小説のネタになりそうな夢を見たというお話。

不思議な夢を見た。

夢の中の僕は、バスに乗っていた。

バスの中は、(現実世界では見たことのない)友達と、ふくよかな女性、その他たくさんの人で溢れ返っていた。

そのバスには、それぞれに渡された条件を満たすと、料金が安くなるという不思議なシステムがあった。

僕に渡された条件は覚えていないが、ふくよかな体型の女性に渡された条件は『知らない誰かに席を勧めること』だった。

丁度席が空く。ふくよかな体型の女性と友達の間の席だ。

僕が座らないでいると、ふくよかな体型の女性は、「ここに座ったら?」とにこにこと笑いながら言った。僕は目を丸くし、頷き、座ることにした。

「どこまで乗るつもりなの?」とふくよかな体型の女性は聞く。「〇〇までかな」と僕は答える。

「こういう花があるのは知ってる?胃薬にもなるんだけどね。花言葉は『安らぎ』、『また会おう』っていう、青い花」とふくよかな体型の女性は、写真を見せながら聞く。それはスズランのような見た目をしていたが、星空のように、青色に少し白が混じっていた花だった。初めて見るもので僕と友達は首を傾げる。「見たことない」と僕らが言うと、にまーっと笑って、止まったバス停で降りていった。

場面が変わる。

バスの中ではなく、フードコートの近くのお花売場にいる。また、友達と一緒にいる。

「そういえばさ」友達が口を開く。「あの花があるのか聞いてみようよ。青色の…」

僕は頷き、店員さんにたずねる。あのふくよかな体型の女性が言っていた花があるか聞く。

店員さんは首を傾げた。そんな花は見たことがない。僕と友達は目を合わせた。

「で、でも、確かにあるってあの人が」

「あの人?」

「はい。ふくよかな体型をしてる女性で…あ」

友達が何かを見つける。その先を辿ると、別の店員さんが写真を持っていた。その写真には、僕らが出会った女性が映っていた。

「その人です!」友達が叫ぶと、僕らの相談を受けている店員さんは、写真を持つ店員さんを呼び、写真を見せるよう言った。近くで写真を見せてもらうと、やはりそこにはあの女性がいる。

「私達、その人に夢の中でお花について教えてくれたんです。なんでいなくなっちゃったんだろう…」

「そうだね…((いや、知らない人だからいなくなってもおかしくないって。現実の悪嵐はそう心の中で思った…))」

しんみりしてしまったが、慌てて横に振り、「ありがとうございました」とお礼してからフードコートに入る。フードコートには既に来ていた友達三人(全員専門学校時代の同級生だった)がいて、席を確保していた。僕らが席に座り、しばらく話していると、後ろからとても派手な服、そして化粧をしているあのふくよかな体型の女性が現れた。

僕らはその女性を見る。「何このおじいさん?」「子供?」などと『ふくよかな体型の女性』ではない意見がちらほら出てくる。もしかして…と思い、そのふくよかな体型の女性の左頬を叩く。

全員の目に同じ『ふくよかな体型の女性』が見えたのだろう、僕と友達の一人以外がびっくりしているようだった。

そのふくよかな体型の女性は『死神』だった。見る人によって姿かたちが変わる『死神』。今日の衣装は、僕らに教えてくれたあの花をイメージしたドレスなのだという。僕がその女性の左頬を叩くことにより、変化が解けたのだ。

そこで夢が途切れた。

もう少し、夢の続きを見たかったが、現実世界の時間はそうしている間にも進んでいくので、一旦目を覚ます必要があったのだ。今何時?ちゃんと朝に僕は目を覚ましている?時計を見ると、まだまだ本来起きる時間ではなくて、あー夢の続きが気になるパターンだこれ…と残念になり、夢の出来事を綴ろうと思いnoteを開いたのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?