ゴールと思われるもの。
パニック発作の治療のため、それといくつかの気になることの解消のため、僕は定期的にメンタルクリニックに通っている。その中で、パニック発作のトリガーなるものを見つけた、ような気がする。
新卒で入社したが2年弱で辞めた元弊社。それがトリガーだと思われる。
ある日のこと、現職の営業担当さんからのメッセージが届いたのに気が付かなかった。気が付いたのは終業時間後で、メッセージを見た瞬間、ゾワっとしたかと思えば全身が寒くなり、体が強ばり、息苦しくなった。返信が遅くなったことを詫びてから、用件に対する返事を書く。送信ボタンを押しても、まだ息苦しいままだった。
帰りのバスに揺られながら「どうして気付かなかったんだろう」「怒られるんじゃないか」「早く返信しなくちゃいけなかったのに」と考える。しばらく考えては、ふとパニック発作の治療法を思い出した。呼吸法と、別のことに意識を逸らす方法と、受け入れる方法。その中の受け入れる方法を実践することにした。
確かに返信は遅かったけど、でも気づけたんだし、今日中に返信できたから、結果的に問題なかったんじゃないか?うん、問題ない。見て見ぬふりしなかったんだし。おっけーおっけー。
と、繰り返す。繰り返していくうちに、息苦しさはなくなっていった。息苦しさが完全に取り除かれる頃……つまり冷静さを取り戻した頃に、どうしてパニック発作になったのかを分析してみた。
……あ。そういえば元弊社で社長からのメールは午前中に返せと言われてたな。社長、深夜か明け方に送ってきてたな……朝のメールチェックで毎回びっくりしてたもんだ。それで、午前中に返さなかったら上司に怒られ、上司経由で社長が怒ってたことを報告され、って感じで、まあ、めんどくさいことになってたな。……ん?もしかして、これがトリガーか?
パニック発作と診断されてから、パニック発作が起きた時間と場所を記録するようにしている。とはいえ、凝り性で飽き性なので、A5サイズのルーズリーフにささっとまとめているだけであり、最新のものが一番上になるように挟んでいくだけだ。パニック発作が完全に起きなくなったら、「完了」という意味で、気に入っているシールを一番上のルーズリーフに貼ることにしている。
その記録帳に、元弊社の情報を書いたルーズリーフを挟む。そして、目標を書く。
「1人で元弊社の事業所付近に行く」。
「1人で元弊社の大阪事業所のメンバーに会う」。
きっと、これらはゴールだ。これらをクリアすれば、パニック発作は比較的起きにくくなるんじゃないか。そんなことを考えているが、まだ行動に移せていない。行動に移そうとすると、息苦しくなるからだ。
だからちょっとずつ、他のパニック発作の原因をやっつけてからにする。RPGでちゃんと武器や防具を揃えてレベルを上げてからラスボスに挑戦するのと同じように。
30歳までにこれらの目標を達成できるようになりたい。というのも、このままだと今後も大阪に行けなくなってしまう。大阪のことは嫌いではないので、行けなくなるのは悲しいものがある。大阪に行けるようになるためにも、ちゃんと向き合わなければ。