子宮とのつきあい方
2022年4月13日のNHKの朝の情報番組「あさイチ」で、大黒摩季さんがゲスト出演され、子宮に関する特集をしていました。わかりやすい内容だったので、メモをまとめました。
子宮内膜症
子宮内膜は生理の時に膣から流れ出すものですが、卵管を逆流してお腹の中に留まってしまい、炎症や癒着などを起こして痛みを生じるのが子宮内膜症。
症状
主な症状は、痛みだが、生理痛だと思って我慢してしまう人も多い。子宮内膜症の患者は260万人以上ですが、治療を受けている方は1割くらい。
内膜症と他の病気の関係
卵巣がん、骨粗しょう症、心血管系の疾患(高血圧等)など、他の病気になるリスクも上がる。
心血管系の疾患を防ぐため運動・バランスよい食事・睡眠などいわゆる生活習慣の改善が大切とのこと。
子宮内膜症が増えた原因
生涯の生理の回数が増えたことが子宮内膜症が増えた原因。
昔の女性は生涯の月経数が約50回(5人出産として)。
現代の女性は、約450回(2人出産として)。
現代は初潮年齢が早まり閉経が遅くなっていることと、妊娠回数が減ったことなどもあり、昔の女性の9倍もの回数の生理がある。
治療
現代は保険適用で低容量ピルの処方がされている。
昔はピルというと避妊薬のイメージがあったが、ピルを飲むことで炎症が抑えられるので、非常に楽になる。10代にも処方される。超低容量ピルが出てきて副作用もなくなった。
ただし、40代以降がピルを使う場合は、血栓症の副作用が出る場合がある。
子宮筋腫・子宮腺筋症
生理のたびに進行していく病気。子宮筋腫は無症状のこともある。子宮腺筋症は痛みを伴う。
子宮頸がん・子宮体がん
子宮体がんのサインは不正出血。閉経前後で生理が不安定な時期の場合、不正出血を見逃してしまう場合もある。
大量出血しても見逃してしまった例もある。
不正出血があったら、まず経腟エコーでの子宮内膜の厚さを調べ、結果によって細胞の検査へと進むことが必要。
子宮体がんの検査は痛みを伴うイメージがあるが、細胞を取る方法も変わってきているとのこと。
子宮摘出の判断
妊娠を考えている方はもちろん、妊娠を予定していない場合でも子宮を取ってしまうことの喪失感、パートナーとのコミュニケーションへの不安などから子宮摘出を迷う方は多い。
また、費用面で手術を選択する方もいる。
投薬治療であればひと月3,000円×治療期間がかかる。10年間治療した場合は約50万円。手術の場合は約10万円。
まとめ
生理痛や大量出血、不正出血は異常なことなので、我慢しないで早期に婦人科を受診するということが大切ということでした。
医学の未来を信じる
ゲストの大黒摩季さんが20代の時に、ホルモン治療か仕事(4万人ライブ)かの選択を迫られた時、
「未来にかけてみよう。日本の医学を信じよう。その先にきっとすごい薬を作ってくれる学者さんがいるはずだ。自分のように苦しんでいる女性が増えるとその薬もできるんじゃないか」
と考えてその時は仕事を選んだ、という話をされていました。
治療には決断が必要となる場面も多いですが、現在の選択肢だけを見るのではなく、未来の医学の進歩まで選択肢に入れる、という考え方がとても印象的でした。