買いが優勢になった。21時30分前には一時1.0761ドルと7月3日以来の安値を更新した。
ただ、米長期金利の上昇が一服すると下げ渋った。引けにかけては1.0787ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動はほぼ全ての地区で前回から横ばいとなった」と総括。2地区が「緩やかな成長」と報告し、「ほとんどの地区では製造活動が縮小した」と指摘した。
・ユーロ円は3日続伸。東京市場からの円売りの流れが継続し、23時30分前に一時165.02円と7月31日以来の高値を付けたが、買い一巡後は伸び悩んだ。ドル円の上げ幅縮小や日米株価指数の下落が相場の重しとなり、3時30分前に164.30円付近まで上値を切り下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことが相場の重しとなり、指数は一時600ドル超下落した。マクドナルドやアップル、コカ・コーラ、ボーイングなど、個別の材料をきっかけに大きく売られた銘柄が目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。米利下げ観測の後退を背景に売りが優勢となった。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方も相場の重しとなり、利回りは一時4.2556%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は3日ぶりに反落。ドルが全面高になると、ドルで取引される原油先物は割高感から軟調な動きを見せた。一時中東情勢などの緊迫化などもあり買い戻しが入る場面もあったが、米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫で原油とガソリンがともに積み増し幅が市場予想を大きく上回ると、供給過剰懸念が浮上し再び売りに押され3日ぶりに反落して引けた。
・金先物相場は7日ぶりに反落。米選挙などの大きなイベントを控え、安全資産とされる金先物価格は連日高値を更新していたが7日ぶりに反落して引けた。米長期債利回りが上昇したことや、ドルが全面高になったことで、ドルで取引される金先物が割高感になったことが重し。
24日木曜
・ドル円は4日ぶりに反落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.17%台まで低下すると全般ドル売りが先行。ダウ平均や日経平均先物が下落したことなども相場の重しとなり、2時30分過ぎに一時151.55円と日通し安値を更新した。
この日発表された前週分の米新規失業保険申請件数や10月米購買担当者景気指数(PMI)速報値、9月米新築住宅販売件数が予想より強い内容となり、米長期金利が低下幅を縮小した場面では152円台前半まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
なお、植田日銀総裁はワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に会見し、「円安に伴う物価情勢への分析に時間的余裕がある」「円安だけでなく、米経済も含めて全体を見る必要がある」などと発言。また、加藤財務相は「為替市場での過度な変動に注意を払う必要がある」と会合で話したことを明らかにした。
・ユーロドルは4日ぶりに反発。欧州市場序盤には一時1.0771ドルまで値を下げたものの、前日に付けた7月3日以来の安値1.0761ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。NY市場では良好な米経済指標が相次いだものの、米長期金利が低下したため全般ドル売りが進み、5時過ぎに一時1.0830ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.01まで低下した。
・ユーロ円は4日ぶりに反落。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開が続いた。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。決算内容が嫌気されたIBMとハネウェル・インターナショナルが大幅安となり、2銘柄でダウ平均を158ドル程度押し下げた。労働組合が新たな労働協約案を否決し、ストライキ延長が決まったボーイングも軟調だった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに、ポジション調整目的の買いが入った。この日発表の米経済指標は良好な結果となったものの、売りは長続きしなかった。
・原油先物相場は続落。イスラエルとハマスやヒスボラに対しての戦闘に加え、トルコ軍がクルド人武装勢力が潜むイラク北部とシリアのテロリストを標的に空爆を実施するなど、中東情勢が混迷を深めていることで堅調な動きを見せる場面もあった。しかし、昨日発表された米エネルギー省(EIA)で原油の供給過剰懸念が出ていることが買いの勢いを弱め、徐々に売りが優勢になり続落して引けた。
・金先物相場は反発。連日上昇していた米長期金利が本日は低下すると、金利が付かない金先物は買いが優勢となった。NY時間午後には欧州通貨や円に対してドル売りが進んだことで、割安感も生じて反発して引けた。
25日金曜
・ドル円は反発。21時前に一時151.70円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値151.46円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。200日移動平均線が位置する151.42円も引き続き重要なサポートとして意識された。
9月米耐久財受注額や10月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を上回ると、一時は4.17%台まで低下した米10年債利回りが4.24%台まで上昇。米金利上昇に伴うドル買いも入り、4時過ぎには152.38円と日通し高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースが鈍化するとの見方が根強い中、米長期金利は上昇傾向を維持。11月の米大統領選でトランプ前大統領の勢いが増していると見る向きもあり、米金利上昇につながった。
・ユーロドルは反落。欧州時間発表の10月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことや、シムカス・リトアニア中銀総裁が「0.50%利下げの根拠は見当たらない」と発言したことを受けて、22時前には一時1.0839ドルと日通し高値を付けた。
ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利が上昇に転じるとユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、4時30分過ぎに一時1.0793ドルと日通し安値を更新した。欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方も根強い。
・ユーロ円は小反発。21時前に一時164.27円付近まで値を下げたものの、23時過ぎには164.79円と日通し高値を付けた。ただ、引けにかけては再び164.27円付近まで押し戻された。
ドル相場となったためユーロ円自体は方向感が出にくい状況だった。さらに、27日投開票の衆院選を前に様子見ムードも強く、円絡みの取引は手控えられた面もあったようだ。30-31日には日銀金融政策決定会合も控えている。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。米長期金利が上昇すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが優勢となった。マクドナルドの商品による大腸菌の集団感染を巡り、米疾病対策センター(CDC)は従来の49人から75人に感染が報告されたと発表。感染者の増加を嫌気して、同社株は3%近く下落した。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。電気自動車(EV)のテスラにはこの日も買いが続き、3%超上げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。9月米耐久財受注額が予想を上回ったことなどを受けて、FRBによる利下げペースが鈍化するとの見方が改めて意識されると売りが出た。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方も相場の重し。
・原油先物相場は反発。イスラエルの空爆によりレバノン南部でジャーナリスト3人が死亡するなど、依然として中東情勢が緊迫化している。イスラエルがイランへの大規模ミサイル攻撃を行うことを明言していることもあり、週末の間に戦火が拡大するリスクの懸念もあり、原油先物には買いが集まった。
・金先物相場は続伸。前日終値近辺で方向感のない動きを繰り返していたが、中東情勢や11月5日の米総選挙などリスク要因が多くあることで、引けにかけては買いが優勢になり続伸して引けた。週次の引け値水準としては最高値を更新した。
◉とても忙しい2週間になりそうです
日本では衆院選。
米経済指標は重要度の高いものばかり。
いよいよ米大統領選も。
残り今年も2か月ちょっとです。
荒れるでしょう。間違いなく荒れます。
しっかり利食いながら事故に巻き込まれない様SL必須です。
指標じゃなくても大統領選の一報だとかポジション調整など、様々な要因が絡み合う2週間です。
気を引き締めていきましょう。