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音楽も料理もワインもみんな主役!
舞台では、主役だけではなく脇役のの役割が大きくなります。どういうことかというと、脇役は一人で複数の役をこなしつつ、舞台の進行に気を配り、例えば小道具を動かしたり、全体に気を配ります。主役級であっても舞台では全体の進行がうまくいくように他の俳優たちの位小道具の位置に気を配る。
レストランでもこれは同じで、メニューも、顧客も、給仕も、キッチンもそれぞれの役割を果たすことで成り立っています。
さて、それに音楽とワインが加わったとしましょう。お互いの関係はさらに複雑になります。
ワインは簡単にいうとマリアージュとかアッピナメントで、料理の特性を壊さずに、そして単独であっても、料理と一緒に口に含んだ時にも、なんか出来ている。ミュージカル舞台のコーラスみたいかな。
それに、今度は音楽が主役級として加わるとどうなるか?
多くのレストランでBGMがかかっている。 使い回しのジャズのBGMはうんざりすることがあるが、選曲が良ければまあいいでしょう。だけど、ほとんど場合それ以上のクオリティーは無い。で、音楽と料理とワインまとめてアッピナメントを考えるとどうなるか。
おそらくこれまでもいろんな人が試してきたんでしょうけど、それが京都の片田舎(失礼!)で出会いました。
このイベントは私のかってのオケ仲間北川さんを中心に山城芸術財団がプロデュース。場所は京田辺のDemter‘s Table。ぜひググってみてください。
京田辺にあるこのイタリアンで、ピアニスト、竿下和美さんのコンサートがありました。初めての試みなのは並行して料理と、ワイン専門家の話と音楽を聴きながら楽しむという企画。。ここではピアノも、料理も、ワインもみんな主役で、かつお互いがコーラスのようにハーモニーを作り出していました。
料理は竿下さんの選んだ音楽に合わせてシェフ下司真也さんががそれに合うようにメニューを作り、さらにワインは大阪のエノテカ・ビアンキの丸谷さんが料理と音楽双方を眺めながらワインのペアリングをするという、三つのベクトル?三声のインベンション?音楽はそもそもハーモニーで、料理もシェフと素材の間のハーモニー、ワインも葡萄品種とテロワールと作り手のハーモニー。
お互いに制約があるから、といってもまずは音楽が主題を決めて、料理とワインが花を添える。だから音楽はBGMではないのです。
例えばリストの曲、・・・波を渡るパオラの聖フランチェスコ、はシチリアと本土の間のメッシーナ海峡を渡る聖人の話。だからホタテ貝のソテー、そしてまるで聖フランチェスコが渡ったかのようなビーツでできた道!それにエトナのワインが添えられる!さらに竿下さんのトークも面白かった。このエトナのワインのアッピナメントが目が覚めるように素晴らしかったんです。(ちなみにアッシジのフランチェスコとは別人だそうです)
昔ロッシーニが作曲をほとんどやめて料理人になった後、彼は楽しい音楽だけを作り続けました。こういうことがやりたかったのかも?
なんて素敵な、贅沢なイベントだったことでしょう!またやってください!
それぞれ別に純粋に楽しみたいというときももちろんあります。だけどたまにはこういう味覚・聴覚・視覚そして知識などを合わせて楽しむイベントがあってもいいですよね。
れ別に楽しみたい・・・という人もいるかとは